およそ3カ月間に及ぶ米国遠征が控える渋野日向子にとって、国内女子ツアーの節目となるトーナメント、アクサレディス in MIYAZAKIが終わった。 2日目に上がり2ホールで連続ダブルボギーを叩くなどスコアを伸ばせず、32位タイまで沈んだ渋…

 およそ3カ月間に及ぶ米国遠征が控える渋野日向子にとって、国内女子ツアーの節目となるトーナメント、アクサレディス in MIYAZAKIが終わった。

 2日目に上がり2ホールで連続ダブルボギーを叩くなどスコアを伸ばせず、32位タイまで沈んだ渋野だったが、最終日には4バーディー、1ボギーの「69」で回って、通算4アンダー、15位タイでフィニッシュした。結果的には順位を大きく上げて、上昇気流に乗って海を渡ることになった。

「昨日と違って、ショットの調子がよかった。納得のショットが多かったと思います。ボギーを打つ要素が少なかった。(パッティングに関しても)外してしまう場面もありましたけど、嫌な外し方ではなかったというか。

 風があろうがなかろうが、スコアは出る時は出る。ダボを打つ時は打つ。結果に対して、強い感情を持たないようにしたいというのが、今週学んだことですね」



4月からは米ツアーに挑む渋野日向子

 昨年末に青木翔コーチから"卒業"し、今年に入ってから円をイメージする横振りのスイングに大きく改造している渋野は、ここまで予選落ちはなく(13位タイ、57位タイ、11位タイ、15位タイ)、まずまずの結果と言えるだろう。

 私の取り組みは間違っていない――そう自らに言い聞かせるように、3月に戦った計4戦を振り返った。

「去年なんて、開幕戦は予選落ち。それに比べれば、ちゃんと予選通過して、たま~にいい位置で戦わせてもらって。結果的にトップ10には入れていないので、すごく悔しい思いはあるんですけど、すごくがんばっているとも思います」

 その一方で、全英女子オープンを制し、国内ツアーでも4勝を挙げて賞金女王を争った2年前と比べると、「物足りない」と受け取ってしまうのがファン心理である。スイング改造について否定的な意見があることも、渋野は理解している。だからといって、信念が揺らぐことはない。

「今、取り組んでいることにまったく不安はないですし、周りにどうこう言われようが私は関係ない。世界にはいろんな人がいて、いろんな意見があるのは当然。

 たとえ否定的な意見でも、赤の他人のような方が、自分を評価してくれているのは本当にありがたいこと。その評価に負けないように、自分も左右されないように、自分の意志を貫きたいです」

 渋野にしては珍しく、感情的な言葉が並んだ。

 今後は4月1日開幕の今季最初の海外メジャー、ANAインスピレーションを皮切りに、最長3カ月に及ぶ海外遠征に臨む。

「今、取り組んでいることをアメリカで実践して、どういう感じになるのかが楽しみ。(ANAインスピレーションに関しては、コロナ禍で秋に開催延期となった)昨年の経験は踏まえず、『初めて行きます』くらいの感じで臨みたい。昨年ほど暑くはないと思いますが、風がかなり強いって聞いているので、まずは予選通過できるようにがんばりたい。

(ゴルフ場以外に)外に出ることは限られるので、マネジャーさんと一緒に料理をするとか、そういうところでリラックスしたい。日本食のスーパーもたくさんあるから、前回は麻婆豆腐を作ったりした。もう一回作ってもいいし、難しい料理も挑戦したい」

 次に国内で渋野のプレーが見られるのは7月か。東京五輪の直前となる。長い海外遠征を経て、進化した姿で帰国することを、誰より彼女自身が期待している。