12月3日は国連が定めた「国際障がい者デー」。世界に10億人以上いる障がい者について考えるきっかけとして“One World One Family(世界は一つの家族)”をテーマに、10日間の映画祭「True Colors Film Fest…

12月3日は国連が定めた「国際障がい者デー」。世界に10億人以上いる障がい者について考えるきっかけとして“One World One Family(世界は一つの家族)”をテーマに、10日間の映画祭「True Colors Film Festival」が同日よりオンラインで開催。世界の才能ある映画監督によって制作された、障がいや人種差別、貧困と逆境など、ダイバーシティやインクルージョン(多様性と社会的包摂)を扱った作品、全28本が無料配信される!

オープニング記念として12月3日(木)18:00(予定)からは世界的映画祭で高く評価された『37 seconds』を鑑賞サポート付きで特別上映。この作品は健常者が障がい者の役を演じることに疑問を抱いたHIKARI監督が、オーディションで100人の候補から出産時に障がいを負った佳山明さんをヒロインに抜擢したことでも話題に。当日の上映後には、監督や出演者によるアフタートーク(日本手話・日本語字幕あり)の配信も予定されている。


オープニング記念上映 『37 seconds』
配信日時:12月3日(木)18:00〜20:00 予定

監督:HIKARI/日本・アメリカ、2019年/上映時間115分/言語:日本語/字幕:日本語、英語
http://37seconds.jp/
※本作品は12月3日に日本とシンガポールでのみで鑑賞可。

『37 seconds』は、生まれたときに37秒間呼吸ができなかったために身体に障がいを受けた女性が、過干渉な母親に悩みながらも成長していく物語。主人公が親友の漫画家のゴーストライターをしているという設定はエンターテンメント性も高く、第69回ベルリン国際映画祭パノラマ部門の「観客賞」と「国際アートシアター連盟賞」をWで受賞した傑作だ。

また、国際障がい者デー・セレクションとして、短編作品5本をラインナップ。4分から18分と気軽に見られて、見れば何かが変わる作品ばかり。中でもパラアーティストが集結してリモートで製作された『Stand By Me(スタンド・バイ・ミー)Music Video』は必見。


『Stand By Me(スタンド・バイ・ミー)Music Video』
監督:シドニー・タン/シンガポール、2020年/上映時間4分/言語:英語/字幕:英語

ちなみのほかの短編作品はこちら。世界から集められた、心揺さぶられる作品ばかりだ。


『A Long Journey for the First Steps』
監督:ラトコ・ストイリコビッチ、ユリア・ミネット、ヤスミナ・ムスタフィク/スロベニア、2017年/上映時間14分/言語:アラビア語/字幕:英語
ガザ紛争で被害を受けたパレスチナの子どもと親の実体験を描いたドキュメンタリー。スロベニアにやってきてからの、リハビリの様子も描かれる。


『Elsewhere』
監督:チェーザレ・チカ・チカルディーニ/イタリア、2015年/上映時間18分/言語:イタリア語/字幕:英語
ダウン症に苦しむ主人公が、いろいろな意味で境界線を越える旅の物語。彼らの感じ方や考え方を垣間見ることができる。


『Over The Horizon』
監督:イワン・ソーシン/ロシア、2017年/上映時間5分/言語:ロシア語/字幕:英語
目が見えないロシア人写真家が、目が見える人々に世界を見せるために世界各地を旅して写真を撮影し、自身が持つ可能性の地平線を超える。


『The Soul of Sophanna’s Song』
監督:ジュリアナ・タン、アクセル・タン/カンボジア、2017年/上映時間5分/言語:クメール語/字幕:英語
6歳で孤児となり、10歳で半身不随を患ったカンボジア人のミュージシャンが主人公。1年の余命を、音楽を通じて人のために生きようとする決意を描く。

長編映画も見ごたえのある作品が目白押しだが、おすすめはこちら。


『最愛の夏』(Darkness and Light/黒暗之光)
監督:張 作驥(チャン・ツォーチ)/台湾、1999年/上映時間105分/言語:台湾・閩南語、北京語/字幕:日本語、英語
目の不自由な父親が営むマッサージ店を手伝う娘が、暴力団員と恋に落ち…。アマチュア俳優を起用して、障がい者一家が抱える問題と地元暴力団が織りなすドラマを描いた珠玉作。1999年に東京国際映画祭のグランプリを受賞。


『最後の1マイル ~ハンセン病 果てなき旅路で~』(THE LAST MILE – On the Road to Eliminate Leprosy)
監督:浅野直広/日本、2017年/上映時間104分/言語:日本語 /字幕:日本語、英語
何世紀にもわたって恐れられ、差別的扱いを受けてきたハンセン病。WHOのハンセン病制圧大使・笹川陽平さんの40年以上にわたる活動を追ったドキュメンタリー。ピグミー族からバチカンまで、世界50か所からそのリアルをレポート。

「True Colors Festival 超ダイバーシティ芸術祭 -世界はいろいろだから面白い-」は、パフォーミングアーツを通じて、障がい、性、世代、言語、国籍を超えたピースフルな世界の実現を目指す芸術祭。映画祭もその一環として企画された。ほかにも興味深いコンテンツが並ぶので、ホームページをぜひチェックしてほしい!

世界がコロナ禍で揺れる2020年の年末、これからの世界を考えるためにも「True Colors Film Festival」に参加してみてはいかがだろう?

True Colors Film Festival
◇True Colors Festival 公式サイト>>https://truecolors2020.jp/
◇開催期間:2020年12月3日(木)AM1:00~12月13日(日)AM 0:59
◇視聴方法:長編映画は、シンガポールを拠点とするオンライン映画上映プラットフォーム「The Projector Plus」に登録することで視聴可能。https://plus.theprojector.sgから無料で登録できる。また、アジア・太平洋地域のほとんどの国で長編映画を観ることができる。短編映画は、True Colors Film FestivalのVimeo特設ページで鑑賞できる。
※ただし、中国(香港を含む)、キューバ、インドネシア、イラン、北朝鮮、シリア、スーダンは除く。
◇言語:日本語、英語ほか
※字幕の有無や言語については、True Colors Festival 公式サイトにて確認できる。
◇クレジット:
企画:True Colors Festival
主催:日本財団、日本財団 DIVERSITY IN THE ARTS
パートナー:THE PROJECTOR PLUS、Our Better World、We Care Film Fest