39歳、世界ランキング11位のセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)と、29歳…

39歳、世界ランキング11位のセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)と、29歳、世界2位のシモナ・ハレブ(ルーマニア)の準々決勝は、どちらもグランドスラム優勝経験のある元世界女王という、決勝レベルの対戦である。【写真】ハレプとセレナ比較表

2人は過去11回対戦しており、通算でセレナの9勝2敗、グランドスラムではセレナの3勝1敗だが、最後に対戦した2019年「ウィンブルドン」決勝ではハレプが一矢報いて同大会初優勝、グランドスラムでは2018年「全仏オープン」に続く2度目の優勝を遂げている。

セレナにとってはこれが20回目の「全豪オープン」で、7回の優勝はテニスのオープン化以降女子シングルスの最多記録(2003年、2005年、2007年、2009-10年、2015年、2017年)。20回の出場回数は姉ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)の現役最多21回に続く2位の記録。

1998年、16歳の時にここでグランドスラムデビューを果たし、1回戦で世界9位だったイリナ・スピルレア(ルーマニア)を倒したが、2回戦でビーナスに敗れた。

2001年、2003年、2009-10年にここでビーナスと組んだ女子ダブルスで優勝。錦織圭(日本/日清食品)の現コーチであるマックス・ミルニー(ベラルーシ)と組んだ混合ダブルスでは、1999年に準優勝を果たしている。

77回目のグランドスラム本戦出場は、ビーナスの88回に次いでオープン化以降2位の記録。グランドスラム優勝回数はマーガレット・コート(オーストラリア)の24回に次ぐ23回で、ここでの7回の他に「全仏オープン」3回(2002年、2013年、2015年)、「ウィンブルドン」7回(2002-03年、2009-10年、2012年、2015-16年)、「全米オープン」6回(1999年、2002年、2008年、2012-14年)。2012年「ロンドンオリンピック」で優勝し、キャリア・ゴールデンスラムを達成している。

40歳のビーナスが2回戦で敗退したので、現在勝ち残っている選手の中では最年長。

今大会ここまで、1回戦では世界49位のラウラ・シグムンド(ドイツ)、2回戦では世界99位のニーナ・ストヤノビッチ(セルビア)、3回戦では世界101位のアナスタシア・ポタポワ(ロシア)をいずれもストレートで下したが、4回戦では第7シードのアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ)に1セットを取られた。1回戦は「全豪オープン」での100試合目、3回戦の勝利はここでの90勝目で、試合数も勝利数も大会史上最多記録。

4回戦でのサバレンカからの勝利は、キャリア通算176回目の対トップ10勝利。

今日勝てば、グランドスラムで40回目のベスト4進出となる。グランドスラムでの準々決勝進出は54回目で、クリス・エバート(アメリカ)と並んで最多タイ。戦績は39勝14敗。

「全豪オープン」では13回目のベスト8進出で、戦績は8勝4敗。準決勝では負けたことがなく、準々決勝に勝てば毎回決勝まで進んでいる。

グランドスラムのシングルスでの戦績は、今大会ここまでの4勝を含めて361勝51敗、オープン化以降の最多勝利記録である。他に300勝を超えているのはマルチナ・ナブラチロワ(アメリカ、306勝49敗)だけ。

30歳を超えてからのグランドスラム優勝回数も最多の10回。2位タイのコートとナブラチロワは3回で、他に30歳を超えてから1度でも優勝した選手は7人しかいない。

グランドスラムのハードコートでの優勝は13回、これも最多である。通算でのハードコートの優勝回数は47回で、現役最多。

今シーズンはエキシビションマッチで大坂なおみ(日本/日清食品)に勝利した後、「WTA500 メルボルン(Yarra Valley Classic)」準決勝まで勝ち進んだが、右肩の怪我のため試合前に棄権した。

通算73回の優勝はオープン化以降5位の記録。1位はナブラチロワの167回、2位はエバートの154回、3位はシュテフィ・グラフ(ドイツ)の107回、4位はコートの92回。

世界ランキング1位連続在位週は、グラフとトップタイの186週。通算週ではグラフの377週、ナブラチロワの332週に次いで3位の319週。また2013年2月に、31歳で史上最年長の世界ランキング1位となった。

一方のハレプは、「全豪オープン」11年連続出場中で、最高成績は2018年の準優勝。2020年にベスト4、2014年と2015年にベスト8という成績を残している。

グランドスラム優勝は2回。2018年「全仏オープン」と2019年「ウィンブルドン」を制し、ルーマニア人女子選手として2人目となるグランドスラムのシングルス優勝を成し遂げた(1人目は1978年「全仏オープン」覇者のバージニア・ルジッチ)。

ハレプのトップ10連続在位は、現役最長の349週(継続中)。2020年、シーズン中断期間を挟んで自己最長の17連勝を記録。その間にドバイ、プラハ、ローマの3大会で優勝した。

今大会では、1回戦でワイルドカード(主催者推薦枠)の世界140位リゼット・カブレラ(オーストラリア)に6-2、6-1で、2回戦で世界72位のアイラ・トムヤノビッチ(オーストラリア)に4-6、6-4、7-5で、3回戦では世界36位のベロニカ・クデルメトバ(ロシア)に6-1、6-3で勝利。

4回戦の相手は昨年の「全仏オープン」覇者で、同大会でハレプをストレートで下した19歳のイガ・シフィオンテク(ポーランド)だったが、第1セットを取られながら冷静に対応して雪辱を果たした。これはハレプのグランドスラム100勝目だった。グランドスラム100勝を達成したのはセレナ、ビーナス、スベトラーナ・クズネツォワ(ロシア)、ビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)、キム・クライシュテルス(ベルギー)、ペトラ・クビトバ(チェコ)、アンジェリック・ケルバー(ドイツ)に続いて現役選手では8人目。

「全豪オープン」では4回戦終了時点で28勝10敗。31勝10敗の「全仏オープン」に次いで相性のいい大会となる。グランドスラムはこれが41回目の出場。今大会では第2シードで、グランドスラム29大会連続でシード選手としての出場だ。グランドスラムでの準々決勝進出は15回目で、これまでの戦績は8勝6敗。準々決勝進出15回は、セレナ(54回)、ビーナス(39回)、クライシュテルス(19回)、アザレンカ(17回)、クズネツォワ(16回)に次いで現役6位。

今大会前にはエキシビションマッチで世界1位のアシュリー・バーティ(オーストラリア)と対戦して勝利。その後「WTA500 メルボルン(Gippsland Trophy)」に出場し、ベスト8に進出した。

セレナは2017年9月に出産し、2018年にツアーに復帰してから4度グランドスラムの決勝に進出したが、4度とも悲願のグランドスラムシングルス最多記録タイとなる24回目の優勝には届かなかった。

セレナが4年ぶりのグランドスラム優勝に向かって駒を進めるのか、ハレプが昨年に続いてベスト4進出を決めるのか。優勝候補同士の大一番だ。

(テニスデイリー編集部)

※写真はハレプ(左)とセレナ(右)