2016年シーズンは渡米後最高の成績を残したヤンキースの田中将大投手。今季は日本人投手初のサイ・ヤング賞にも期待がかかるシーズンとなる。米メディア「SBネーション」は、新たなシーズンを迎えるヤンキースの特集記事を掲載。田中について「エースで…

2016年シーズンは渡米後最高の成績を残したヤンキースの田中将大投手。今季は日本人投手初のサイ・ヤング賞にも期待がかかるシーズンとなる。米メディア「SBネーション」は、新たなシーズンを迎えるヤンキースの特集記事を掲載。田中について「エースでありスターである」と、メジャー屈指の名門球団でも特別な立場にいることを強調している。

■3年目の昨季は渡米後最高の成績、田中は名門球団でも特別な選手!?

 2016年シーズンは渡米後最高の成績を残したヤンキースの田中将大投手。今季は日本人投手初のサイ・ヤング賞にも期待がかかるシーズンとなる。米メディア「SBネーション」は、新たなシーズンを迎えるヤンキースの特集記事を掲載。田中について「エースでありスターである」と、メジャー屈指の名門球団でも特別な立場にいることを強調している。

 田中はメジャー3年目の今季、31試合に登板して199回2/3を投げ、14勝4敗、リーグ3位の防御率3.07、同5位のWHIP(1イニングあたりの被安打+与四球)1.08をマーク。特集では、そんな日本人右腕について「マサヒロ・タナカに感謝を、彼の肘については忘れよう」と呼びかけている。

 記事では、現在のヤンキースについて、昨季衝撃のデビューを果たしたゲイリー・サンチェス捕手やグレッグ・バード内野手といった「極めて有望な」若手はいるものの、「本物のスター選手は不在だ」と指摘。そんな中で「しかし、タナカがこのチームのエースでありスターである」としている。

■右肘の不安を完全に払拭する一年に、「見えないものは忘れ去られる」

 田中はメジャー1年目の2014年、開幕から圧倒的な投球を続けながら、7月に右肘靭帯部分断裂を負い、約2か月半の長期離脱を経験。2015年も負傷離脱があり、2年連続で規定投球回に到達できなかった。「SBネーション」も「彼は故障しがちである」と言及。ただ、昨季は初めてシーズンを通してローテーションを守り抜き、大台の200イニングにも1/3回まで迫った。

「私たちは彼がフルシーズンを投げる姿を見ることができ、幸運だった。2017年も同じことが続くよう願っている。肘の故障については忘れるよう努めている。見えないものは忘れ去られるのだ」

 田中が右肘靭帯を部分断裂した際、ヤンキースはトミー・ジョン手術をするほどの重傷ではないとして、保存療法を選択。その後、辛辣なNYメディアでは、日本人右腕が不安定な投球をするたびに肘の不安を訴えるような報道が目立った。ただ、獅子奮迅の活躍を見せた昨季は、そんな声を結果で封じ込めた。今季も同様の結果を残せば、初年度の怪我は「忘れ去られる」ことになるだろう。

「スター選手」として、メジャー随一の名門球団を地区優勝に導けるか。田中将大の本当の価値を証明する一年となる。