1960年の創設から、今年で62回目の施行となるアメリカジョッキークラブカップ。ラップ的にはかなりクセのあるレースで…
1960年の創設から、今年で62回目の施行となるアメリカジョッキークラブカップ。ラップ的にはかなりクセのあるレースで、毎年前半は3勝クラスと同じようなペースで推移し、しかも上がりも速くない。要は前に行った馬が有利ということなのですが、それだとレース全体のレベルとしても3勝クラスと同等ということになってしまいます。
いや、むしろ3勝クラスより2勝クラスに近いレベルとさえ考えられるところ。ともかく、別定GIIとしては他に類を見ない不思議レース。時期的なものでしょうか。数年に1度、現役最強クラスの超大物も参戦しているレースだけに、それら大物の半数以上が敗れている事実も含め、過去にはこれが不思議でなりませんでした。
しかしそれは、中山競馬場への適性を第一義と考えていたからこその難しさであったのかも知れません。じつはこのAJCCは、中山競馬場の重賞としては1、2を争う瞬発戦。中山適性よりも東京適性を重視すべきレースだったのです。
データの残っている1988年以降、AJCCの出走馬、延べ373頭を“該当レース前に東京競馬場で勝ち鞍を持っていた馬”と“東京勝ち鞍を持っていなかった馬”に分割してみましょう。
勝ち鞍ありが244戦して[26-22-20-176]で勝率11%だったのに対し、勝ち鞍なしが129戦[5-9-11-104]で勝率はわずかに4%。合計にすると373戦[31-31-31-280]で勝率8%という結果でした。
前述したデータは東京施行の1996年、2002年の出走馬を除き、各馬該当年AJCC以前の成績を集計したものですが、これを見ても“東京競馬場で勝ち鞍を持っていた馬”が好成績を残していることは一目瞭然ですね。
ちなみに、今年のAJCCは東京競馬場での勝ち鞍を持っていない出走予定馬が多く、アリストテレス、ヴェルトライゼンデ、サンアップルトン、ジャコマル、ステイフーリッシュ、ソッサスブレイ、ナイママ、ノーブルマーズ、モズベッロの9頭が“東京勝ち鞍なし”ということに。アリストテレスやヴェルトライゼンデといった上位人気も入っているのですが、上記の理由からこれらの馬は割り引くべきだと考えています。
(文=岡村信将)