『特集:Jリーグが好きだっ! 2021』浦和レッズの注目選手たち2月26日に開幕するJリーグ。スポルティーバでは、今年の…

『特集:Jリーグが好きだっ! 2021』
浦和レッズの注目選手たち

2月26日に開幕するJリーグ。スポルティーバでは、今年のサッカー観戦が面白くなる、熱くなる記事を、随時配信。さまざまな視点からJリーグの魅力を猛烈アピール!

今回は「DAZNJリーグ推進委員会」のメディア連動企画。Jリーグ開幕前のプレビューで、浦和レッズの注目選手を紹介する。



新監督を迎えた浦和で、活躍が期待されるルーキーの伊藤敦樹

 浦和レッズの副キャプテンを務める槙野智章は、ヒーローとは「窮地を救う存在」と定義する。だとしたら、今季の浦和のヒーロー候補の筆頭格は、リカルド・ロドリゲス新監督と言える。リーグで2シーズン連続の二桁順位に終わり、無冠がつづくレッズを立ち直らせるためにやってきた、スペイン人指揮官だ。

「とても情熱的な浦和サポーターのみなさんに、楽しんでもらえるような戦い方をしていきたい」と就任会見で語った指揮官は、昨季まで徳島ヴォルティスを4年間率い、見事にJ1昇格を成し遂げた。過去に一度も外国籍監督を迎えなかったチームに、自身の攻撃的かつ柔軟な戦術を植え付け、J2で7位、11位、4位、そして1位にまで上り詰めたわけだ。不振つづきの浦和が白羽の矢を立てたのも頷ける。

 広く報じられているように、ロドリゲス監督が志向する戦術は、マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督にも通じるポジショナルプレーや、ポゼッションスタイルをベースにしたものだ。低い位置からボールを回し、偽のサイドバックをはじめ、選手たちが既存のポジションに捉えわれずに空いたスペースに入り、パスをつないでいく。

「リカルド・ロドリゲス監督が持ち込んだ戦術は攻守両面で、これまでの浦和とは大きく違います」と槙野は語る。「ガラッと変わると言ってもいい。ここ2、3年は守備に重きを置いていましたが、新監督が来て、ボールを持つ大切さを再認識しています。やっている自分たちが楽しいサッカー、観てくれている人たちも楽しめるサッカー。これこそ、このチームに合っているものだなと」

 とはいえ、ショートパスだけにこだわるわけではない。

「監督によく言われているのは、なんのためにボールを回すのか」と槙野はつづける。

「ただただ、ポゼッションすることがテーマではない、と。ロングボール1本でチャンスになりそうな時は、躊躇せずに大きく蹴っていいと言われています。どうやったら点が取れるか、そこを最重要ポイントとして取り組んでいます」

 また浦和に長く在籍している選手からは、2012年から17年まで指揮を執ったミハイロ・ペトロビッチ監督(現北海道コンサドーレ札幌)の手法にも似ている、という声も聞かれる。選手の立ち位置や守備のトレーニングを重視することなどは、ミシャ監督と同じではないそうだが、方向性は近いという。それを踏まえると、新たな戦術の浸透は意外とスムーズかもしれない。

 チームの内外から期待が感じられる今季の浦和で、ヒーローになりそうな選手は誰か。槙野は、ルーキーの伊藤敦樹を推す。浦和の下部組織からトップチームには昇格ならずも、流通経済大学で成長し、今季に晴れて入団した大型ボランチ兼センターバックだ。

「僕らDFにとって、すごくありがたいボランチです」と33歳のベテランセンターバックの槙野は、伊藤を語る。

「ボールを奪って散らすことができ、体の無理も利く。大卒1年目のルーキーですが、開幕戦に先発するかもしれない。もし出たら、彼の良さを出してほしい。面白い存在です。プレシーズンの練習試合でも、物怖じせず、持っているものをしっかり発揮できていました。昨年の(川崎フロンターレの)三笘(薫)選手のように、ブレイクの可能性もあると思っています」

 2月13日に埼玉スタジアムで行なわれたSC相模原との練習試合では、主力組と思われるチームで、阿部勇樹と共に中盤の底を任されている。22歳の17番は先制点を奪ったり、敵のパスを分断したりと、大きな体躯で広範囲に動き回り、存在感を示した。

 その伊藤と同い年で、同じポジションを争うことになりそうな金子大毅も注目の選手だ。18年に神奈川大学を中退して湘南ベルマーレに入団したセントラルMFは、1年目にリーグカップ制覇に貢献し、その後も着実に成長を遂げ、このオフに浦和に引き抜かれた。

 ピッチに立つと、監督とも対等に口を聞いてしまうほどプレーに没頭する22歳の19番は──以前、湘南ベルマーレで金子を指導した曹貴裁監督が「チャナティップ、どうする? ってタメ口で聞いてきやがった」と笑っていた──、試合の展開を的確に読んでは鋭いチャージで敵の流れを分断する。

 ボールを持てば、巧みなドリブルで持ち運んだり、シャープなパスで攻撃を組み立てたりする。時折放つ、四隅を狙った中距離砲も魅力だ(同時にもっともっと磨いてほしいところでもある)。

 昨季のチーム得点王だったレオナルドが中国の山東魯能泰山へ移籍し、不安が残る攻撃陣では、こちらも新加入の田中達也に期待したい。

 戦術好きとしても知られる28歳の快速アタッカーは、ロドリゲス監督のスタイルを「ロアッソ熊本時代の渋谷(洋樹)監督、大分トリニータ時代の片野坂(知宏)監督と似ているところが多く、すごく好きなサッカー。やりやすい」と気に入っており、SC相模原との練習試合で得点するなど、結果も残している。

 元浦和の同姓同名の先達(現アルビレックス新潟)と同じ背番号を志願し、自らに重圧を科した気概のある新戦力だ。

 昨年、クラブは2022年のリーグ優勝を目指す「3年計画」を発表。今年はその2年目にあたる。指揮官とスタイルの変更で、生まれ変わるはずの浦和レッズを楽しみにしたい。