メジャー屈指の剛腕が、子供の指導法に苦言を呈している。タイガースのサイ・ヤング賞右腕、ジャスティン・バーランダー投手が、自身のツイッターで「飛行機でふと思ったこと」と書き出し、こうつづった。「ピッチャーにこれほど怪我が多い理由の一つは、子供…

メジャー屈指の剛腕が、子供の指導法に苦言を呈している。タイガースのサイ・ヤング賞右腕、ジャスティン・バーランダー投手が、自身のツイッターで「飛行機でふと思ったこと」と書き出し、こうつづった。「ピッチャーにこれほど怪我が多い理由の一つは、子供が速い球を思いっきり投げるように“教え込まれる”からじゃないか」

■「肩は消耗品」の考え根付く米国、「これほど怪我が多い理由の一つは…」

 メジャー屈指の剛腕が、子供の指導法に苦言を呈している。タイガースのサイ・ヤング賞右腕、ジャスティン・バーランダー投手が、自身のツイッターで「飛行機でふと思ったこと」と書き出し、こうつづった。

「ピッチャーにこれほど怪我が多い理由の一つは、子供が速い球を思いっきり投げるように“教え込まれる”からじゃないか」

 2005年の入団以来、メジャーで12年プレーしている33歳は、怪我に苦しむ投手の多さに感じるものがあったようだ。自身も150キロ超の速球を投げ込む剛腕として鳴らしたが、長いキャリアで故障を経験した。2015年には右上腕三頭筋を痛め、キャリア初の故障者リスト入り。そこから見事復活を果たし、昨季は16勝9敗、防御率3.04でサイ・ヤング賞争いで2位に入った。

 かつては160キロを超える剛速球で押す投球スタイルだったが、最近は変化球とのコンビネーションを多用し、パワーピッチャーから技巧派へモデルチェンジしている。

■バーランダーの持論「球速は自然に上がるもの」

 そんな右腕は、投手が抱える故障の多さに原因には、少年時代の教えが影響すると考え、持論をこう語っている。

「球速は自然に上がるもの。細かい調整は後でいい」

 指導者たちが球速を上げるため、体ができ上っていない少年時代に全力で投げさせることが、のちの故障につながってしまうという考えのようだ。

 日本では済美・安楽智大投手(現楽天)が13年春のセンバツで3連投を含む5試合に登板、1大会で772球を投げたことが「肩は消耗品」と考える米国で「酷使だ」などと論争を呼んだこともある。

 メジャー通算173勝をマークした投手の“提言”は、日本の指導現場においても考える余地はあるかもしれない。