3年前の雪辱とはならなかった...。
1月31日の大阪国際女子マラソンでは従来の自己ベストを更新する快走を見せるも、タイムは2時間23分30秒。2時間20分切りの目標を掲げていただけに、「1番悔しい思いをした3年前(大阪国際女子マラソン)と同じぐらい悔しい」と率直な思いを明かした。
3年前は大阪薫英女学院高校の1学年先輩・松田瑞生(ダイハツ)との“同門対決”に敗れ、苦杯をなめた。東京五輪を見据え、今大会の相手は“記録”だったが、「思うような走りができなかった」と前田。慣れ親しんだ“浪速路”でのレースで誰よりも思い入れがあった分、悔しさをにじませた。

そんな前田が一躍脚光を浴びたのは、2019年9月に開催された「マラソン・グランドチャンピオンシップ(MGC)」。下馬評を覆すレース展開で独走し、東京五輪の切符を勝ち取った。
数人の選手たちが次々と脱落するサバイバルレースの中、追い風となったのは沿道の大観衆だった。何を言っているかまでは聞き取れなかったが、「今まで受けた応援の中で1番すごかった」と振り返る。今でも当時の光景が脳裏に焼き付いているといい、特に終盤の登りでの大歓声は力となり、「あの応援のおかげで最後まで気持ちを切らすことなく、走り切ることができた」と語気を強めた。

MGCでは、ロサンゼルス五輪女子マラソン代表の増田明美さんが、前田に名付けたニックネーム「ど根性フラミンゴ」も話題となった。足が長くて細くて美しく、そして根性があるからという理由から“命名”したよう。前田本人は「覚えてもらえるのは嬉しい」と話す一方、「実物のフラミンゴはそんなに可愛くないですよね(笑)」と密かに思っていることを笑いながら打ち明けた。

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昨シーズンは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で異例のシーズンとなった。それでも、動じることなくいつもどおりの練習をこなし、課題であったスピードの強化に努めた。恩師・武冨豊監督の的確な指導も身を結び、5000m、10000mの2種目で自己ベストを更新。「延期にはなったが五輪に向けていい1年が過ごせたと思う」とこれまで以上に手応えを感じている。

しかし、前田は満足することなく「(自分自身は)まだ限界にまで達していない」と強調する。常に最高の走りを追い求めているため、「自分の思い通りに走ることができていない」と冷静に分析しているのだ。
一歩一歩着実に自信を持って歩みを進めている分、実感するのに時間はかかるが、昨年は自己ベストを更新、19年には30キロで日本記録を樹立。少しずつではあるが、確かに自身の理想に近付いている。

東京五輪までは半年を切り、本番ムードも高まってきた。女子マラソンの舞台となるのは、初優勝を成し遂げた北海道。前田自身にとっても縁起の良い場所で「まずは体調を万全に整えてスタート台に立ちたい」。
理想が現実となって北の大地で納得のいく走りができれば、2004年以来となるメダルの獲得も大いに期待できそうだ。

〜前田選手のこだわりは就寝前のオイルマッサージと、シューズのはき心地〜
寝る前は身体のケアを欠かさずに行っていて、オイルマッサージは毎日している。1時間程度かかることもあるが、これをすることによって日々の練習や、大会で100%の力を出すことにつながる。
シューズは、かかとがしっかりしていてソール部分が曲がりやすい方がいい。フィット感、柔らかさ、かかと部分もこだわりのポイントで、走っていても違和感がなく自分の足にぴったりのシューズを選んでいる。

〜拝啓ファンの皆様へ〜
いつも応援してくださってありがとうございます。このような状況の中ですが、自分の走りで皆さんに勇気と元気を届けられる走りができればいいなと思います。SNSで皆さまからのコメントなどを見ることも多いので、応援の投稿があったら嬉しいです。これからも応援よろしくお願いします。