スポーツクライミングの第34回リードジャパンカップ女子準決勝が27日、千葉県の印西市松山下公園総合体育館で行われ、唯一の完登を記録した森秋彩が首位で決勝に進出した。

 女子準決勝は、午前から行われた予選で2本のルートを登ったことによる疲労の影響か、選手たちは最終盤前に力尽き、ちょうど半分となる13人が競技を終えた時点での暫定首位は高度33+を記録した野中生萌。結果的に、この上部に設けられたクラックからの一手、33+が決勝進出ラインとなった。

 その後、伊藤ふたば、中川瑠が同高度で競技を終え、1位中川、2位伊藤、3位野中に順位が更新されたが、残りの競技者6名が34+以上を記録。伊藤と野中は決勝進出圏内から押し出されてしまった。傑出したパフォーマンスを見せたのが森秋彩で、持ち前の粘り強さと持久力で最終盤も攻略し、最終競技者にして初完登を果たした。この日3本目の競技だったが「まだ余力はあった」と言うから驚きだ。今年1月にボルダリングジャパンカップを制覇した森には、今季2冠への期待も高まっている。

 ファイナルに駒を進めたのは森、谷井菜月、田嶋あいか、野口啓代、阿部桃子、平野夏海、柿崎未羽、中川の8名で、田嶋と中川以外は昨年のファイナリストである。女子決勝は、明日15時から行われる。

【森秋彩コメント】(首位通過)
「(予選も合わせて1日3本登ったが)普段の練習ではもっと登っているので、疲労が溜まる感じではなかった。まだ余力があった。順位的には良かったが、登りは少し守りに入って慎重になっていた部分があった。決勝でダイナミックな動きが出てきた時に、今日の登りだと落ちてしまうかもしれないので、明日はもっと攻めた登りがしたい」

【野口啓代コメント】(4位通過)
「明日の決勝に駒を進めることが目標だったので、うれしい。予選、準決勝は持久力勝負の課題で、まだまだ持久力が足りないと感じる部分があった。予選より準決勝のほうがいいパフォーマンスができたと感じている。明日はさらにいい登りがしたい」

【伊藤ふたばコメント】(9位敗退)
「あと一つで決勝行けたので素直に悔しい。いつもと日程が違ったので、準決勝は最初から疲れていたが、今日出せるパフォーマンスは出せたと思う。普段リードの練習もしているが、大会はいつもより集中するのでより疲れてしまう。(パリ五輪に向けて)これからはボルダリングとリードにフォーカスしていく。(今春に盛岡から上京して)環境が変わり不安もあるが、強くなるために頑張っていきたい」

【野中生萌コメント】(10位敗退)
「カウントバックで落ちてしまったので、予選の登りに悔いが残る形になってしまった。1日で3本登ることは中々ないので、腕がかなりきつかった。(聖火リレーが始まったが)『五輪が開催される』という気持ちに切り替えている。(海外からの観客はいないが)残念だが、日本人の観客の方がいるのは心強い」

<準決勝リザルト>

1位:森 秋彩(茨城県山岳連盟)/TOP
2位:谷井 菜月(橿原学院高等学校)/40
3位:田嶋 あいか(慶応義塾大学)/36+
4位:野口 啓代(TEAM au)/36
5位:阿部 桃子(相模女子大学高等部)/35+
6位:平野 夏海(国士舘高等学校)/34+
7位:柿崎 未羽(東京都山岳連盟)/34+
8位:中川 瑠(金蘭会高等学校)/33+
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9位:伊藤 ふたば(TEAM au)/33+
10位:野中 生萌(XFLAG)/33+
11位:小武 芽生(エスエスケイフーズ)/32.5+
12位:高尾 知那(愛知県山岳連盟)/32.5+
13位:石井 秀佳(東京都山岳連盟)/32+
14位:工藤 花(山形城北高等学校)/32+
15位:森 奈央(四日市市立三滝中学校)/31+
16位:高田 こころ(鳥取県山岳・スポーツクライミング協会)/31+
17位:小池 はな(埼玉県山岳・スポーツクライミング協会)/31
18位:抜井 美緒(奈良県山岳連盟)/31
19位:青柳 未愛(東京都立府中東高等学校)/30+
20位:倉 菜々子(愛知県山岳連盟)/30
21位:滝口 萌(福島県山岳連盟)/29+
22位:久米 乃ノ華(船橋市立船橋高等学校)/19
23位:小倉 紗奈(奈良県山岳連盟)/18+
24位:廣重 幸紀(福井県山岳連盟)/18+
25位:大田 理裟(山口県山岳・スポーツクライミング連盟)/10
26位:吉田 清華(山口県山岳・スポーツクライミング連盟)/7

※左から氏名、所属先、成績(高度)
※同高度の場合は予選成績の高い選手が上位

※8位までが決勝に進出

CREDITS

取材・文

編集部 /

写真

JMSCA / アフロ

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