今シーズンのB.LEAGUEが開幕して約2か月半。12月19日、横浜国際プールで開催された横浜vs.秋田の試合のハーフタイムで、横浜からサプライズの発表があった。東海大に所属する河村勇輝(1年/172㎝/PG/福岡第一高卒)が、大学のオフ…

 今シーズンのB.LEAGUEが開幕して約2か月半。12月19日、横浜国際プールで開催された横浜vs.秋田の試合のハーフタイムで、横浜からサプライズの発表があった。東海大に所属する河村勇輝(1年/172㎝/PG/福岡第一高卒)が、大学のオフシーズンの期間、特別指定選手としてチームに加入することが決定したのだ。

 

 

 会場のモニターでサプライズが発表され、大きな拍手が巻き起こった横浜国際プール。背番号「0」の青いユニフォームをまとった河村がゆっくりとフロアに現れると、その拍手は一層強まった。ブースターに向けて、河村は一度は噛んではにかみながら挨拶をやり直す場面がありつつも、「プレーする機会を与えてくださった横浜ビー・コルセアーズの関係者の皆さん、本当にありがとうございます。自分の持てる力を精いっぱい発揮して、チームの勝利に貢献できるように頑張ります。自分の見てほしいポイントは3Pシュートと仲間を生かすアシストです。このクラブとともに成長して、将来は日本を代表するPGになれるように頑張っていきたいと思います」と力強くコメント。

 

 昨シーズン(今年1~3月)には、三遠の特別指定選手として赤いユニフォームをまとって11試合プレーした河村。B1最年少出場記録を更新しただけでなく、抜群のスピードとアシスト力を生かして活躍し、新人王ベスト5に選出されるなど輝かしい結果を残して注目を浴びた。あれから1年、東海大でハーフコートバスケットなど新たなスタイルを学びつつある河村には、自身2度目のB.LEAGUEでもさらなる活躍が期待されるだろう。

 

 先週、インカレの優勝後の取材では「オフシーズンの間は東海大でトレーニングを積むことも大事だとは思うんですけど、自分は高校生活が終わってからB.LEAGUEを経験して、そこから得られたものが本当にたくさんありました。大学1年のうちに国内最高峰であるB.LEAGUEでプレーすることは自分の財産にもなりますし、成長につながると思っているので、今年もしっかりといろんなことを吸収して成長できればと思っています」と語っていた河村。特に今年はコロナ禍で春から大学での活動も縮小され、実戦経験を積む場も多くはなかっただけに、1試合でも多くコートに立って高いレベルに肌で触れることはそれだけでも貴重な経験だろう。また、横浜には#18森井健太、#46生原秀将といった個性豊かな司令塔がそろっており、先輩PGから学べるものも多そうだ。

 

 飽くなき向上心を持ち、目の前の壁が高ければ高いほど驚くべき力を発揮する河村。まだまだ伸びしろ広がる19歳から、今後も目が離せない。

 

○取材・文/中村麻衣子(月刊バスケットボール)