フランスは新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるのに苦戦しているが、フランステニス連盟のジル・モレトン会長は先日、「全仏オープン」(フランス・パリ/5月23日~6月6日/クレーコート)を中止することは「想像するのもはばかられる」と語った。…

フランスは新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるのに苦戦しているが、フランステニス連盟のジル・モレトン会長は先日、「全仏オープン」(フランス・パリ/5月23日~6月6日/クレーコート)を中止することは「想像するのもはばかられる」と語った。オンラインメディアFirstpostが報じている。【動画】ナダルのクレーでのスーパープレートップ10

「今のところ我々は順調に準備を進めていて、大会は予定通り開催される見込みです」とモレトン会長。「しかし、もし2ヶ月間の外出禁止令が出されたら、当然ながら対策を講じる必要が出てきます。最悪の場合は大会を中止することになりますが、それは想像することもはばかられます」

フランスにおける一日あたりの新型コロナウイルス感染者数は約5万人を超え、パリなど感染が集中している地域の病院では患者が収容しきれなくなってきている。エマニュエル・マクロン大統領は、感染拡大に対応するために来週から学校を閉鎖し、パリなどの地域に限定的に発令されているロックダウンを、フランス全土に拡大すると発表したばかりだ。

昨年の「全仏オープン」は4ヶ月延期され、長年実施されてきた5月末から6月初めにかけての時期ではなく、9月末から10月にかけて開催された。さらに、観客数は一日わずか1000人に限定された。

「今年の“全仏オープン”に関しては、多数の選択肢を検討しています」とモレトン会長は付け加えた。「選択肢は考えうる全て、と言うよりほぼ全てです。100%の観客数を受け入れることは想像しがたいですから。しかし、無観客での開催から、100%に近い観客を入れての開催までの可能性があります。我々は全選手と定期的に話し合っており、状況がどう変化するかを見守っています」

「全仏オープン」は今シーズン2つ目のグランドスラムの大会だが、主催者はこれに先立って開催された他の大会で得られた教訓を参考にすることができる、とモレトン会長は言う。2月に行われた今年最初のグランドスラムである「全豪オープン」では、選手たちはホテルで2週間の隔離期間を過ごさなければならなかった。

「我々の大会の前には、同じ地域で、屋外コートで“ATP1000 モンテカルロ”などの他の大会が開催されます。その後もマドリードやローマなど、遠くない地域で大会が開催されるので、オーストラリアとは状況が違います」

(テニスデイリー編集部)

※写真は2020年「全仏オープン」で13度目の優勝を飾ったナダル

(Photo by Julian Finney/Getty Images)