テニスの世界ランキング125位のダミアー・ジュムホール(ボスニア・ヘルツ…

テニスの世界ランキング125位のダミアー・ジュムホール(ボスニア・ヘルツェゴビナ)は、先日行われた「ATP500 アカプルコ」予選2回戦で、審判の判定に猛抗議。不適切な行動をとったとして、6500ドル(約71万円)の罰金と、予選1回戦勝利による賞金5280ドル(約58万円)のはく奪を言い渡された。ロイター通信など複数のメディアが報じた。【実際の映像】主審に激高したジュムホール

自己最高ランキング23位のジュムホールが抗議したのは、世界149位のボティック・ファン デ ザンツフープ(オランダ)との予選2回戦の第1セット、5-5で迎えた第11ゲームでの40-40の場面で、相手のフォアハンドストロークが線審によりインと判定されたこと。

ジュムホールはアウトと思い、主審のところへ行って判定を覆すよう要請したが聞き入れられなかった。明らかに怒りで冷静さを失ったジュムホールは、このサービスゲームをブレークされ5-6となった。

コートチェンジをしながらもジュムホールは文句を言い、警告を受ける。だがその後もさらに文句を言い続けたジュムホールは、罰則としてポイントを取られた。

この判定に怒り狂ったジュムホールはすぐさまコートを出て、ベンチに置いていたバッグに向けてラケットを放り投げると、対戦相手と「試合終了」のフィストタッチを交わす。相手選手がコートを去っていく間にも、ジュムホールは声高に主審に対して抗議を続け、「審判席を降りてこい」という仕草を見せたり、詰め寄ったりしていた。

これについてATP(男子プロテニス協会)は、ジュムホールはスポーツマンらしくない行動をとり、試合の続行を放棄したので失格となり、罰金として6500ドルを課される上に、賞金の5280ドル(約58万円)をはく奪されること、さらなる調査が行われる予定であることを発表した。

一方のジュムホールも声明を発表。「私は失格になったのではない。主審の客観的でも公平でもない扱いに抗議して自ら棄権したのだ。また報道で私が誰かを“殺す”と言ったように言われているが、そのような事実はない」

そして彼の家族や周りの人々に対して謝罪。「私は家族や愛する人々、そしてもちろん私を応援してくれる人々に、あのように感情的に振る舞ってしまい、強さを見せるのではなく、またもこのようなことに心を乱され、私の悪いところ、弱いところを見せてしまったことを謝罪する」と述べた。

※為替レートは2021年3月17日時点

(テニスデイリー編集部)

※写真は2019年「ATP500ドバイ」でのジュムホール

(Photo by Quality Sport Images/Getty Images)