昨季14年ぶりのリーグ優勝したヤクルト。一転して今季は投手陣に故障者が続出するなど前半戦は最下位。後半戦は巻き返したが、最終的にリーグ5位でクライマックスシリーズ出場も逃した。そんな2016年のヤクルトの10大ニュースをピックアップし、今季…

昨季14年ぶりのリーグ優勝したヤクルト。一転して今季は投手陣に故障者が続出するなど前半戦は最下位。後半戦は巻き返したが、最終的にリーグ5位でクライマックスシリーズ出場も逃した。そんな2016年のヤクルトの10大ニュースをピックアップし、今季を回顧する。

■山田史上初の快挙、元ドラ1右腕1786日ぶり勝利

 昨季14年ぶりのリーグ優勝したヤクルト。一転して今季は投手陣に故障者が続出するなど前半戦は最下位。後半戦は巻き返したが、最終的にリーグ5位でクライマックスシリーズ出場も逃した。そんな2016年のヤクルトの10大ニュースをピックアップし、今季を回顧する。

〇山田哲人、2年連続トリプルスリー

 133試合出場、打率.304、38本塁打、102打点、30盗塁。2年連続のトリプルスリーはプロ野球史上初となった。2年連続の盗塁王、3年連続で二塁手のベストナインに輝いた。7月30日の巨人戦(東京ドーム)で背中に死球を受けて左第八肋骨骨挫傷のため出場登録を抹消されたが、6月に打率.346、10本塁打、28打点で月間MVPを獲得するなど、活躍を見せた。12月の契約更改では1億3000万円増の年俸3億5000万円でサイン。11年の青木宣親(現アストロズ)の3億3000万円を超えて球団歴代最高額となった。来季7年目での3億円超えは高卒野手としてはオリックス・イチロー以来2人目だ。

〇オンドルセク、ブチ切れ退団

 来日1年目の昨季、72試合で33ホールドと活躍し、リーグ優勝に貢献。守護神として臨んだ今季は6月26日の中日戦(神宮)で味方の失策などもあってセーブ失敗。その際に首脳陣に悪態をつくなど、ベンチで大暴れ。球団から謹慎処分を受けて帰国し、7月21日に退団が発表された。その後はオリオールズと契約を結び、8月にはマイナー落ちした。

〇“ヤ戦病院化”止まらず

 バレンティン(左脇腹肉離れ)が開幕2軍スタートとなり、シーズン中は昨季リーグ優勝の立役者・山田哲人(左第八肋骨骨挫傷)、川端慎吾(右足舟状骨骨折)、畠山和洋(左手首痛)、雄平(左脇腹痛)、大引啓次(腰痛)と主軸に故障者が続出。投手では石川雅規(左ふくらはぎ痛)、館山昌平(右肘手術)、ドラフト1位ルーキーの原樹理(右肩甲下筋肉離れ)、古野正人(右肩痛)と続々と戦線を離脱。ベストメンバーで戦う機会を失い、チームにとっても大きな痛手となった。

〇由規、1786日ぶり勝利

 7月24日の中日戦(ナゴヤドーム)で復帰2度目の先発登板し、5回1/3を4安打2失点で5年ぶりとなる勝利を挙げた。11年9月に右肩腱板損傷し、12年3月には左膝頸骨折。13年4月には右肩のクリーニング出術を受け、15年オフに育成選手として再契約。16年7月5日に支配下選手として再契約していた。11年9月3日の巨人戦(神宮)以来の白星。今季は5試合登板、2勝3敗、防御率4.56だった。

〇石川雅規、通算150勝

 8月27日の阪神戦(甲子園)で8回2/3を6安打2失点に抑え、今季6勝目。通算150勝を達成した。プロ野球48人目、球団では金田正一、松岡弘に続き3人目の快挙となった。今季は20試合登板、8勝8敗、防御率4.47。3年連続2桁勝利は逃した。

■バレバット捕手直撃で波紋、新垣珍記録も引退

〇秋吉亮、侍ジャパン入り

 シーズン序盤は中継ぎだったが、オンドルセクの退団で守護神に転向。9月10日の阪神戦(神宮)で通算200登板を達成した。入団3年目での達成は稲尾和久以来2人目。2年連続70試合登板し、3勝4敗19セーブ、10ホールドをマークした。12月の契約更改では4700万円アップの年俸1億1000万円でサイン。4年目での大台到達は93年古田敦也、07年青木宣親(現アストロズ)に並ぶ球団最速タイ。11月の侍ジャパン強化試合に選出され、12月には前倒しで第4回WBCの日本代表メンバーに選ばれた。

〇“戦力外組”が活躍

 坂口智隆はオリックスに在籍していた昨オフ、年俸7500万円から野球協約の減額制限(1億円以下は25%まで)を超える大幅ダウンを提示を受け、自由契約を選択。年俸3000万円でヤクルトに入団し、今季は1軍にフル帯同。141試合に出場し、打率.295、39打点。右肘などに痛みがある中、主に1番打者として打線を牽引した。昨オフに日本ハムから戦力外通告を受けた鵜久森淳志は開幕1軍スタート。3月30日の阪神戦(神宮)で移籍後初スタメンし、移籍後初、自身4年ぶりとなる本塁打をマークした。対左投手で主に起用され、キャリア最多となる46試合出場、打率.257、4本塁打、19打点をマークした。

〇新垣、100暴投→現役引退

 5月10日の広島戦(神宮)で通算1000奪三振を記録したものの、同17日の広島戦(マツダ)で史上3人目の通算100暴投を記録。「100暴投Tシャツ」が発売されたことも話題を呼んだ。今季は6試合登板、1勝2敗、防御率6.67。10月1日に戦力外通告を受けた。現役続行を希望して12球団合同トライアウトを受けたが、吉報は届かず。今季限りでの現役引退を決めた。

〇バレンティン、バット捕手直撃

 バレンティンがスイングした際にバットが捕手の頭部を直撃する事故が相次いだ。7月10日の中日戦(神宮)で桂が内出血。同24日の同カード(ナゴヤドーム)で杉山が出血して病院送りにされ、2日後に吐き気などを訴えた。8月2日の広島戦(神宮)では石原が脳しんとうで戦線離脱する事態となり、波紋を呼んだ。

〇田中浩康、退団

 山田の台頭で13年から出場機会が減少し、今季は31試合出場、打率.188、1打点。球団は来季から2軍コーチとして打診したが、田中浩は現役続行を希望。10月7日に戦力外通告と発表された。07年からレギュラーとして活躍し、11年にはプロ野球歴代3位のシーズン62犠打をマーク。12年に二塁手部門でゴールデングラブ賞、07、12年と同部門のベストナインを受賞。11月14日にDeNAと年俸1500万円で契約した。