昨季リーグ王者のヤクルトは「明るく楽しく」、巨人は「打って勝つ」「eBASEBALL プロリーグ」がシーズン開幕を迎え、セ・リーグは5日午後4時からヤクルト-DeNAのカードで幕を開ける。 昨季はヤクルトが優勝したが、「コカ・コーラ eクラ…

昨季リーグ王者のヤクルトは「明るく楽しく」、巨人は「打って勝つ」

「eBASEBALL プロリーグ」がシーズン開幕を迎え、セ・リーグは5日午後4時からヤクルト-DeNAのカードで幕を開ける。

 昨季はヤクルトが優勝したが、「コカ・コーラ eクライマックスシリーズ(以下eクライマックスシリーズ)」を突破したのは2位の巨人。「SMBC e日本シリーズ」では、勢いのままパ・リーグ1位のロッテを2連勝で下し、見事日本一に輝いた。今季はどのような展開を見せるのか--。プロプレーヤーたちの熱戦に期待が高まる。

 昨季は2位と0.5ゲーム差で「eペナントレース」セ・リーグ王者に輝き、2018年最下位からの下克上を果たしたヤクルト。18年は西武、19年はヤクルトを優勝に導いた「eBASEBALL界の優勝請負人」大川泰広選手、昨季「打点王」の高良匡史選手に加え、新たにプロプレーヤーとなった渡部隼人選手、矢吹圭介選手の布陣で、昨季叶わなかった日本一を目指す。

 青木宣親外野手、山田哲人内野手、村上宗隆内野手ら球界を代表する強打者たちを中心に、長短打を打ち分ける攻撃でシーズンを勝ち抜けるか。チームのカラーは「明るく楽しく、助け合い支え合う(大川)、アットホームな職場(高良)」と明るい雰囲気で、勝負を楽しむことも忘れない。「確実なバント(渡部)、外野前に打球を落とすしぶとい打撃(矢吹)」をアピールポイントとする新戦力の活躍にも注目だ。

 巨人は惜しくもシーズン2位に終わったが、「eクライマックスシリーズ」を勝ち抜き、日本一に輝いた昨季から、キャプテン・舘野弘樹選手、吉田友樹選手と契約を継続。「eドラフト会議 supported by リポビタンD(以下eドラフト会議)」で坂東秀憲選手、高川健選手を再指名し、昨季と同じ布陣で2年連続の日本一を狙う。

「打って勝つ」と舘野が語るように、坂本勇人内野手、岡本和真内野手、丸佳浩外野手ら強打者がそろう。投手陣も菅野智之投手、戸郷翔征投手を中心に、中川皓太投手、高梨雄平投手とリリーフ陣も強力だ。投打で存分に力を発揮させ、相手を圧倒する野球を見せられるか。

中日は「守り勝つ野球」、DeNAは「個性が強い集団」

 また高川は、対戦したい選手に「オリックス代表選手の高川悠選手」を指名。昨季は叶わなかった兄弟対決が実現するかにも注目だ。

 昨季は第4節で3連勝を飾ると、第5節を1勝2分で終え、「eクライマックスシリーズ」出場権を勝ち取った中日。今季は継続契約の菅原翔太選手、新井宇輝選手に加え、「eドラフト会議」で岡久将吾選手を再指名。さらに18年に中日でプレーしていた嶋崎幹選手を迎えて悲願の優勝を目指す。

 キャプテンの菅原が挙げたチームのカラーは「投手力を武器に得点を守り抜く」。沢村賞に輝いた大野雄大投手をはじめ、ライデル・マルティネス投手、祖父江大輔投手といったリーグ屈指の投手を駆使して、「守り勝つ野球」を実現することはできるか。

 昨季は2位で迎えた第5節で2敗1分を喫し、3位と0.5ゲーム差の4位と苦杯を嘗めたセ・リーグ初代王者のDeNA。18年からチームの中心として活躍を続ける河合祐哉選手、大茂英寿選手と今季も契約を継続。「eドラフト会議」では、18年に中日でプレーしていた山本遼太郎選手、プロテストオンライン予選4位のルーキー・辻晴選手を迎えて王座奪還を目指す。

 キャプテンの河合はチームについて「個性が強い集団ながら団結力がある」と語る。プレースタイルを見ると、奇襲攻撃(河合)、正確な投球(大茂)、守りでリズムを作る(山本)、ホームラン中心の打撃(辻)とそれぞれの色が。梶谷隆幸外野手、佐野恵太内野手に加え、タイラー・オースティン内野手、ネフタリ・ソト内野手ら強力な外国人選手もそろう打線に、プレーヤーの個性を掛け合わせてシーズンを戦い抜く。

広島は「攻撃的野球」、昨季最下位の阪神は「主軸の一発と投手力で」

 18年2位から優勝を目指した昨季は、7勝12敗2分で5位と悔しい結果に終わった広島。今季はプロ3年目を迎えた倉前俊英選手、2年目の伊勢家雄次選手に加え、「eドラフト会議」でプロテストオンライン予選2位の野上隼紀選手、同27位の山本慧選手を迎えて逆襲を狙う。

 キャプテンの伊勢家がチームのカラーに掲げたのは「結果にこだわる」。鈴木誠也外野手、西川龍馬内野手を中心とした「攻撃的野球」で得点を重ね、セ・リーグの猛者たちを圧倒できるか。また、セ・リーグの新人王最有力と称されるルーキー・森下暢仁投手の起用法にも注目だ。

 昨季は2位と1ゲーム差で迎えた第5節で3連敗を喫し、シーズン最下位と悔しい結果に終わった阪神。今季は岸川虎太朗選手、森翔真選手と契約を継続。「eドラフト会議」では昨季中日でプレーした脇直希選手を5球団競合の末に獲得、同じく昨季広島でプレーした徳田直也選手を迎えた布陣で最下位からの下克上を狙う。

 野手のキーマンに多く挙げられたのは大山悠輔内野手。「主軸の一発と投手力で勝つ」と岸川が語るように、打線では今季大ブレイクを果たした大山を中心に、近本光司外野手、ジェリー・サンズ外野手、投手陣には岩崎優投手、ロベルト・スアレス投手ら好投手がそろっている。投打で選手たちを最大限に生かし、セ・リーグの台風の目となれるか。(「パ・リーグ インサイト」東海林諒平)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)