2007年にGAMIさんと共にプロレスリングWAVEを設立。2019年に同団体の代表取締役社長に就任した桜花由美。コロナ禍において難しい舵取りを迫られる中、まもなく社長就任2周年を迎える。後編はレスラーと社長について。 <前編はこちら> …

2007年にGAMIさんと共にプロレスリングWAVEを設立。2019年に同団体の代表取締役社長に就任した桜花由美。コロナ禍において難しい舵取りを迫られる中、まもなく社長就任2周年を迎える。後編はレスラーと社長について。

<前編はこちら

--桜花選手が他団体であるOZアカデミー(以下 OZ)にレギュラー参戦して10年以上経ちますね。
桜花由美(以下 桜花):他団体への参戦はストレス発散。最初OZに参戦した理由は他にありましたけど、今はストレス発散です(笑)。
WAVEで試合を行う時、団体の代表なのでチケット手配やグッズ・進行等、全てを考えなければいけない。でも他団体に参加する時は、私の気持ちの抜き所というか、「選手として試合だけに集中できる」わけです。
今は「レスラー 桜花由美」と「本名 阿部由美子」が合体している感覚ですけど、少し前まで「『桜花由美』とは、こういう存在でいなければいけない」と思っていた。今は私が生きたいように生きようと思っています。

--そう思い始めたのは、いつぐらいの時期からですか?
桜花:2019年に代表取締役社長に就任した辺りからですかね。今までは家を出た瞬間から桜花由美でした。でも今は飾らなくていいので。良い意味で肩の力が抜けました。40歳を過ぎたからですかね(苦笑)。ストレスなく生きています。

--社長業とレスラーの切り替えは、どのタイミングで行いますか?
桜花:レスラーになる時のスイッチは、自分の入場曲が流れて入場ゲートを出る時。それまでは会場周りのことをしているのでバタバタしています(苦笑)。それに2016年くらいまでは、試合前になると神経が張り詰めていました。

--それが改善したキッカケは、なんですか?
桜花:宮崎有妃さんとタッグを組んでからです。「この人が隣に居てくれたら、私は何をしてもいいんだ」と思えた。もし私がミスをしても大丈夫だと感じた。それからナーバスになることは、あまりないですね。
信頼している人と戦ったり、タッグを組む時は大丈夫ですけど、初めて試合をする選手が相手の時は多少ナーバスになりますね(苦笑)。

--今タッグを組んでいるマーベラスの桃野美桜選手とは、宮崎選手とタッグを組んだ経験が影響していますか?
桜花:影響していますね。若い桃野に対して、「何をしても大丈夫だよ、私が付いているから」という気持ちでいます。私は桃野の両親と同じくらいの年齢なので、桃野は私のことを「Mammy」と呼ぶんですよ(笑)。

--昔の女子プロレスは、先輩に対してタメ口というか対等な立場ではなかった気がします。その発言からも桃野選手は伸び伸びプロレスをしているように感じます。
桜花:他団体に出場している方が、選手はイキイキしているんですよ。自分の団体はキチンとしなければ行けない。だからWAVEに参戦した他団体の選手には羽根を伸ばして欲しいと思っています。

--たしかにWAVEのリングに上がっている他団体の選手の表情はイキイキしていますね。そういえば3.6上野恩賜公園野外ステージで行われたAssemble(アッセンブル)で、WAVEはメインイベントでした。
桜花:アッセンブルは各女子プロレス団体が1試合ずつ提供試合を行う大会です。WAVEは真面目な試合もするけど、「他の団体がガチガチした試合をするから、私たちは箸休め的な試合で行こう」と思い、試合順を決めるくじ引きをしたらメインを引き当てるという。
そのことをWAVEメンバーに伝えたら怒られました。「第3試合くらいが良かったのに、よりにもよってメインって」と(笑)。タッグマッチが多いのでWAVEの特色を出せるように4WAYにしました。

--試合後のSNSで、「メインがWAVEで良かった」「WAVE楽しすぎた」という意見を多数見ました。ところで桜花選手にとってGAMIさんの存在とは?
桜花:プライベートでは一緒に居たくないけど、すごく尊敬する人です(笑)。いろいろなことあって、「会社やばいかも…」という時、GAMIさんがいてくれたから会社が存続できたことが沢山ありました。
この会社がなくなった時、私はプロレス界から居なくなる時ですね。この会社がある限りGAMIさんとは一緒にやっていきたいと思っています。

--桜花選手が社長に就任して2年が経ちます。どのようなWAVEを作っていきたいですか?
桜花:私はWAVEの選手を一人一人キチンと個性を生かしたい。私の中では野崎渚がエース。定食に例えると、野崎をメイン。ご飯を旧姓・広田さくらさん、味噌汁を宮崎さん。その時によってメインは変わるかもしれないけど、定食にご飯と味噌汁は絶対に無ければならない。
2019年、私が社長になった時に「WAVEのリングにフリーは上げない宣言」をしました。私がフリーになったことはないし、フリーは自分のことを1番に考える。でも団体に所属しているレスラーは、団体のために試合をしている。
その「団体のために試合をしているレスラーの息抜きの場にWAVEをして欲しい」、だからWAVEのリングにフリーを上げたくない。フリーでも売れているレスラーは良いんです。ただ、このコロナ禍でフリーの選手でリングに上がれない人もいる。団体に所属していたら、団体のリングには上がれる。
フリーでリングに上がれなければ廃業状態。活動している姿をメディアで取り上げて貰えるのと、取り上げて貰えないのは雲泥の差がある。入場者数の人数制限もあり、団体は様々なことを考えながら運営しています。本当に大変な状況下で、会社もっているなと思いますね。
私もJDに所属していた頃は、こんなに色々なことを会社の人がしてくれていると思わなかった。ただただ試合をやればいい、と思っていた。
WAVEを立ち上げて、「こんなに会社が色々なことをしてくれていたんだ。守ってくれていたんだ」と思いました。価値観が変わった。だから今選手を全力で守ります。ただ選手が不祥事を起こした時は胃が痛くなります(苦笑)。

--最後に社長として、どんなプロレスを提供したいですか?
桜花:お客さんが笑って帰れる大会。試合後、ご飯やお酒を飲みながら「あの試合楽しかったよね」と言ってもらえる興行を提供したい。
2時間の映画を観た後、みんなで楽しそうに語り合いますよね。そんな光景をWAVEの試合を観た後、お客さんにして貰えたら最高ですね。うちの試合はみんなに楽しんで貰えると思います。そこは自信を持ってお勧めします。絶対に後悔させません!


<インフォメーション>
桜花由美選手が代表取締役社長に就任して2周年を記念した大会、PHACE2 Reboot 2nd『NAMI☆1~Apr.~’21』が、4/1(木)新宿FACEで行われます。詳細はプロレスリングWAVEのWebサイトをご確認ください。→https://pro-w-wave.com

プロレスリングWAVEオフィシャルショップ【Shop-ZABUN】では、チケット、所属選手オリジナルグッズや各種グッズ、DVD等販売中です。→https://home.tsuku2.jp/storeDetail.php?scd=0000044512

プロレスリングWAVEの選手が日替わりで店長を務める女子プロレスバー「ちゃんす」。シフト等はTwitterでご確認ください。→https://twitter.com/barchance

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