28日に行われた第34回リードジャパンカップ決勝(印西市松山下公園総合体育館=千葉県)では、上部の核心で1分以上に及ぶ粘りのクライミングを見せるなどして観るものを魅了した森秋彩がボルダリングジャパンカップとの今季2冠を成し遂げ、男子は16歳の吉田智音が初優勝を果たした。以下、決勝を終えた選手たちのコメント一覧。


森秋彩(女子優勝)
「優勝できた喜びより悔しさのほうが勝っていて、完登したかったという気持ちでいっぱい。(時間をかけた核心部分は)最初はオブザベーションでの想定通りに行こうとしたが、少しリスクがあると思い、ムーブを探っている間に時間を使ってしまい腕も疲れてしまった。でも、このまま落ちたら『あとで後悔するだろうな』とか、『上触りたいな』とか、完登して優勝するためにここで落ちるわけにはいかないという強い思いがあった。

(ホールドとは違う)壁の凹凸を見つけられたことで(そこを足場に使い)体制が整えられて、『絶対に止めたい』と思い切り手を出したら(次の一手が)止まった。ムーブを迷ってしまうことが自分の課題。強度に対応する力は付けてきたが、これからは判断力を上げることにもっと力を入れていきたい」


野口啓代(女子2位)
「優勝したかったが、予選、準決勝よりはいい登りができたので満足している。(予選、準決勝では)自信のない一手が多く、思い切った登りができなかった。決勝は吹っ切れて、躊躇しなかったところが良かったと思う。決勝課題は手や指だけで登るというよりも、体全体で力強く登らないといけない箇所が上部にあった。思い切り手を出さないといけなかったり、躊躇しているうちに疲れて落ちてしまうような箇所が多かった。

(優勝した森については)落ちそうになってもあきらめない、粘り強い登りが秋彩ちゃんらしく、決勝もその良さが出た登りだった。1年ぶりに観客の皆さんに観戦していただいたので、すごく嬉しかった。声援があるとやはり力が出るし、頑張ろうと思える」


中川瑠(女子3位)
「決勝課題が面白く、すごく楽しんで登ることができた。今の実力をしっかり出し切ることはできたが、体力が足りず、まだまだ成長できると思えた大会でもあった。今後はW杯でしっかり結果を残せるように、もっと体力をつけていき、どの課題でもこなせるように苦手意識のあるものを減らしていきたい」


田嶋あいか(女子6位)
「(学生最後の大会を終えて)時間がある中で練習できるのが今年で最後で、すごく意味のある大会だと思って練習に励んできたので、できることなら表彰台に乗りたかった。このような結果になって悔しいと思う気持ちがある一方、上位3人は格が違ったので、そもそもトレーニングが足りていなかったと反省している。

(春から社会人になるが)仕事も頑張りたいし、競技も続けていきたい。国内大会には出るつもりでいる。今のクライミング業界はプロでやっていくか、趣味としてやっていくかで二極化していると思っている。私が先陣を切るつもりで、社会人として働きつつも、競技で成果を出せる“最強OLクライマー”を目指したい」


吉田智音(男子優勝)
「本当に信じられない。まだ自分の立場を理解できない。W杯に出て経験を積みたかったので、(上位に入ればW杯日本代表権を獲得できるため)最低でも5位以内を目標にしていた。決勝課題は苦手なプッシュする部分が多く、印象は最悪だった。登ってみると緊張して力が入る部分もあったが、中盤からは持ちやすいホールドが出てきたので持ち直せたと思う。今大会は観客の方もいてバルーンの音があり、自分の力に変えることができた。盛り上がるとアドレナリンも出てくるので、それも競技に上手く活かすことができたと思う。

去年に比べると筋肉量が増え体重も重くなってしまったが、ミドルな持久力が減った分、難しいムーブで力を出し続けられるようになってきた。(今後の目標は)一番は五輪に出ることだが、全然経験が足りない。日本と海外の大会では(ホールド間の)距離も違う。まずはW杯で経験を積んでいきたい」


樋口純裕(男子2位)
「応援してくれる方の存在を肌で感じながら登ることができて嬉しかった。足を運んで頂きありがとうございました。登りは、アップの加減、ルートの読み、プレッシャーの処理など思うようにできたことのほうが少ない。そんな中でも決勝は攻めていけたので良かったと思う。今後はパリ五輪が一番大きな目標で、ボルダーの強化が急務。ボルダリングジャパンカップでも決勝で登れるくらいになりたい」


藤井快(男子3位)
「(最後の)あの一手を止められればという思いで、本当に悔しいの一言。落ちる直前まで余力はあったが、最初のムーブで持ち面まで届かず、そこで一気に余力が尽きてしまった。決勝課題は精神的にダメージを少しずつ負わせていくような内容だった。テンポをうまく掴めないところもあった中で、いい登りができていたとは思っているが、最後は自分の実力不足。今後目指すのは、まずは世界選手権(9月・モスクワ)。出場できるのであれば、そこで優勝したい」

CREDITS

取材・文

編集部 /

写真

窪田亮

※当サイト内の記事・テキスト・写真・画像等の無断転載・無断使用を禁じます。