サッカーIQラボ 〜勝負を決めるワンプレー~Questionフィルミーノがルックアップした直後、サラーはどんな動きをした…
サッカーIQラボ 〜勝負を決めるワンプレー~
Question
フィルミーノがルックアップした直後、サラーはどんな動きをしたか?
昨季王者・リバプールが非常事態だ。守備の要のフィルジル・ファン・ダイクとジョー・ゴメスが長期離脱というなか、第20節トッテナム戦ではファビーニョが試合前に筋肉系のケガでメンバー外となり、ジョエル・マティプも前半にじん帯損傷で負傷交代。センターバック(CB)の主力4人が離脱という事態となった。
これまでもジョーダン・ヘンダーソンをCBで起用するなど急場しのぎで戦ってきたが、シーズン終盤を戦い抜くには補強が急務。冬の移籍市場でベン・デイビス、オザン・カバクとDFふたりの獲得に成功はしたが、どれだけやれるかは未知数だ。
守備陣が危機的状況にあるなか、頼みの綱は前線の破壊力である。とくにエースのモハメド・サラーの得点感覚は凄みを増し、現在15得点でプレミアリーグの得点ランキング1位につけている。
FAカップ4回戦のマンチェスター・ユナイテッド戦での得点は見事だった。

右から中へ動き出したサラー。このあとどこでボールを受けたか
前半19分、中盤でボールを持ったロベルト・フィルミーノが前を向くと、ヴィクトル・リンデロフの横をサラーが走り出した。
サラーはこの時、どんな駆け引きをしただろうか。
Answer
中に行くと見せて、外に走りマークを外した
フィルミーノからパスが出た時、リンデロフはサラーとはまったく逆の方向へ走り出していた。もちろん、最も危険な中央へ帰陣するのはDFの基本ではある。CBの間のパスコースが危険だというのもすぐに察しがつく。

サラーは中への動きから外へ走る方向を変え、パスコースをつくった
しかし、このシーンでは、リンデロフはサラーにそう走らされたというほうが正しいだろう。
フィルミーノが中央でターンする間、リンデロフはサラーの動きをつぶさに見ながら警戒していた。そしてフィルミーノがルックアップするタイミングで、サラーはやや中央へ向かって走り出す。リンデロフはその動きを見た瞬間に、フィルミーノに視線を移した。
ここからがポイントだ。サラーはリンデロフが自分から視線を切った瞬間、外へ開くように動き直し、リンデロフはサラーが来ると思っている中央へ帰陣。ふたりは枝分かれするように別の方向へ走り出した。
サラーは、FWにとっていちばん美味しい中央エリアを餌にしてリンデロフを動かし、マークを外してわずかなパスコースを空けたのだ。
一部始終を見ていたフィルミーノは、優れた状況判断で足元にピタリと合わせる、質の高いパスを送る。そしてサラーは、完璧なファーストタッチとループシュートで先制点を奪った。
この試合はサラーが2得点を挙げるも敗戦。ただ、リバプールは最強3トップの阿吽の呼吸による攻撃力を頼りに、この窮地をどうにか乗り切りたいところだ。