自身のキャリアを振り返り語るテニスにおけるメンタルの重要性2020年シーズン、…
自身のキャリアを振り返り語る
テニスにおけるメンタルの重要性
2020年シーズン、グランドスラム初制覇やキャリアハイとなる世界ランキング3位を記録したドミニク・ティエム(オーストリア)。そのコーチを務めるニコラス・マスー氏(チリ)が、ITFのコーチ会議に出席し、テニスにおけるメンタルの重要性、そしてティエムの将来について語った。
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2度のオリンピック金メダルを獲得し、2019年2月から世界ランキング3位のティエムのコーチを務めているマスー氏。今月初めに行われたITF地域コーチ会議では、「テニスは個人のスポーツであり、精神的に自分の力で勝負しなければならない。私は幼い頃からアカデミーでトレーニングをしていて、コーチからストレスへの対処法を教わった。その結果、強い性格となり、常に試合の最後まで戦うことができていた」とマスー氏。トップで戦う上で強い気持ちを持つことが重要だとコメントした。
また、自身の過去を振り返り、「練習し、夢を見れば達成することができる。僕たち南米人にとっては、地元の大会が少なく、家や家族から遠く離れた場所に行かなければならない。でも、若いころからポジティブでいようとしていたし、ライバルよりもメンタル的にタフでいようとしていた。いつも勝ちたいと思っていたんだ」と、決して整っているとは言えない環境が自身を成長させる一つのキーだったとした。
その強さの源となったのが、第二次世界大戦を生き抜いた母方の祖父母だ。戦時中にアウシュビッツ収容所にいた祖父母は、戦後にチリへ移住。マスー氏がテニスを始めたきっかけを与え、テニスクラブの送り迎えなど熱心にサポートしてくれたという。「彼ら(祖父母)が生き抜いてきたことを説明してくれたから、僕は彼らから強さをもらった。彼らがあの時を生き抜いたのに、僕がテニスを仕事としているときに前向きな気持ちになれないわけがない」とマスー氏は語る。
サーフェス問わないティエムの活躍に
「明るい未来が待っている」
2013年に現役を退いたマスー氏は、国別対抗戦「デビスカップ」のチリ代表キャプテン(監督)に就任。その後、自身の「マスー・テニス・アカデミー」を開設し、2019年2月にティエムのコーチに就任した。
コーチ就任時、チームの目標の一つとして「ハードコートでの成績を上げること」を掲げていたというだが、ティエムはATP1000マスターズ大会インディアンウェルズでいきなり優勝という結果を残す。そして、同年の全仏オープンで2年連続となる準優勝。2020年には全豪オープン準優勝、そしてUSオープンで悲願のグランドスラム制覇を成し遂げた。
(c)Pete Staples/USTA
マスー氏は、「今ではクレーとハードのどちらが良い成績を残しているかわからない。彼は両方のサーフェスで素晴らしいレベルを持っている」と愛弟子の成長を喜びつつ、「彼は才能のある選手だし、とても努力家だよ。とても若いので明るい未来が待っていると思う。彼はもっと勝てることを知っているし、来シーズンも堅実なテニスを続けてくれることを願っているよ」とさらなる活躍を期待した。
今年11月下旬には、オリンピック2大会連続金メダルという偉業を成し遂げたマスー氏の影響を受け、来年開催予定の東京五輪のプレーを決断したティエム。マスー氏は、「成功するためには選手の近くにいなけらばならない」とコーチと選手が互いに尊敬し、二人三脚で取り組まなければ成長できないとした。
来シーズン、ティエムがどのような成長を見せてくれるのか楽しみでならない。