レッドソックスとの契約が昨季限りで満了し、FAでマーリンズに移籍した田澤純一投手。新天地でもセットアッパーとしての活躍が期待されているが、地元メディアは田澤らの加入でブルペンが「ステップアップした」と評価している。■昨年は苦しんだものの…田…
レッドソックスとの契約が昨季限りで満了し、FAでマーリンズに移籍した田澤純一投手。新天地でもセットアッパーとしての活躍が期待されているが、地元メディアは田澤らの加入でブルペンが「ステップアップした」と評価している。
■昨年は苦しんだものの…田澤は「コントロールに優れ、空振りを奪える投手」
レッドソックスとの契約が昨季限りで満了し、FAでマーリンズに移籍した田澤純一投手。新天地でもセットアッパーとしての活躍が期待されているが、地元メディアは田澤らの加入でブルペンが「ステップアップした」と評価している。
米スポーツ専門誌「スポーツ・イラストレイテッド」は、今季のマーリンズの分析原稿を掲載。その中で「マーリンズは今オフにFAで移籍した選手の穴埋めを行い、補強を行った。ベテランの控え捕手枠にエリスを、ダンとロドニーが移籍したリリーフ陣にはジーグラーと田澤を補強した。先発にはボルケス、ストレイリー、ロックを獲得したが、果たしてこれらは戦力アップとなるのだろうか?」と疑問を投げかけている。
上々の評価を受けているのがリリーフ陣だ。まずは、「ブルペンに関しては、ステップアップと言えるだろう」として、「(昨)シーズン途中に加入したロドニーは精彩を欠く内容であったが、ジーグラーはダイヤモンドバックスとレッドソックスで素晴らしい成績を残した。A・J・ラモスへの良きつなぎ役となるであろう」と下手投げ右腕のジーグラーを称賛。試合を壊すことの多かったロドニーよりも安定感のある投手を加えられたことは大きい。
そして、田澤についても「これまでのキャリアで素晴らしさを証明した時期もあったが、昨年の彼は故障にも苦しみ平均点の成績であった。しかし、彼は状態が良ければコントロールに優れ、空振りを奪える投手だ」と高く評価している。
■チームの評価は「C+」、「今季も3位争いで終始」
田澤のメジャー通算奪三振率(9イニング辺りに奪う三振の数)は8.9。メジャーでも真っ向勝負の力強い直球で空振りを奪える、数少ない日本人投手の一人だ。一方で、与四球率(9イニングあたりで与える四球の数)はキャリア通算で2.0。四球で崩れるタイプではないだけに、チームとしては計算できるリリーバーと言えるだろう。
また、マーリンズはエース右腕のホセ・フェルナンデスを昨年9月にボート事故で失うという悲劇に見舞われ、今オフはエディソン・ボルケスら先発投手を補強。ローテーションについては、同誌は「昨季よりも良くなる」としており、能力の高い選手が揃う野手も「目立った補強を行わず、穴を埋める、ということに終始した」と言及している。
チームの総合評価は「C+」と微妙。「穴は全て埋まっている。しかし、これらの補強は決して幻想的なものとは言えない。マーリンズには伸び盛りの若手野手陣が揃っているが、投手陣は見劣りする。ボルケスとロックの復調がなければ、今季も3位争いで終始してしまうだろう」。最後はこのように締めくくっている。
ただ、昨季はブルペンさえ安定していれば勝ちを拾えていたという試合は多くあった。ジーグラーや田澤にかかる期待は、間違いなく大きい。