1月31日、東京競馬場でGⅢ根岸S(ダート1400m)が行なわれる。 このレースは2月21日に開催されるGⅠフェブラリーS(東京/ダート1600m)の前哨戦として注目度が高い。今年は確固たる中心馬がおらず混戦模様だが、こんな時こそ新たなス…

 1月31日、東京競馬場でGⅢ根岸S(ダート1400m)が行なわれる。

 このレースは2月21日に開催されるGⅠフェブラリーS(東京/ダート1600m)の前哨戦として注目度が高い。今年は確固たる中心馬がおらず混戦模様だが、こんな時こそ新たなスターの誕生を期待したいところだ。

 その候補の1頭として、テイエムサウスダン(牡4歳/栗東・飯田雄三厩舎)を挙げたい。



前走のすばるSを制したテイエムサウスダン

 同馬は、2歳時に地方交流GⅡ兵庫ジュニアグランプリ(園田/ダート1400m)で勝利。昨年3月にはOP昇竜S(中京/ダート1400m)を勝ち、前走のLすばるS(中京/ダート1400m)では好位追走から早めに抜け出して後続に2馬身差を付ける横綱相撲で完勝している。

 全5勝のうち4勝が1400mと、この距離を得意としており、左回りでも前述の中京の2レースで2勝。今回と同じ「東京/ダート1400m」では、昨年11月の霜月Sで3着だったが、約5カ月ぶりの実戦で馬体重も26kg増えており、良化途中の状態だった。それを考えると、逃げて勝ち馬から0秒4差に粘った走りは評価できる。何より、すばるSの内容がすばらしく、かなりの成長を感じさせているので、相手は一気に強化するが成長力と勢いで通用しそうだ。

 血統を見てみよう。父サウスヴィグラスは、GⅠJBCスプリント(大井/ダート1190m)など、ダート1000~1400mでの重賞を8勝した名スプリンターだった。さらに種牡馬となってからは、7回にわたり地方競馬のリーディングサイアーに輝いた。自身も6歳時に根岸Sを勝利しているため、テイエムサウスダンが勝てば"父仔制覇"となる。産駒のこのレースへの出走は2走と少ないが、昨年に9番人気だったスマートアヴァロンが3着に入っており、相性はいいようだ。

 続いては、同じく4歳馬のメイショウテンスイ(牡4歳/栗東・飯田雄三厩舎)。同馬は2歳時の兵庫ジュニアグランプリで、テイエムサウスダンと1馬身半差の2着に入った馬。昨年11月には、今回と同じ条件のグリーンチャンネルC(東京/ダート1400m)を勝利している。

 同じくテイエムサウスダンも出走した、次走の霜月Sでも2着に入るなど、東京コースでは5戦3勝、2着1回と安定。新馬戦(東京/ダート1300m)、オキザリス賞(東京/ダート1400m)と、デビュー2連勝をこのコースで飾っている。

 前走のギャラクシーS(阪神・ダート1400m)は15着と、初めての2桁着順となる大敗を喫した。ただ、不慣れな逃げる形になってしまい、1000m通過59秒2と、やや速めの厳しいペースで行き過ぎたのが敗因だろう。馬体重はプラス16kgだったので、余裕残しでもあったはず。今回は他に逃げる馬もいそうで、同じような形になるとは考えにくく、得意コースに変わって巻き返しが期待できる。

 鞍上は、今年2月いっぱいで引退予定の蛯名正義騎手。数々のGⅠレースを勝った名騎手だが、重賞騎乗は昨年5月以来で、勝利は2018年12月のGⅡステイヤーズS(リッジマン)から遠ざかっている。最後にもうひと花咲かせてほしいものだ。

 以上、今年の根岸Sは、今後の飛躍が期待されるテイエムサウスダン、メイショウテンスイの4歳馬2頭に期待をかけたい。