難敵相手に落ち着いた試合運びで快勝!トップ20からの勝利は2019年1月以来3月1日、「ABNアムロ世界テニス・トーナメント」シングルス1回戦、世界ランキング45位の錦織圭(日清食品)が、同19位の…

難敵相手に落ち着いた試合運びで快勝!
トップ20からの勝利は2019年1月以来

3月1日、「ABNアムロ世界テニス・トーナメント」シングルス1回戦、世界ランキング45位の錦織圭(日清食品)が、同19位のフィリックス・オジェ・アリアシム(カナダ)に7-6(4)、6-1のストレートで勝利。今シーズン初勝利を挙げた。

【動画】オジェ・アリアシム戦で錦織圭が見せたビッグプレー!

試合後の会見では、昨年の全仏オープン以来の勝利に「プレーがすごく良かったので嬉しかった」と今の率直な思いをコメント。また、勝負どころとなったファーストセットのタイブレークでも「ファーストサーブが入ってくれたので良かった」と、改良中のサーブが奏功したと語った。

2回戦では、世界ランキング23位アレックス・デミノー(オーストラリア)と同39位ジョン・ミルマン(オーストラリア)の勝者と対戦する。

以下、錦織の一問一答である。

Q.去年、今年と合わせて一番いい試合だったと思うが、これは突然来たのか、それとも試合の前に今回良さそうだという予感はあったのか。

「予感はあんまりなかったですね。でも、何試合か毎試合ごとに良くなっているの感じて、今日も一番良かったと言える試合だったと思います。正直、練習であんまり良くなくて、この何日間。ここのボールとコートが特殊なので、ボールがあんまり好きじゃないと。あんまり良くなかったんですけど、試合に入って突然何となく、ボールが入る気がしたのと、すごく落ち着いて今日はプレーできたかなと思います。アグレッシブさにちょっと欠けていたかなと思いますけど、相手がこういう相手だったので、ミスもするし。攻めは強いけどフリーポイントを与えてくれる選手だったので、どっちかっていうと中間ぐらいでやろうとは思っていた。でも、サーブが良かったですね。前回のオーストラリアとの一番の違いはサーブでフリーポイントがすごく多かったので、そういう面でたぶん楽にキープできたおかげで、まぁ楽ではなかったか…。フリーポイントが結構あったりしたおかげで、自分のストロークのリズムもよくなっていたのかなと思います」

「内容が戻ってきていると感じれたのは嬉しい」

Q.サーブは改良してから一番試合の中で機能していたように見えたが、それはどうでしたか。

「そうですね、あれだけファーストサーブの確率(74%)が良かったのと、取得率(ファーストサーブ:85%/セカンドサーブ:41%)も高かったので、今までにはなかった。そこが一番の違いとしてあったかもしれません」

Q.全仏オープン以来の勝利ですけど、勝った瞬間の率直な思いはいかがでしたか?

「久々なのは感じましたね。終わりこそちょっと若干渋い感じにはなりましたけど。でも、プレーがすごく良かったので、嬉しかったです。勝利はもちろんそうですけど、全豪も負けはしましたけど何となく気持ちは上向きでしたし、内容が戻ってきているなと感じれたのはすごい嬉しかったです」

Q.トップ20に勝つのは2年前の「ブリスベン国際」決勝のメドベデフ戦以来ですが、そのあたりの手応え、強い選手にもいい内容で勝てる手ごたえはいかがですか?

「大会始まるまではもうちょっと下の選手と刻んでからというか、自分の中でしっかりリズムを作ってからトップ選手に臨んだ方がいいなと思っていたので、今回のロッテルダムもどうだったかなと感じるところも試合前はあった。でも。このレベルで何となく戦えているのは感じましたし、ちょっとタラレバですけど、ATPカップをATP250に変えたり、チャレンジャーを挟んだりしておけばよかったなというのは、今さらですが思います」

Q.今日はピンチでのミスの少なさやタイブレークのリターンエース、バックのダウン・ザ・ラインなど、いろんないいプレーがあったと思いますが、自分の中で気に入っているプレーは今日の試合の中ではどういった場面がありましたか。

「焦らずプレーできたことですかね。守りだけにならず、しっかりボールも飛んでましたし、特にバックの打ち合いで我慢しながら、相手がバックのダウン・ザ・ラインもそこまで来ないのもわかっていたので、我慢しながらプレーできた。ちょっとオーストラリアでは焦りもあって、自分から攻めすぎたりもしていたので、そこらへんがなくなったので自分のテニスが戻ってきている感は感じました」

「観客がいないと寂しいなと初めて思いました」

Q.全豪オープンの時に「タイブレークの戦い方を忘れた」と言っていたが、今日は最初のリターンとかも良かったですし、自分の中で戦い方、試合勘が戻ってきている感覚は多少ありますか?

「だいぶありますね。ちょっとしたところの感覚だったり、ディフェンスは際どい所だったり、ドロップショットだったり、ちょっとまだないなというところはあったりするんですけど、でも格段に戻ってきていますね。あともうちょっと試合の中で落ち着きを取り戻して、次のポイントのことを考えられるようになってきたら、もっと自分の中で戻ってきたと言えるような感覚には近いので、そこがまだちょっと足りないなと思う部分はあります」

Q.全豪が終わってからこれまでの間で特にフォーカスしてやってきたこと、どういう練習をしてきたか教えてください。

「基本的にずっとポイントをやってましたね。たまたまアカデミーに(ライアンあるいはクリスチャン)ハリソンがずっといて、1週間半ぐらい、みっちり毎日練習できて、それがすごい良かったですね。いい相手とひたすらポイント練習してました」

Q.会場がライトダウンされたり、ゲーム間で照明が凝ったりしていたがどうでしたか?

「いいと思いますね。でも、今日初めてなんですけど、観客がいないと寂しいなと初めて思いました。このコロナ期間が始まって、今まで結構自分の中で集中してできていたので、お客さんいなくても意外とできるんだなと思っていたんですけど、今日初めていたほうがいいなと思いましたね。なかなかやっぱり長い期間お客さんなしでやっていると、モチベーションだったり、お客さんの力はやっぱりあるんだなというのは感じました」

Q.錦織選手が考えるタイブレークの戦い方はどういうものなのか、できる限りでいいので教えてください。

「まず一番はアンフォーストエラーをしないことですね。選手によってももちろん違うんですけど、相手によって。自分が攻めたほうがいいのか、ワンチャンスを取りに行くのか、行かないのかというのもあるし、結構駆け引きの部分が大きい。でも、一番はその簡単なミスをしないというところが、集中力を上げないといけない場面なので、それがまず一番ですね。その中で自信があるなら攻めるし、ないなら守るしみたいなところを自分の中でしっかり区別をつけながらやっています」

Q.今日はそれができたと。

「そうですね。出だしが良かったので、先にリードして追いつかれはしましたけど、あそこでもう少し集中して取りに行ってもよかったなと思いますが、最後の2ポイントだったり、ファーストサーブが結構入ってくれたので、そこは良かったです」