小芝風花インタビューフィギュアスケート 前編次世代の実力派俳優として注目を集める小芝風花さん。実は元フィギュアスケーターで、小学3年から中学2年まで競技に打ち込んでいたといいます。インタビュー前編は、スケートとの出会いや競技の思い出、アイス…

小芝風花インタビュー
フィギュアスケート 前編

次世代の実力派俳優として注目を集める小芝風花さん。実は元フィギュアスケーターで、小学3年から中学2年まで競技に打ち込んでいたといいます。インタビュー前編は、スケートとの出会いや競技の思い出、アイスダンス挑戦などについて伺いました。



小中学生のときにフィギュアスケートをしていた小芝風花さん

ーーフィギュアスケートを始めたのはいつごろだったのですか?

小芝風花(以下、小芝) 私はもともと器械体操を2年くらい習っていたんです。荒川静香さんが(2006年トリノ)オリンピックで金メダルを獲得されてフィギュアスケートが話題になったとき、子どもの体操の練習を見学していたお母さん方から「風花ちゃんはフィギュアスケートに向いてそうだよね」と私の母が言われたらしくて。それで、家族でスケートを滑りに行ってみたらすごく楽しくて、「体操よりもスケートを習いたい!」と母にお願いしたのがきっかけでした。最初に習った先生がすごく優しかったので、「先生と滑るのが楽しい」という感覚が強かったかもしれないです。

ーー最初に習った先生はどなたですか?

小芝 (大阪の)臨海スポーツセンターの小関(悦也)先生です。その後は平池大人(たいじん)先生に教わりました。

ーー平池先生に師事されていたのですね。

小芝 そうなんです、(友野)一希くんとかと一緒に。一希くんは当時すごく小さくて可愛かったんですけど、最近、テレビで見て「1歳差だったんだ!」と衝撃を受けました(笑)。(山本)草太くんもすごく可愛くて、みんなで一緒に遊んでいましたね。練習の合間に鬼ごっこをしたりして。

ーー練習中だけでなく、仲が良かったんですね。

小芝 そうですね! 秘密基地を作って遊ぶこともありました。あと、整氷車が集めた雪で雪だるまを作ったり、雪合戦をしたりしたことも。体育館も併設されている施設なので、そこの屋根裏に登ったりもしていましたね。

ーーやんちゃですね(笑)。

小芝 はい(笑)。久しぶりに思い出しました。


子どもの頃の

「やんちゃエピソード」を語った小芝さん

ーー選手としては、何が一番楽しかったですか?

小芝 私はジャンプが好きでした。跳べなかったジャンプが跳べるようになったり、ひとつずつクリアしたりする感じ。試合後に点数の詳細が書いてあるジャッジスコアを見て「今回はこのジャンプが回転不足だったから、次の試合ではここの回転不足をなくすのが目標」というように、目標をクリアしていくのが楽しかったです。

ーー野辺山合宿(全国有望新人発掘合宿)にも参加されたそうですね。

小芝 はい。当時は目立つことが苦手だったので、みんなで先生の後ろについてスケーティングするときは中間や後方にいました(笑)。

ーー辛い経験はどのようなことを思い出しますか?

小芝 オスグッド・シュラッター病(スポーツに取り組む成長期の子どもに発生しやすい膝の疾患)を経験しました。すっごく痛くて。お医者さんには「手術をすれば傷が残るし、成長期が終わればよくなるんだよ」とアドバイスしてもらったんですが、「私はいま練習がしたいんです!」と、両膝の手術を選択しました。

 滑れるようになるまで回復したらあまりにも脚が細くなっていたので、周囲からは「復帰できないかも」と思われていたみたいです。でも私はのんきだったので、「やっと練習できる〜!」というのと、「やった。足細くなった〜!」って(笑)。ブランクはありましたが、ジャンプを取り戻すのは早かったと思います。筋肉も戻ってきて、3回転ジャンプも安定して跳べるようになりました。

ーーその後、昨年引退した渡邊純也さんとアイスダンスにも挑戦されましたね。

小芝 もともとふたりともシングルの選手なので、組んだ当初は歩幅や回転のクセもまったく違うので苦労しました。それでも徐々にフリーレッグ(滑走中やジャンプの着氷時に、氷から離れている足のこと)が綺麗になったし、スケーティングも変わってきました。そして、その変化は並行して続けていたシングルにも活かされていたと思います。私がスケートを辞めてしばらくしてから全日本選手権を見に行って彼の滑りを見たときにも、それを感じました。

ーー昨年から髙橋大輔選手がアイスダンスに転向したことで注目を集めていますが、アイスダンスの魅力はどういう部分だと思いますか?

小芝 ふたりで息を合わせて滑るのはすごく難しいですし、美しさをより求められる競技です。個性よりもふたりでそろえる技術が必要になってくるので難しい反面、ふたりで滑ることで喜びも2倍になりました。シングルは個人競技なのでみんながライバルですが、アイスダンスは仲間がいる。同じ目標を目指していく相手がいるというのは、私にとってはとても楽しかったですね。

(後編につづく)

【profile】 
小芝風花 こしば・ふうか 
1997年4月16日、大阪府生まれ。小・中学時代はフィギュアスケートに打ち込み、アイスダンス種目では2011年の第15回全日本フィギュアスケートノービス選手権大会で優勝。11年、「ガールズオーディション2011」グランプリ受賞。14年には『魔女の宅急便』で映画初主演を果たし、第57回ブルーリボン賞新人賞を受賞。同年、春のセンバツ(第86回選抜高等学校野球大会)のイメージキャラクターに抜擢。21年のセンバツでは、大会公式サイト「センバツLIVE!」で出場校紹介動画ナレーションを担当している。現在、主演ドラマ『モコミ〜彼女ちょっとヘンだけど〜』(テレビ朝日系)が毎週土曜23時〜放送中。また、自身初の朗読劇、「坂元裕二朗読劇2021『忘れえぬ 忘れえぬ』『初恋』『不倫』」が4月22日、同30日〜5月2日、東京と大阪で上演される。