大会ナンバーワン投手が無念の敗退を喫し、再び若い投手の健康問題と球数制限がクローズアップされそうだ。2年ぶりに開催され…

 大会ナンバーワン投手が無念の敗退を喫し、再び若い投手の健康問題と球数制限がクローズアップされそうだ。2年ぶりに開催された春のセンバツ高校野球。最速151キロを誇る畔柳亨丞投手を抱える中京大中京は3月31日の準決勝・明豊戦に4-5で敗れた。

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 この試合、畔柳は先発を回避。背番号10の柴田青投手が先発した。4回にその柴田が5点を失い、なお2死一塁という場面で畔柳が救援登板。そこから打者7人を完璧に抑えて5三振を奪い、剛腕ここにありと思わせた矢先のことだった。

 6回裏の攻撃、畔柳に代打が送られた。よもやの緊急降板。チームは9回に1点を返して1点差まで迫ったが、24年ぶりの決勝進出には届かなかった。

 「準備の時から肘が重たく、体に力が入らなかった」と右腕は説明した。これまでの3試合全てに先発。中1日間隔で計379球を投げていた。今大会は「1週間で500球」という球数制限が設けられており、この準決勝での可能投球数は121球となっていた。それに及ばない31球で、畔柳の春は終わりを告げた。

 この日の最速は140キロ止まり。自慢のストレートが武器の本格派が、投球の半数以上は変化球が占めた。投球フォームに持ち前の力感は戻らないままだった。球数制限に達するよりも前に、大きな負担により体は限界に達していたと見るべきだ。

 仮に中京大中京が決勝へ進出していた場合は、1週間という括りがなくなり、畔柳は決勝戦では221球投げることができる。

 逆に決勝進出した東海大相模のエース・石田隼都の例では、2回戦が中京大中京よりも1日遅い3月26日だったため、決勝は192球と制限がきつくなる。実際には決勝は石川永稀が先発。石田は中継ぎ待機した。

 時間の限られる春休み、もしくは夏休みに開催される甲子園大会において、日程と健康の確保の両面を担保することは困難だ。そこには理想と現実のギャップが間違いなくある。選手を守るための綺麗事を並べた理想論では、充実した大会は作れない。高校生において学業との両立は何よりも優先すべきことであり、トーナメント制ではない長期のリーグ戦を提唱する声も、現実を見ない机上の空論の一つに過ぎない。

 日程という大きな壁。そこに雨天中止など自然の力も加わってくる。日程上公平になる球数制限を設けることは不可能に近いが、あくまで折衷案としてより良い形を探っていくことが、遠回りのようで近道に違いない。

 畔柳の投球により、そうした議論がまた交わされることであろう。今の「1週間に500球」という制限に、どう手を加えて理想に近づけていくか。選手本人や現場の責任者だけでなく、医療スタッフの意見も交えながら、一人でも多くの関係者が納得できる方策を固めていくには、まだまだ道半ばにある。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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