春のスプリント王決定戦となるGI高松宮記念(中京・芝1200m)が3月28日に行なわれる。 過去10年の結果を振り返る…

 春のスプリント王決定戦となるGI高松宮記念(中京・芝1200m)が3月28日に行なわれる。

 過去10年の結果を振り返ると、1番人気は2勝、2着0回、3着3回、着外5回と振るわず、波乱含みのGIと言える。しかも、ここ数年は大荒れの傾向にある。

 一昨年は、3番人気のミスターメロディが勝利し、2着に12番人気のセイウンコウセイ、3着に17番人気のショウナンアンセムが突っ込んできて、3連単は449万7470円という超高配当をつけた。さらに昨年は、9番人気のモズスーパーフレアが勝って、2番人気のグランアレグリアが2着、4番人気のダイアトニックが3着に入って、3連単は21万7720円の高配当となった。

 そして今年も、1番人気が予想されるレシステンシア(牝4歳)に騎乗予定だった武豊騎手が負傷。急きょ浜中俊騎手に乗り替わりとなって、波乱ムードが漂っている。

 中日スポーツの大野英樹記者は、高松宮記念が近年「荒れる」理由についてこう語る。

「高松宮記念が波乱となるのは、電撃戦とはいえ、馬場がパワフルになることがその一因。スピードに偏っている人気馬にとっては、厳しい状況にあるのは確かです」

 続けて大野記者は、今年も荒れると踏んでこんな見解を示す。

「今年は京都競馬場の改修工事によって、中京競馬場の馬場は例年以上に酷使されています。さらに先々週、先週と雨の中で競馬が行なわれ、一段と悪化してきました。今年の高松宮記念もパワー勝負になると見ています」

 そこで大野記者は、昨年はドバイ遠征(中止)に臨んでこのレースを見送ったライトオンキュー(牡6歳)を推奨する。



高松宮記念での大駆けが期待されるライトオンキュー

「この中間の坂路では、力強い脚色で4ハロン49秒2の好タイムをマークしているように、この馬の売りはパワーです。ゆえに陣営は今年、時計のかかる馬場になりやすいこのレースに向けて、早くから照準を絞ってきました。

 前走のGIIIシルクロードS(1月31日/中京・芝1200m)では、57.5Kgのハンデを背負って2着。負けはしましたが、いい前哨戦を消化できたのではないでしょうか。

 実際、叩かれて青写真どおりの上昇度を見せています。ここで、鞍上を横山典弘騎手にスイッチしたのも、本気で栄冠を獲りにきた陣営の決意の表れのように感じます」

 重馬場での実績もあるライトオンキュー。一発の魅力は大いにある。

 一方、日刊スポーツの木南友輔記者は今回の出走予定メンバーを見て、「意外と混戦。どれを本命にするかという時点で、あれこれ悩んでいます」という。それだけ難解のレースと言え、ここ数年と同じく、人気の盲点となった馬の台頭が十分に考えられる。

 その候補の1頭として、木南記者はマルターズディオサ(牝4歳)に注目する。

「本命にするかどうかは別として、印を打つ可能性は高いです。1週前にはGII日経賞に出走予定のウインマリリンと併せて、手応えは劣勢だったものの、同馬を管理する手塚貴久調教師は『休み明けは走るし、本命・対抗級の馬と五分の競馬をしているから』と、高松宮記念に向けて色気を見せていました」

 木南記者が伝える手塚調教師のコメントどおり、マルターズディオサはGI阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600m)ではレシステンシアの2着、GIIチューリップ賞(阪神・芝1600m)ではレシステンシア(3着)を下して勝利を飾っている。加えて、前走のGII阪神C(12月26日/阪神・芝1400m)では、勝ったダノンファンタジー(牝5歳)の2着と奮闘し、3着インディチャンプ(牡6歳)に先着。今回有力視されている面々と互角の勝負を演じている。

 そうして、木南記者はこう言ってマルターズディオサの大駆けに期待を寄せる。

「今回は暮れの阪神Cからの直行ローテとなりますが、2歳~3歳にかけての阪神JF(2着)からチューリップ賞(1着)という年をまたいでのローテと同じイメージを感じます」

 昨年の最優秀短距離馬グランアレグリアが中距離へと路線変更し、新たな「スプリント王」の座を争うことになる今年の高松宮記念。有力馬ひしめく激戦の中、アッと驚くような存在が戴冠を遂げてもおかしくない。それが、ここに挙げた2頭であっても驚けない。