福田正博 フットボール原論 冨安健洋(ボローニャ)は世界的に見て、日本人選手で今もっとも評価が高いのではないか。昨季はボ…

福田正博 フットボール原論

 冨安健洋(ボローニャ)は世界的に見て、日本人選手で今もっとも評価が高いのではないか。昨季はボローニャで右サイドバックとして起用され、今季はセンターバックでスタートしたものの、攻撃力を生かすために再び右サイドバックで使われながら試合出場を重ねている。

 2月20日の第23節サッスオーロ戦まで全試合にフル出場したが、これはセリエAのフィールドプレイヤー全選手で唯一。第24節のラツィオ戦を前に故障して全試合出場は途切れてしまったが、それまでの起用のされ方からもシニシャ・ミハイロビッチ監督からの信頼と期待の厚さが伝わってくる。

 冨安は今年11月で23歳になるが、シーズンオフに新たなステップアップを果たすのは間違いないだろう。どのリーグのクラブに移籍するかは楽しみなところだが、来季はELやCLの舞台で冨安のプレーが見られるのを心待ちにしている。

 その冨安のいるセリエAでは、吉田麻也(サンプドリア)も存在感を示している。サンプドリアはボローニャと同じく10位前後を上下しているが、そのチームで吉田はスタメンを確保している。途中出場もあるが、そうした試合でも攻守でしっかりアピールし、自身の評価を高めている。

 吉田の場合は、これまでオランダやイングランドでの経験があるだけに、どんな使われ方をしても、自身がすべきことを見失わない強みがある。そして32歳になっても新たな舞台に挑戦するハングリーさも持ち合わせている。日本代表のキャプテンが、守備の国と言われるイタリアでどんなエッセンスを取り入れ、今後どう変わっていくのかは楽しみでもある。

 そのほか、今季はベルギーリーグで14得点を挙げている、シント=トロイデンの鈴木優磨、ゲンクの伊東純也や、ベールスホットの鈴木武蔵らは、結果を出して評価が高まっているのではないかと思う。日本人選手にとってヨーロッパサッカーの玄関口となるベルギーリーグからステップアップして暴れてくれるのを期待している。

 そのためにもシーズン最終盤に向かうここからが、すべての選手にとって正念場と言っていい。高い注目をされながら苦しんでいる久保建英(ヘタフェ)や南野拓実(サウサンプトン)を含め、全員が来シーズンにつながるプレーをしっかり発揮してくれることを願っている。