2021年5月8日、東京六大学野球春季リーグの第5週1日目が行われ、明大が竹田祐(4年・履正社)のリーグ戦初完投で法大を3対1で下した。完投勝利を挙げて雄叫びを挙げる竹田 無観客試合(※15日から上限5000人の有観客で再開)で行われた神…

 2021年5月8日、東京六大学野球春季リーグの第5週1日目が行われ、明大が竹田祐(4年・履正社)のリーグ戦初完投で法大を3対1で下した。

完投勝利を挙げて雄叫びを挙げる竹田

 無観客試合(※15日から上限5000人の有観客で再開)で行われた神宮球場に、明大のエース・竹田の「よっしゃあ」という雄叫びが何度も響いた。前回(4月24日)の慶大戦では6回途中6失点でノックアウト。チームも5対6で敗れると、翌25日も連敗を喫し優勝に向けて負けられない状態となっていた。

 そこで25日の試合から帰寮してすぐにベンチ入りメンバー全員で寮を清掃。普段から綺麗に利用しているが、田中武宏監督は「野球ができていることの感謝や寮生活ができていることの感謝」をあらためて感じさせた。技術面に関してもそれぞれが課題を持って取り組み、竹田は足を上げた際の姿勢を確認し、体を突っ込ませずにボールが浮かないよう取り組んできた。

 その成果は法大・加藤重雄監督が「竹田くんの高めのストレートと低めの変化球のコンビネーションに惑わされました」と悔しがったようにハッキリと表れ、5安打1失点。見事にリーグ戦初完投を、チームにとって大きな勝利で飾った。

 一方、法大は思うように打線が繋がらず無死からの走者も3度出したが、いずれも後続が凡退に倒れて打線に勢いが生まれず。得点はエース・三浦銀二(4年・福岡大大濠)のソロ本塁打のみに終わった。加藤監督は「データ的にバントでも強攻でも得点の確率は変わらないので強攻しているが、それが上手くいかなければ反省点として捉えなければいけません」と悔しそうに振り返った。

 これで明大が3勝2敗で勝ち点3、法大が2勝4敗1分けで勝ち点2.5。2回戦も優勝争い生き残りに向けた熱い試合が予想される。

リーグ戦初本塁打を放つも、投げては6回3失点の三浦。「本来の自分の球で勝負できず粘られました」と悔しそうに振り返った

■明治大vs法政大1回戦
明大 001011000=3
法大 00001000X=1
【明】○竹田-植田
【法】●三浦、武富、尾﨑、古屋敷-舟生、大柿
本塁打:明大・宗山(5回ソロ)、法大・三浦(5回ソロ)

高い守備力を買われて途中出場した遊撃手の宗山塁(1年・広陵)がリーグ戦初本塁打。今後の抱負については「自分より良い打者がたくさんいるので上手くつないでいきたい」と謙虚に語った

文・写真=高木遊