ロッテ退団が決まったアルフレド・デスパイネ外野手が、母国キューバで「肥満差別」について“熱弁”を振るったと、地元メディア「サイバー・キューバ」が報じている。■“ぽっちゃり体型”の強打者が“反論” 「太りすぎを気にするのはキューバだけ」 ロッ…

ロッテ退団が決まったアルフレド・デスパイネ外野手が、母国キューバで「肥満差別」について“熱弁”を振るったと、地元メディア「サイバー・キューバ」が報じている。

■“ぽっちゃり体型”の強打者が“反論” 「太りすぎを気にするのはキューバだけ」

 ロッテ退団が決まったアルフレド・デスパイネ外野手が、母国キューバで「肥満差別」について“熱弁”を振るったと、地元メディア「サイバー・キューバ」が報じている。

「アルフレド・デスパイネ『太りすぎを気にするのはキューバだけ』」とのタイトルがつけられた記事では、2016年シーズンを戦い終えた強打者について「ギリシャ彫刻やマーベル・スーパーヒーローのように前よりも数ポンド太くなって(キューバに)帰ってきた」と伝えている。

 デスパイネは入団3年目の昨季、134試合出場で打率.280、24本塁打、92打点と好成績を残した。14年途中に日本球界入りしてからは、通算282試合出場で打率.277、54本塁打、187打点を記録してきた。

 大きな体から放たれる長打が魅力の助っ人だが、キューバではアスリートの増量に対しては厳しい見方があるそうだ。記事によると、(野球)組織上部、トレーナー、広報という「キューバ球界を支配する3権力」から体重増のために活躍を疑問視されることもあるといい、これに対してデスパイネが母国での会見で「太りすぎを気にするのはキューバだけだ」と“反論”。さらに「太るか痩せるかは重要ではなく、生産性が重要だと付け加えた」という。

■キューバ代表に不可欠なデスパイネ「誰も彼以上に打てない」

 実際に、昨季は日本でキャリア最高の成績を残しており、デスパイネは「今は110か111キロあるけれど、これで最大のパフォーマンスを出せているから、影響はない」と明言している。

 キューバでは過去、肥満が理由で代表に呼ばれなかった選手もいたという。ただ、現在のデスパイネについては「誰も無視できない」。ヨエニス・セスペデス外野手(メッツ)、ユリエスキ・グリエル内野手(アストロズ)ら、亡命してメジャー挑戦に踏み切る“アスリートタイプ“の選手が続出しており、デスパイネがキューバ球界に欠かせない選手となっているからだ。

 今回の特集記事ではデスパイネについて「幸運」と評し、その理由として「痩せた強打者たちはすでに別の場所でプレーするため去ってしまい、(現在のキューバでは)太っているかどうかにかかわらず、誰も彼以上に打てないから」とレポートしている。

 3大会連続出場が確実とされるWBCで“ぽっちゃり体型“のデスパイネが大活躍し、キューバを躍進に導くようなことがあれば、「偏見」も少し治まるかもしれない。