2月21日、東京競馬場でGⅠフェブラリーS(ダート1600m)が行なわれる。 このレースは、今年最初のJRAのGⅠレー…
2月21日、東京競馬場でGⅠフェブラリーS(ダート1600m)が行なわれる。
このレースは、今年最初のJRAのGⅠレース。暮れのGⅠチャンピオンズC(中京/ダート1800m)と共に、ダートのチャンピオンを決めるレースだが、今年は例年にも増して混戦模様だ。
昨年の勝ち馬モズアスコットはすでに引退。GⅠと地方交流GⅠを4勝し、"現役ダート最強馬"と目されるクリソベリルは脚部不安で休養。チャンピオンズCを勝ったチュウワウィザード、GⅠ東京大賞典を勝ったオメガパフュームは、距離適性の問題もあってこのレースには出走しない選択をした。
アルクトスとサンライズノヴァ(地方交流GⅠマイルCS南部杯)、インティ(GⅠフェブラリーS)、ヤマニンアンプリメ(地方交流GⅠJBCレディスクラシック)ワイドファラオ(地方交流GⅠかしわ記念)と、GⅠ/地方交流GⅠ馬は5頭いるが、絶対的な中心馬はいない。
こんな状況の時は勢いがある馬を狙いたい。筆者が本命視するのは、前走のGⅡ東海S(中京/ダート1800m)で重賞初制覇を飾ったオーヴェルニュ(牡5歳/栗東・西村真幸厩舎)だ。

前走の東海Sで重賞初勝利を挙げたオーヴェルニュ
同馬は、4歳を迎えた昨年に大きく飛躍してオープン入り。昨秋の福島民友C(福島/ダート1700m)、ベテルギウスS(阪神/ダート1800m)、そして東海Sと3連勝し、勢いに乗った状態でこのレースに臨む。
ダート1600mでは、3歳時に1戦して7着に終わっているものの、東海SとフェブラリーSの関連性は高い。前走で東海Sを勝ち、フェブラリーSに出走した馬は過去に6頭おり、そのうち2013年グレープブランデー、2015年コパノリッキー、2019年インティと3頭が勝利。2016年アスカノロマンは7番人気で3着に入っている。
馬券に絡まなかった2014年8着のニホンピロアワーズ、2018年12着のテイエムジンソクは、いずれも1600mが初経験で、1600m以下の出走経験もなかった。「前走で東海Sを勝利し、ダート1600mの出走経験がある馬」に絞ると、グレープブランデーとコパノリッキーの2頭だけではあるが、このレースの勝率は100%。オーヴェルニュもそれに乗っかりたいところだ。
血統を見てみよう。父スマートファルコンは、GⅠ東京大賞典などダートのGⅠ/地方交流GⅠを6勝。コースレコードを1秒7更新する驚異的なタイムで勝利した5歳時の東京大賞典をはじめ、フリオーソに7馬身差をつけたJBCクラシック、エスポワールシチーに9馬身差をつけた帝王賞など、圧倒的なレースを続けていた実力馬だ。
ただ、スマートファルコン自身は1600mの実績はそれほどなく、新馬戦の1勝だけ。GⅠ/地方交流GⅠの6勝は1800m~2100mでのレースだった。しかし、1400mのGⅢのレースを5勝するなど、類い稀なるスピードで逃げ脚を見せていたので、1600mの適性もあったはずだ。
実際に、産駒は1200m(27勝)と1800m(27勝)をメインに幅広い距離で勝利を収めている。1600mは施行回数が少ないので8勝と少ないが、勝率は1200m(6.9%)、1800m(7.1%)より高い7.3%。さらに、父ゴールドアリュールの産駒は、エスポワールシチー(2010年)、コパノリッキー(2014年、2015年)、ゴールドドリーム(2017年)と、3頭でフェブラリーSを4勝しているのだ。
思えば、父スマートファルコンが初の地方交流GⅠ勝ちを収めたのは5歳時のJBCクラシックで、そこから7歳1月まで9連勝。3~4歳時にも重賞7連勝を記録したことがある。この"勝ちだしたら止まらない"という血を、3連勝中の5歳馬オーヴェルニュが受け継いでいることを祈ろう。
人気を集めそうなカフェファラオ(牡4歳/美浦・堀宣行厩舎)も、やはり軽視は禁物だ。これまでキャリア6戦とレース経験は少ないが、GⅢユニコーンSなど東京ダート1600mでは2戦2勝。1900mのGⅢシリウスSも勝ってはいるが、5馬身差をつけたユニコーンSでのパフォーマンスが特に印象的だ。
父アメリカンファラオは米国のクラシック三冠馬で、産駒には地方交流GⅠジャパンダートダービー(大井/ダート2000m)勝ち馬のダノンファラオ、芝1600mの仏GⅠを勝ったファンゴッホなど、マイルの上級馬を出している。カフェファラオと同じくモアザンレディを母の父に持つフォーウィールドライブは、今年から日本で供用される新種牡馬だが、同馬は芝1000mの米GⅡBCジュヴェナイルターフスプリントを勝っている。アメリカンファラオ産駒は短距離~マイルの適性が高いようだ。
アメリカンファラオ産駒の東京ダート1600mでの成績を見てみると、これまで9戦と出走は少ないが、カフェファラオの他にもダノンファラオ、ナイルリバーも含めて4勝。勝率44.4%、連対率55.6%と極めて高い数字が残っている。前走のチャンピオンズCで6着に終わったカフェファラオにとって、距離が1600mに戻るのは好材料と言える。
以上、今年のフェブラリーSは、データと血統的傾向が後押しするオーヴェルニュとカフェファラオを中心に臨みたい。