レアル・マドリーは世界最大のカンテラを持っていることを誇っているが、その恩恵を受けていない。充実した厳しい組織に見合う宝…

レアル・マドリーは世界最大のカンテラを持っていることを誇っているが、その恩恵を受けていない。充実した厳しい組織に見合う宝庫を持っているのは事実だが、トップチームに反映されておらず、若手の有望株(ヴィニシウス、ウーデゴール、ロドリゴ、ヨヴィッチ、ヘイニ...)を含む超大型契約で食いつないでおり、カスティージャにやってきた選手たちはほとんどトップチームに昇格できていない。
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近年の例外はナチョ・フェルナンデスで、彼は他チームへのローン移籍をすることなく、リザーブチームから即トップチームに上がった唯一の選手である。
現在トップチームには4人のカンテラーノがいる。カゼミロはカスティージャで6ヶ月間過ごしたが、15歳から21歳の間に3年間チームで過ごした者をカンテラーノとみなすFIFAの考えには当てはまらない。フェデ・バルベルデ(デポルティーボ)、ルーカス・バスケス(エスパニョール)、マリアーノ・ディアス(リヨン)、ダニ・カルバハル(バイエル・レヴァークーゼン)は、一度チームを出てマドリーに戻って来た選手たちだ。
マルコス・ジョレンテはナチョの道をたどる唯一の存在だったが、自分の能力を証明するチャンスはなかった。サンティアゴ・ソラーリだけが彼を信頼し、レアル・マドリーでプレーするためのクオリティーを発揮した。
■途中で失った宝石
マドリーOBのパコ・へントとラモン・グロッソの孫にあたるジョレンテは、カスティージャの監督を務めていたにもかかわらず、カンテラを信じていないことを改めて示したジダンの決断によって出場機会を奪われた。
マドリーはジョレンテを直接のライバルであるアトレティコに3,000万ユーロ(約39億円)で売却することを決め、大儲けしたつもりでいた。しかし、彼は自分を信じてくれたディエゴ・シメオネと出会い、ジダンには見抜けなかった攻撃的なポジションにコンバートされたことで才能が一気に開花、爆発的な成長と共に代表チームにたどり着くまでに至った。
彼の進化は、マンチェスター・ユナイテッドが8,000万ユーロ(約103億円)を払ってでも獲得したいと思うほどで、レアル・マドリーは同カンテラーノに対する自らの運営ミスで5,000万ユーロ(約64億円)を失うことになる。
サミュエル・エトー、フアン・マタ、アルバロ・モラタ、ダニ・パレホ、ロドリゴ・モレノ、マルコス・アロンソ、パブロ・サラビア、アクラフ・ハキミ、ホルヘ・デ・フルートス、マリオ・エルモソ、ラウル・デ・トマス...そしてトッテナムに3000万ユーロ(約39億円)で移籍したセルヒオ・レギロンは、マドリディスタの後継者として失った選手たちだ。
優秀なカンテラーノを抱えているのにもかかわらず、彼らも先輩と同じようにビジネス重視の運営によって売却されていくことになるだろう。アリーバス、ブランコ、チュス、マルビン、グティエレス...前回のユースリーグのチャンピオンたちは、レアル・マドリーから遠く離れた場所で自分たちの人生を探さなければならない。