1980年代終わりから90年代の終わりにかけて最盛期にあったセリエA。2000年代からは力を付けたリーガエスパニョーラや…
1980年代終わりから90年代の終わりにかけて最盛期にあったセリエA。2000年代からは力を付けたリーガエスパニョーラやプレミアリーグにヨーロッパの勢力を奪われていたが、ここ数年でスクデット争いに拍車がかかったことでヨーロッパでも再び注目の存在になりつつある。
今シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ並びにヨーロッパリーグは、イタリアのクラブの復活を印象付けた。インテルはグループ最下位に沈んだものの、CLではユヴェントス、アタランタ、ラツィオが突破。ELではローマ、ナポリ、ミランがいずれも首位で通過している。これは国内大会での黒字化を望むイタリア・プロサッカーリーグ(レガ・カルチョ)にとって大きな自信と後押しになるだろう。
ユヴェントスは、カンプノウでの0-3快勝で、アンドレア・ピルロの初期のプロジェクトが生み出した多くの疑念を払拭した。今季リーグ戦無敗のビアンコネロは自信を取り戻し6ポイント差で首位を走るミランを追う。
そのミランはユヴェントスと同じくセリエA無敗の首位、ヨーロッパでは第3節のリール戦で0-3と敗れた後も4勝1分1敗で首位通過した。39歳の大黒柱、ズラタン・イブラヒモビッチがロッソネロのメンタリティを変えたのは間違いないだろう。
リーグ6位のローマは大きな躓きなくELノックアウトステージ進出、5シーズンぶりにELを戦うナポリもソシエダとAZを抑えて首位通過、CL復帰を目指す国内での好調を維持した。
昨シーズン、クラブ史上初の欧州トップコンペティションを戦い、前半戦の3試合全敗から16強まで勝ち上がったアタランタは、ホームでリヴァプールに0-5で敗れたものの、敵地アンフィールドで2-0とやり返し、最終節にアムステルダムでアヤックスを0-1で下して2季続連続のラウンド・オブ・16進出を決めた。これにより、リーグ戦過去6試合でわずか1勝利と悩めるガスペリーニ監督のチームのモチベーションは高まるだろう。
怪我人に苦しんでいるラツィオは苦しみながらもCLを無敗で突破。7位に甘んじるリーグ戦でスクデットを争えるか、シモーネ・インザーギ監督の手腕にかかっている。
最後に唯一敗退したインテル。敗退後、スティーヴン・チャン会長はアントニオ・コンテ監督を擁護したが、欧州からの敗退は信用を落とした。スクデットの獲得で信頼を回復できるか。リーグ戦は3連勝中で6試合負けなしの3位。
イタリアのクラブがチャンピオンズを取ったのは2009-2010シーズンのインテルが最後、ヨーロッパリーグでは前呼称のUEFAカップ時代、1998-99シーズンのパルマから遠ざかっている。リーグ戦ではサッスオーロも上位争いに絡んでおりスクデット争いは混沌としてくるだろう。国内での激しい争いはカルチョを再び欧州に轟かせる。