毎年、東京六大学野球春季リーグ戦(リーグ戦)が閉幕したのちに行われている「六旗の下に」。早稲田、立教、法政、慶應義塾、明治、東京大学が一緒になって年に一度ステージを作り上げている。今年は新型コロナウイルスの影響で一度中止に追い込まれるも、…

 毎年、東京六大学野球春季リーグ戦(リーグ戦)が閉幕したのちに行われている「六旗の下に」。早稲田、立教、法政、慶應義塾、明治、東京大学が一緒になって年に一度ステージを作り上げている。今年は新型コロナウイルスの影響で一度中止に追い込まれるも、オンラインでの配信という形で、秋のリーグ戦終了後、開催することとなった。

 

 早慶戦で優勝を決めた感動から一週間が経った月曜日、東京・北区王子にある北とぴあに東京六大学の応援団、応援部、応援指導部が“一堂に会した”。チアリーダーズやカラーガードが一つになってのオープニングで幕を開ける、のは例年の話。今年は朝から一日かけて、六大学が順番に会場入りし、多くの部員は他大学と接触がないままステージを行なった。佐川太一連盟常任委員(スポ4=栃木・大田原)が「リーグ戦と似ている」と話すように、六大学のどの一校からも感染者を出さないよう徹底することで秋季リーグ戦と同様、応援活動を実現させ、応援という文化を六大学全体で守り切った。そんな中早稲田は、リーグ戦の「覇者」として、『紺碧の空』や『伝統の勝利の拍手』を堂々と披露し、『コンバットマーチ』や校歌では、普段とは違う取り組みを見せた。


『紺碧の空』を振る連盟常任委員の佐川

 

 今年は新型コロナウイルスの影響で春季リーグが延期、夏の開催においても明治神宮野球場に応援の声が響くことはなかった。早稲田は応援団連盟の当番校を務め、連盟委員長である、宮川隼代表委員主将(人4=千葉・稲毛)を中心に六大学の団結力を発揮し、秋季リーグ戦における外野での応援、そしてこの「六旗の下に」の開催を実現した。六大学の応援団はひとたび球場でぶつかり合えばライバルであり、時に助け合い、互いの応援文化を尊重する。そんな連盟の絆は画面越しでも十二分に伝わってくるだろう。


連盟委員長の宮川と六大学の常任委員によるエール

 

 ステージの最後には、各校の連盟常任委員が声を合わせてエールを送った。今年、「応援」の存在意義について考え直したのはどの応援団も同じであろう。この「六旗の下に」を開催することができたのは、六大学にとっても、日本の応援という文化にとっても大きな一歩であった。配信は12月5日の18時からで、チケットは税込2,500円。アーカイブでの配信も行われる。少し気分も暗くなるニュースが多いここ最近。9回2アウトの空気も吹き飛ばす応援に力を貰ってみてはいかがだろうか。全力の熱気の中に各校の色を見せて応援する姿に注目だ。

(記事、写真 市原健)

 

「六旗の下に」は12月5日18時より配信開始です!

コメント

宮川隼東京六大学応援団連盟委員長(人4=千葉・稲毛)

――一度は中止に追い込まれた「六旗の下に」が開催に漕ぎ着けました

どうしても直接観ていただくよりは魅力といったものを伝えづらいとは思いますが、この長きに渡る歴史を有する「六旗の下に」を行うこと自体が重要であると考えていた為、まずは開催が出来てよかったです。

――オンラインでの開催となったことについていかがですか

オンラインで出来たことに対して喜びはあるものの、やはりその場で見ていただかなければ伝わらない気迫などはあるので、今回の「六旗の下に」でもやれることはやったのですがそういったものが伝わるのかという不安と各校の素晴らしいステージを直接見ていただけないことの無念さはあります。あとは例年ですと「六旗の下に」で新人は初めて他大学と交流したり、文化の違いを実感したりするのですが、今年は感染症対策の面から自校のステージ以外は会場にはいられず、新人にそういった体験をさせてあげられなかったのが残念です。

――早稲田が当番校だったからこそできたことなどはありますか

例年、各校が自校の魅力を伝えようとして六大学がまとまることが難しいのですが、秋季リーグ戦を経て連盟本部に対しての信頼といったものは築くことが出来ていたと思うので六校とも例年以上に協力をしてくれて、色々とスムーズに出来ました。

――稲穂祭もオンラインで開催してると思いますが、それがいきた点はありますか

相当大きかったです。それまではオンラインという選択肢がなかったのですが、稲穂祭をオンラインでやったことにより、「六旗の下に」もオンラインという選択が出来る様になったことが一番でした。

――六大学の仲間に対して、コメントをお願いします

色々と今年は大変なことが多かったけれど委員長としてみんなと関われて本当に幸せでした。六大学の団結力がなければ秋季リーグ戦も応援出来なかったです。本当にありがとう。

――配信を見ている方へコメントをお願いします

このコロナ禍でも応援という文化を必死に残そうとした漢達のステージをぜひ観てください。

佐川太一連盟常任委員(スポ4=栃木・大田原)

――一度は中止に追い込まれた「六旗の下に」が開催に漕ぎ着けました

連盟常任委員としては東京六大学野球秋季リーグ戦と時期が被ったこともあるのですが、リーグ戦と似ているところもあって、各々が体調管理とかをしてどの大学からもコロナを出さない、というところは気をつけて、実際どこも出していないのがよかったな、と。稲穂祭とかもやっているんですけどそれがこの六旗のベースになっているので、そういった点での早稲田の頑張り、っていうところが、このステージにも生かされているので、自分も早稲田の一員として感じるところは、早稲田が六大学を引っ張っていったのではないかな、と思います。連盟当番校として、よかったなと思います。

――早稲田が当番校であったことは大きかったですか

そうですね、他だったらどうかは分からないですが、意味はあったのかな、と。来年の立教を見て評価は変わるんじゃないですかね。

――稲穂祭もオンラインでの開催でしたが、違いを意識した点などありますか

稲穂祭は打倒慶應、の色が強くて早稲田の街の皆さんも巻き込んで、というところが強かったと思うんですけど、今回の六旗はリーグ戦終わっているので、イメージとしてはリーグ戦優勝した早稲田の応援部として、次につなげる意味でも「俺たちが一番だぞ」というところを見せつける、じゃないですけど、そういうものにしたいなと思って。あとは、3パートみんなで、みたいなところで「コンバットマーチ」で二年生も参加したりだとか、校歌でも普通は入らない4年生が入ったりして。みんなで応援して点を取りに行くのと一緒で、みんなで一番だぞ、というステージを目指しました。

――六大学の仲間に向けて一言お願いします

こうやって「六旗の下に」のステージを完成させるのには早稲田だけの力じゃもちろんもたないので、各校の色とかスタイルとかがそれぞれあるので、それがあって初めて六旗って成り立つので、居てくれることにすごく意味があるのかな、と思います。各校が全力の応援をしてくる中で、「俺たちもこっちには負けないぞ」というモチベーションにもなっているので、一所懸命にやってくれるだけでもありがたいな、と思いますね。

――最後に、配信を見ている方に一言お願いします

秋季リーグ戦優勝できたので、それに見合うだけの、応援の力が野球部の力になったと、思ってもらえるようなものを、ここで出せるように一所懸命やってので、皆さん是非、僕たちの頑張り、気合みたいなものを感じていただけたら嬉しいので、是非見てください!