A・Bブロックに分かれシングルマッチを行うリーグ戦「D王 GRAND PRIX 2021」。その優勝決定戦で、秋山準と今年2度目のシングル対決を行う竹下幸之介。前回、秋山の「真にくる」攻撃に惜しくも敗れた。再戦直前、DDTの未来を背負う竹下…

A・Bブロックに分かれシングルマッチを行うリーグ戦「D王 GRAND PRIX 2021」。その優勝決定戦で、秋山準と今年2度目のシングル対決を行う竹下幸之介。前回、秋山の「真にくる」攻撃に惜しくも敗れた。再戦直前、DDTの未来を背負う竹下は、いま何を思うのか…

<前編はこちらから>

--DDTサウナ部の活動はいかがでしょうか?
竹下:サウナ部は間違いなく2021年、1番来ると思います。中でも勝俣さんは、今年大日本プロレスでデスマッチのメインの舞台に立って自信をつけています。自信というのは人のオーラすら変えますよね。

--僕は2020年DDTの中で、1番変わったのが勝俣選手だと感じました。
竹下:分かりやすく外見から変化しましたよね(笑)。

--ところで11.3大田区で秋山選手との戦いが終わり、11.22後楽園からD王GPが始まりました。竹下選手はAブロック。このリーグ戦を振り返って頂けますか。
竹下:初戦の佐々木さんとの戦いで左腕の筋断裂を二箇所して、左腕が動かなくなりました。その状態でテーピングもガチガチにして残りのリーグ戦を戦ったんですけど、正直勝ち上がれるとは思っていませんでした。「とってもラッキーマン状態」に入っていました(笑)。
「この試合落としたら勝ち上がる可能性は0%になる」という試合で対戦相手のMAOが、最後の必殺技の時に足を滑らせて失敗し僕が逆転勝ちできたり。坂口選手の時は相手の膝蹴りに対して僕も膝蹴りで応戦したら、それがたまたま当たりが良くてKO勝ちになりました。これは「運が良かった」としか言いようがないですね。

--11.22後楽園ホール、佐々木大輔戦は初戦とは思えない激しいぶつかり合いでしたよね。佐々木選手は、その試合で肋骨を骨折して欠場になりました。それ以外の選手との戦いはいかがでしたか?
竹下:11.29大阪のクリスとの戦い時、左腕が一番キツかったですね。その2日前に彰人さんと30分近く戦い、ずっと腕を攻められていました。その左腕をクリスも狙ってくるので。ただクリスとの試合は負けたけど納得の行く試合ができましたね。
クリスとはタッグよりもシングルで戦ったことが多く、お互い密度の濃いプロレスをしてきた。僕たちだからこそできる試合をした気がします。結果的に負けましたけど、自分のプロレスを再確認できました。

--12.12成増でのHARASHIMA選手との戦いはいかがでしたか?
竹下:HARASHIMAさんとの試合は、負けたら優勝決定戦に出られない試合だったので「なんとしても勝ちたい、左腕を犠牲にしてでも勝ってやる!」という気持ちで戦いました。
怪我の功名ではないけど僕が左腕を怪我しているので、相手が左腕だけ狙ってくる。だから対策を取りやすいというのはありましたね。僕も右腕のトレーニングをメチャクチャしたんです。右手だけでジャーマンを投げられるように。

--右腕だけでジャーマンって凄いですね!
竹下:クリス戦から使っていたんですけど、やっぱり右腕だけじゃ投げにくくて試合を通して改良していったんです。HARASHIMAさんの試合の時ピタリとハマって、左腕が使えない状態でもジャーマンを決めることができました。

--本当に怪我の功名ですね。そして、いよいよ12.27後楽園で2度目となる秋山準選手と戦うことになりました。
竹下:11.3大田区は「秋山準の前に立って自分のプロレスをぶつける」に尽きましたが、今回は2回目、それも初戦相手に取られているわけです。ここで2回目も取られると3回目がないので。
これで僕が勝って1勝1敗のイーブンじゃないですか。「それで3回目どうなる?」という話になると思うので、今の僕は崖っぷちなんですよね。

--秋山戦に向けての対策はありますか?
竹下:まだ立ててないです。なぜなら左腕がどこまで回復するのか分からないので…。ただ、だいぶ回復してきました。12.12成増、HARASHIMAさんの時から比べると何倍も良くなっています。
ここで秋山選手の一点集中攻撃を受けたら左腕がどうなるのか恐怖心と不安がありますけど、それを埋められるだけの回復力を僕は持ち合わせているので。

--12.12成増から12.27後楽園まで約2週間で大丈夫ですか?
竹下:毎日ジムでトレーニングし筋破壊を繰り返しているので、回復は早い方です。

--まだ優勝決定戦が残っていますが、2021年の抱負を教えて下さい。
竹下:僕は必ず目標を年末に立てます。これを立てないとボヤけた感じで1年過ごすことになるので。去年の年末にも立てましたけど、今年に関してはコロナで何も叶いませんでしたね。こんな年は今までなかったですし、苦しい1年でした。
正直なところ、このパンデミックが今後どうなるのか読めないので、来年のヴィジョンを考えるのは難しい…ただ苦しい時期を耐え凌いだ後には良くなることしかないので、良くなる瞬間にDDT全体で上昇したいですよね。
その起爆剤になるのは、もちろん試合だと思います。2020年は無観客試合を行いました。有観客になってもお客さんが声を出せない。お客さんも辛いし僕たちも辛い、その中で耐えて耐えてやっているので、2021年はドカンと行けるように「心に残るような試合をし続ける」だけですかね。

--最後にD王GP優勝決定戦を楽しみにしているファンの方に一言お願いします。
竹下:とにかく2020年、もう一生こんな苦しい1年間を経験する事はないと僕は信じています。その集大成になる1試合なので、僕もこの1年のモヤっとした気持ちとか苦しかった気持ちとかネガティブな気持ちを全部引っくるめて秋山選手にぶつけます。
お客さんも声は出せないけど、2020年の嫌なものは2020年のうちにスッキリして欲しい。だからそのネガティブなものを僕が全部背負ってリング上で爆発させたいと思います。総決算である12.27後楽園大会を是非楽しんで下さい!

<インフォメーション>

DDT最強レスラーを決めるリーグ戦「D王 GRAND PRIX 2021」の優勝決定戦が、いよいよ12/27後楽園ホールで行われる。Aブロックを勝ち上がった竹下幸之介は、Bブロック1位の秋山準と対決。果たして11.3大田区の雪辱を果たせるのか!詳細はDDTプロレス公式サイトをご覧ください。→https://www.ddtpro.com/schedules/12819

動画配信サービスWRESTLE UNIVERSEで、生配信が行われます。→https://www.ddtpro.com/universe

竹下幸之介 Twitter→https://twitter.com/Takesoup

取材・文・写真/大楽聡詞

写真提供/DDTプロレスリング