12月19日放送の「卓球ジャパン!」は、「卓球ニッポン最大のライバル 中国BIG3 徹底攻略SP〈男子編〉」。男子ナショナルチーム倉嶋洋介監督をゲストに招いて、中国最強トリオの馬龍・樊振東・許キンを今年の試合映像を見ながら攻略法を探った。…

 12月19日放送の「卓球ジャパン!」は、「卓球ニッポン最大のライバル 中国BIG3 徹底攻略SP〈男子編〉」。男子ナショナルチーム倉嶋洋介監督をゲストに招いて、中国最強トリオの馬龍・樊振東・許キンを今年の試合映像を見ながら攻略法を探った。

まず1人目は世界最強のペンドラ、許昕。

「ダブルスは世界一の技術力を持っていて、強靭な足腰から繰り出されるフットワークとフォアハンドは他の選手にはない回転量、スピードを誇る」と倉嶋監督が語るダブルスのスペシャリストだ。

試合は、ITTFファイナルズ2020準々決勝、林昀儒(台湾)戦の第5ゲームから解説。出足でさっそく許キンが見せたのが、相手のチキータに対する鮮やかな裏面バックハンドカウンター。

「あれが許昕の進化の1つ。昔はフォアで回り込んでいたが、チキータをバックで処理するのが今はすごくうまい」と倉嶋監督。このゲーム、裏面バックハンドで許キンが得点を量産した。

フォアドライブに関しては相変わらずの決定力で、第6ゲーム8-2の場面ではループ気味のフォアドライブを林昀儒にカウンターで打たれるが、さらにフォアカウンターで打ち返して得点。

「ループをかけた瞬間にカウンターを待っている。(許昕のドライブは)フォア側に曲がっていくので、相手はストレートに打ちづらい。どうしてもクロスにいくので、そこを狙っている」(倉嶋監督)。現代卓球ではカウンターをカウンターで打つのは当たり前であり、それに対応できなければ中国を倒すことはできないのだ。



そんな許昕の攻略法として倉嶋監督があげたポイントが「バックハンドをつぶす」という点。なるべくバックハンドを使わせたうえで、そこをつぶす。そして、両ハンドスタイルになったら、ミドルを突く。とにかく許昕に気持ちよくフォアを振らせず、勝ち切ることが重要だ。

続いては、男子ワールドカップ2020決勝、馬龍vs樊振東の試合を見ながら2人のプレーを分析した。

解説はゲームカウント3-2、樊振東リードの第6ゲームからスタート。

あとがなくなった馬龍だが、この第6ゲームはバックサイドのボールを積極的に攻め、一気にリードを広げる展開。「馬龍が樊振東に勝つ時は、バックサイドの球を馬龍が強く打っていく。つないでいると樊振東に打ち込まれてしまうので、先に必ずカウンターを両ハンドで仕掛けていく」(倉嶋監督)



一気に10-1と馬龍がリードし、すんなり第7ゲームに突入するかと思われたが、ここから樊振東の異次元のバックハンドが炸裂。あまりのすごさにMC陣、倉嶋監督も驚き、この猛追を武井壮は「樊振東バックハンドランド!」と命名。もともとバックハンドは世界一と言われる樊振東だが、バックストレートへの精度と威力が数段レベルアップしている。

第6ゲームは11-7で馬龍が逃げ切り、さらに激しさを増していった最終第7ゲーム。

馬龍の足を止めるため、点数を取られても要所で馬龍のフォアサイドを突く樊振東。フォアサイドを狙われてもなおバックサイドのボールに対しては回り込んで得意のフォアで攻める馬龍。両者の意地と意地がぶつかり合い、これぞ"頂上対決"というハイレベルな打撃戦が繰り広げられた。



「スーパープレーじゃないと点が取れない」(平野)「全部スーパープレー!」(武井)と両MCも大興奮。

倉嶋監督も「ラリーというよりカウンターの打ち合い」と言い、「審判も目で追えていない(笑)」と冗談を言いたくなるほどの超高速ラリーの応酬だ。

8-6で樊振東リードの場面、バック対バックのラリーから、一瞬馬龍が回り込もうとしたタイミングで電光石火のバックハンドストレートを決めた樊振東。

この1年の進化を象徴するようなプレーだ。そしてマッチポイントとなった10-8では、フォア前にサーブを出されるも、チキータで強引に馬龍のフォアサイドを狙って樊振東が得点し、優勝を決めた。

「馬龍はもともとフォアハンドプレーヤーなので最後は回り込みたいタイプ。だから最後はフォアを突くのが定石になる」と倉嶋監督。



とは言うものの、あの馬龍のフォアサイドにボールを送るのは相手にとっては恐怖でしかない。その戦術を見事に貫いた樊振東に今回は勝利の女神が微笑んだ。

どうすれば、日本は東京オリンピックで中国を倒せるのだろうか。倉嶋監督が挙げたキーワードは「張本全勝」だ。

エースの張本智和が2点を取って、残りの1点を水谷隼と丹羽孝希でもぎ取るのが日本男子の戦い方であり、張本の2勝なくして中国に勝利することはできない。中国勢を驚かせる進化を遂げた日本選手のプレーに期待しよう。



次回は「中国BIG3 徹底攻略SP〈女子編〉」。中国代表事情をよく知る元日本代表のレジェンド、偉関晴光氏と羽佳純子氏が中国を倒す秘策を明かす。お見逃しく!

「卓球ジャパン!」 BSテレ東で毎週土曜夜10時放送