伝統の一戦を制した。対抗戦最終節の相手はここまで6戦6勝と無傷で首位をひた走る早大。前半からスピード感のある攻撃でトライを連取。慶大、帝京大と課題だった試合の入りも克服し、終始試合のテーマでもある〝Meiji Style〟を貫き34ー14…

 伝統の一戦を制した。対抗戦最終節の相手はここまで6戦6勝と無傷で首位をひた走る早大。前半からスピード感のある攻撃でトライを連取。慶大、帝京大と課題だった試合の入りも克服し、終始試合のテーマでもあるMeiji Styleを貫き34ー14と快勝。昨年の大学選手権決勝での雪辱を晴らし、22年ぶりとなる対抗戦連覇を成し遂げた。

◆12・6 関東大学対抗戦(秩父宮ラグビー場)

▼対早大戦

 ○明大34{21ー7、13ー7}14早大

 天下分け目の大一番は明大に軍配が上がった。前半15分、敵陣ゴール前の密集から持ち出しを図ったナンバーエイト箸本龍雅主将(商4=東福岡)が先制トライ。「あのエリアでのアタックをしっかりと準備できていた」(箸本)。棟梁(とうりょう)自らチームに勢いをつける。前半23分には相手ゴール前のラインアウトからモールで押し込みトライ。「セットプレーは良い準備をして圧倒できていた」(左ロック片倉康瑛・法4=明大中野)。事前の準備がチャンスとトライを生み出した。流れを引き寄せる格好で前半を21ー7で折り返す。

 後半に入ってもゲームの主導権を握ったのは明大。後半12分、スクラムでの相手のミスを起点にラインアウトモールへ。ゴール直前まで迫ると、スクラムハーフ飯沼蓮(営3=日川)がオープンサイドにボールを展開。最後は大外に控えていた齊藤大朗(商4=桐蔭学園)がグラウンディングを決めた。中盤、早大のアタックにテンポが増す中でも「接点の部分でしっかりと前に出続けられた」(スクラムハーフ飯沼蓮・営3=日川)。幾度となくラック周辺のペナルティーを誘い、早大の強みを封じこめた。最終スコアは34ー14。昨年に次いで優勝をかけた伝統の一戦を制した明大。王者奪還に向け、大きく弾みをつけた。

 「先制点をとったことで、自分たちのラグビーをしやすくなった」(箸本)。今試合、慶大戦、帝京大戦で課題となった試合の入りを改善。「しっかりと良い準備、良いイメージで試合に入れた」(箸本)。入念な事前の準備が実を結び、試合序盤から流れをつかんだ。

 昨年の大学選手権で苦杯を喫してからこの1年間、その悔しさを糧にコロナ禍でも練習を積み上げてきた。「ここからの取り組み次第で変わってくる」(箸本)。今日の結果を受け、明大の初陣は12月19日(土)に決定した。関東リーグ戦3位の日大、及び福岡工大の勝者としのぎを削る。「チャレンジャー精神で挑みたい」(片倉)。ここから箸本組の日本一に向けた新たな戦いが始まる。

[内山嶺]

選手のコメント→①、②