『特集:Jリーグが好きだっ! 2021』 2月26日に開幕するJリーグ。スポルティーバでは、今年のサッカー観戦が面白くな…

『特集:Jリーグが好きだっ! 2021』

 2月26日に開幕するJリーグ。スポルティーバでは、今年のサッカー観戦が面白くなる、熱くなる記事を随時配信。さまざまな視点からJリーグの魅力を猛烈アピール! 今回は、今季来日する外国人選手のなかから、予想を超えてブレイクするかもしれない「新助っ人」にスポットを当ててみる。



強烈なインパクトで2020年のJリーグを盛り上げたオルンガ

 新シーズンの開幕を目前に控えるこの時期は、各サポーターが我がチームの新しい陣容やその可能性を想像し、期待に胸を躍らせる至福の時でもある。

 とりわけ気になるのが、初めてJリーグの舞台に登場する新外国人選手の存在だろう。まだ見ぬ彼らがフィットするかしないかは、そのチームの成績を大きく左右するからだ。

 しかも、世界各国からやって来る新外国人選手たちの多くは個性豊かで、Jリーグに新しい風を吹かせてくれるタレントも少なくない。そのチームのサポーターならずとも、サッカーファンにとって必見の選手といっていい。

 たとえば、昨シーズンの年間MVPと得点王を獲得した柏レイソルのオルンガは、その典型だった。

 2018年夏にケニア人として初めてJリーグのピッチに立って以来、抜群の身体能力とフィニッシュワークを披露し、日本のサッカーファンに衝撃を与えた。まさに助っ人外国人を見る楽しみ、その醍醐味を集約したようなストライカーだった。

 残念ながら、オルンガはこの冬にカタールのアル・ドゥハイルに去ってしまった。だが、迎える新シーズンも、大きな可能性を秘めた未知なる新外国人たちが来日する。

 果たして、そのなかから第2のオルンガは生まれるのか? ここでは、初めてJリーグのピッチに立つ新外国人ストライカーのなかから、旋風を巻き起こしてくれそうな期待のタレントをピックアップしてみる。

 まず、オルンガ効果によってアフリカ出身選手の新加入が目立っている今シーズンだが、そのなかでも注目したいのが、サガン鳥栖に加入したイスマエル・ドゥンガ(登録名ドゥンガ)だ。

 何と言っても、出身がオルンガと同じケニアというだけで、期待せずにはいられない。身長もオルンガの193cmに匹敵する189cm。アフリカ出身選手らしい身体能力を生かしたダイナミックなプレーが特徴で、DFの背後を狙う動きもオルンガを彷彿とさせる。

 現在27歳のドゥンガは、地元ケニアでキャリアをスタートさせた後、ギリシャやザンビアのクラブを経て、2018年からはアルバニアでプレー。今シーズンはアルバニア1部リーグのFKヴラズニアで4ゴールをマーク(7試合出場)しており、現在首位争いを演じるチームで重要な戦力となっていた。

 日本のサッカーはもちろん、日本の生活に馴染めるかどうかも活躍するためには重要な要素となるが、幸いチームにはナイジェリア人サイドアタッカーのチコ・オフォエドゥ(登録名オフォエドゥ)も新たに加入する。国こそ違えども、同じアフリカ大陸出身のチームメイトがいるのは心強いはずで、それも含めて"ネクスト・オルンガ"の有力候補として挙げておきたい。

 同じアフリカ大陸出身選手では、コンサドーレ札幌に加入するナイジェリア人FWのガブリエル・オケチュク(登録名ガブリエル)も候補のひとりだ。

 ナイジェリア代表として2018年アフリカ選手権に出場し、2ゴールをマークした実績もあるガブリエルは、過去にマルタやウクライナでプレーした経験もある。だが、アフリカ大陸以外ではそれほど輝かしい実績を持つわけではない。また、昨年所属したモロッコのモハメディアやウィダード・カサブランカでもコロナ禍の影響もあり、ほとんど実戦でプレーしていないという気がかりな点もある。

 しかしながら、身長188cmを誇る左利きの大型ストライカーは、ボックス内のエアバトルを武器としながらも、ダイナミックかつ速い動きで相手DFの背後をとることもできるのが魅力で、前線でボールを収める器用さも兼備する。年齢も25歳で伸び盛りの時期にあり、チームにフィットすれば一気に覚醒する可能性もあるだろう。

 一方、未知な部分が多いアフリカ大陸出身選手よりも、過去の実績などから高い確率で活躍しそうな新助っ人ストライカーもいる。たとえば、セレッソ大阪のアダム・タガートや、清水エスパルスのチアゴ・サンタナだ。

 オーストラリア代表として2014年ブラジルW杯に出場した経験もあるアダム・タガートは、Aリーグでの実績を手土産に、W杯後にフラム(当時イングランド2部)に移籍したキャリアの持ち主。

 残念ながら負傷で出遅れたこともあってイングランドでは不発に終わったが、その後もAリーグとKリーグ(韓国)で輝きを取り戻し、とくに2019年には水原三星ブルーウィングスで20ゴールを記録してその年のリーグ得点王に輝いている。すでにアジアのサッカーを熟知しているだけに、ゴール量産の可能性は十分にあるだろう。

 ポルトガルのサンタ・クララから加入したチアゴ・サンタナは、2016年からポルトガルで活躍するブラジル人ストライカーだ。今シーズンはリーグ戦9試合に出場して7ゴールを挙げるなど、高い得点率でゴールを量産している。

 184cmの身長を生かしたヘディングシュートのみならず、得意の左足によるフィニッシュも兼備。清水には同胞のチームメイトが多いだけに、チームに馴染むまでにはそれほど苦労しないはずで、それも含めて日本で活躍する可能性が高い助っ人と言える。

 そしてもうひとり、今冬の新加入外国人ストライカーで最も注目を浴びる存在が、ヴィッセル神戸が推定3億円もの大金を支払って獲得したリンコンである。

 弱冠20歳のブラジル人ストライカーは、世代別のブラジル代表として出場した2017年U−17南米選手権で8試合5得点をマークし、優勝に大きく貢献。ブラジルが3位になった同年のU−17ワールドカップでも、グループリーグで3試合連続ゴールを記録した経歴を持つ若き逸材だ。

 ただし、気になる点もある。16歳でトップデビューを果たしたフラメンゴでは、期待に沿った活躍ができておらず、過去4年間で記録したゴールはわずか8点。しかも出場試合のほとんどが途中出場で、まだトップレベルのサッカーに適応できていないのが実情だ。

 要するに、神戸がフラメンゴに支払った移籍金が高いか安いは、まさにJリーグでの活躍次第ということになる。秘めたポテンシャルは折り紙付きだけに、イニエスタを筆頭とするチームメイトのサポートが、覚醒のためのキーポイントになりそうだ。

 ちなみに、ここに挙げた5人は現在の入国制限により、まだ来日を果たせていない。いずれ入国できたとしても、合流後のコンディション調整、そしてチーム戦術にフィットするまでにはそれなりの時間を要するだろう。

 日本のサッカーファンが「第2のオルンガ」候補の選手のプレーを拝めるのは、いつになるのか。その時まで、楽しみに待つことにしたい。