8連覇の夢破れ、1年。続々と試合が中止になる中、唯一残った最初で最後の大会は府立(団体インカレ)だった。圧倒的な実力を見せつけ勝ち進んだ関大との決勝戦。優勝は小森彪楽主将(文4=桜丘)の大将戦に委ねられる。最後は渾身の面突きで、2年ぶりの…

 8連覇の夢破れ、1年。続々と試合が中止になる中、唯一残った最初で最後の大会は府立(団体インカレ)だった。圧倒的な実力を見せつけ勝ち進んだ関大との決勝戦。優勝は小森彪楽主将(文4=桜丘)の大将戦に委ねられる。最後は渾身の面突きで、2年ぶりの優勝を果たした。

◆12・6 第65回全日本学生選手権(エディオンアリーナ大阪)

〈男子〉

▼明大――1位 


 
〈女子〉

▼明大――ベスト8

 準決勝の相手は中大を制し勢いに乗る大商大。監督に「最優秀選手賞は田畑」と言わしめた先鋒・田畑正貴(法4=府中東)から勢いに乗り3連勝。決勝に王手をかけた。その後2連敗を喫するも、副将の木村柊也(文2=関西福祉科大)が相手の足をつかんで倒し、一本。大商大を沈め、決勝に駒を進めた。

 決勝戦の相手は、昨年の優勝校・龍谷大を破った関大。先鋒から安定したストレート勝ちが続いたが、参鋒から相手が勢いに乗り始める。リードを許したまま2-3で副将・深町雅也(法3=浅倉)へ。ここで負ければ関大が優勝。「勝って(小森主将に)回すことが自分の役目だと思った」(深町)。開始1分、キレのある面突きで先制するが、しばらく両者一歩も譲らない競り合いが続く。転機は試合終了間際。相手の上胴に強烈な突きが決まった。「相手も焦ってくるので、そこを逃さずに攻められた」(深町)。残り時間わずか4秒の勝利だった。

 試合の流れは、昨年と同じく3-3で大将戦へ突入。明大の命運は小森主将に託された。「皆がつなげてくれたので怖くなかった」(小森主将)。開始17秒、面に得意の蹴りを入れ、一本目を先取。試合再開直後、渾身の面突きで二本目を決めた。昨年はあと一歩のところで龍谷大に8連覇の夢を砕かれた。しかし今年の大将戦は快勝。雪辱を果たし、見事に府立の優勝旗を奪還した。

 推薦組以外にも力のある一般生がひしめく明大。「今は2年生に一般生が多くて、レギュラー12名の中から選考するのにも迷った」(高村監督)。苛烈するレギュラー争いが、来年度さらにチームを盛り立てるに違いない。

 「始まりはつくった」(小森主将)。この優勝はゴールではない。次期主将・深町率いる明大拳法部は、さらなる高みを目指し伝説を刻み始めている。

[田崎菜津美、金井遥香]

試合後のコメント

高村監督

――優勝したことへのお気持ちを教えてください。

 「優勝を果たすことができて、嬉しいの一言です」

――優勝する自信はありましたか。

 「自信はありました。小森中心にやることきっちりやっていって、活動休止しているときも個人練習、グループをつくって筋肉トレーニング。足りないところはみんな一生懸命やって。メニューも相談して作ってきちっと報告させてやっていましたので、きっちりマネジメントはできていたと思います」

小森主将

――勝った瞬間の気持ちを教えてください。

 「やっぱり嬉しかったですね、ですがやり切った感はありました。4年間やってきて良かったです」

――主将として楽しかったことはと前回聞いたら、府立に勝ったら楽しいと言えるとおっしゃっていましたが、今改めてどうですか。

 「ここで負けていたら後悔が残っていたと思うのですが、勝てたので全部いい記憶、思い出になると思います」

田畑

――今のお気持ちを教えてください。

 「幼稚園の頃から拳法をやっていましたが、最後の試合で勝てたことで今までやってきたこと全て報われた気がしています。今まで拳法してきて良かったと今日初めて思えました。大学で拳法をしていて、部活が週6あるので自分のやりたいことができませんでした。そういう我慢、辛いことが最後の試合で勝ったことで報われました」

深町

――来季は主将としてどのようなチームを目指しますか。

 「伝統を受け継ぎつつ、強い明治、大学拳法を引っ張っていくのはやっぱり明治だと思うので。体現できるようなチームを作っていきたいと思います」

――連覇へのプレッシャーはありませんか。

 「そうですね。明治の練習を続けていければ優勝はできると思うので、続けていきます」

野村龍星(文1=関西福祉科大)

――カギとなった試合を教えてください。

 「1回戦の、関西学院の谷さんの試合は向こうのエースなので、そこで勝てたのは自信に繋がりました」

――その試合の勝因は何ですか。

 「日々の先輩たちの練習とかは、強い人たちの周りで毎日練習できていたので、その先輩たちと練習できて良かったなと思いました」