0-0で迎えた7回にランニングホームランで貴重な2点を挙げた 第93回選抜高校野球大会は25日、第1試合で1回戦最後の試合が行われ、中京大中京が2-0で専大松戸に勝利。先発のエース畔柳亨丞投手が6安打無失点12奪三振の熱投を見せる中、努力の…

0-0で迎えた7回にランニングホームランで貴重な2点を挙げた

 第93回選抜高校野球大会は25日、第1試合で1回戦最後の試合が行われ、中京大中京が2-0で専大松戸に勝利。先発のエース畔柳亨丞投手が6安打無失点12奪三振の熱投を見せる中、努力の伏兵が値千金の勝利点を挙げた。

 両校無得点のまま迎えた7回、2死二塁で前の回の守備から入っていた7番櫛田理貴外野手に打席が回る。追い込まれてから振り抜いた打球を相手左翼手が後逸、ボールが転々とするなか快足を飛ばし、ヘッドスライディングで本塁に突入。ランニングホームランで貴重な2点を挙げた。

「三塁コーチャーが必死に腕を回してくれた。それを見て思い切ってホームに飛び込みました。甲子園が公式戦初打席。素直に嬉しいです」と櫛田。昨秋までは三塁コーチャーとして腕を回す側だった。今大会直前にメンバー変更でベンチ入りをつかみ取った。

 高橋源一郎監督も「ギリギリまで迷っていたが、練習に取り組む姿勢について、学生コーチからも報告を受けていた。信じて起用した選手。ヘッドスライディングの瞬間、櫛田のこれまでの頑張りが浮かんだ」と殊勲打を称える。

 身長165センチ、体重65キロの小兵。「柵越えは一度も打ったことがない」といい、本塁打も中学時代のランニングホームラン以来だ。体力強化のため食トレを続け入学時から13キロ増量。「朝練のあと、親が作ってくれるスパゲッティやうどんが好き。今の喜びは両親に一番に伝えたい」。聖地で最高の瞬間を届けた。(佐藤佑輔 / Yusuke Sato)