柳田悠岐、中村晃、長谷川勇也、福田秀平、吉村裕基…。ソフトバンクの外野手は、多士済々である。熾烈な争いとなるであろう来季のポジション争い。そんな並み居る猛者たちに割って入る存在として、期待がかかっているのが、22歳の真砂勇介だ。■熾烈な外野…

柳田悠岐、中村晃、長谷川勇也、福田秀平、吉村裕基…。ソフトバンクの外野手は、多士済々である。熾烈な争いとなるであろう来季のポジション争い。そんな並み居る猛者たちに割って入る存在として、期待がかかっているのが、22歳の真砂勇介だ。

■熾烈な外野手争いに割って入る存在、SBの22歳外野手は「第2の柳田」になれるか

 柳田悠岐、中村晃、長谷川勇也、福田秀平、吉村裕基…。ソフトバンクの外野手は、多士済々である。熾烈な争いとなるであろう来季のポジション争い。そんな並み居る猛者たちに割って入る存在として、期待がかかっているのが、22歳の真砂勇介だ。

「真砂」の名を広めたのは、10月末からメキシコで行われた「第1回 WBSC U-23ワールドカップ」。世界一に輝いた侍ジャパンU-23の4番を務め、31打数12安打の打率.387、4本塁打、14打点の好成績をマークした。大会MVPを獲得。マスコミにも度々取り上げられるようになり、露出も増えた。

 決して野球エリートではない。京都府出身で、高校は公立校である府立西城陽高校。高校通算52本塁打を放っているものの、甲子園とは無縁で全国的に知られた存在ではなかった。それでも、全身がバネのような類いまれな身体能力を買われ、ソフトバンクが12年のドラフト4位で指名した。

 真砂の武器は先に記したように、抜群の身体能力にある。185センチ、80キロの体格がありながら、50メートル走6秒1の俊足で、遠投100メートル超の強肩。フリー打撃などで見せる打球の飛距離はチームでも屈指のものがある。

■今オフは糸井&柳田と自主トレ、次のステップは1軍定着

 強打、俊足、強肩、そして、飛距離……。こう並べると、ある男と印象が被る。そう、同じソフトバンクの柳田悠岐だ。右打ちと左打ちと違いこそあれ、昨季トリプルスリーを達成し、球界屈指の外野手まで成長した男とイメージは同じ。来季から1軍打撃コーチとなる藤本博史打撃コーチが「ミギータ」と命名したこともうなずける。

 プロ4年目を迎えた今季、初めてウエスタン・リーグで規定打席に到達。ソフトバンクでは4番ではなく、主に1番や3番などで出場し、319打数94安打7本塁打44打点をマーク。ただ、一時、ケガで戦線を離れていたため、120試合中、出場は90試合にとどまった。ケガがなく、フルシーズン戦えていたならば、2ケタ本塁打に乗せていた可能性は高い。そのパンチ力に加え、二塁打や三塁打を生める足も、彼の魅力である。

 現在、22歳。柳田が広島経大卒でプロ入りし、1年目でウエスタン・リーグ本塁打王を獲得したのが23歳の時だった。「ギータ」は翌12年に1軍で68試合に出場して定位置取りのきっかけをつかみ、13年に104試合プレー。そして13年に完全にレギュラーを奪って、全144試合出場。15年のトリプルスリーと、着実に階段を上っていった。

 真砂は今季、ウエスタン・リーグで打撃主要タイトルこそなかったが、好成績を残した。次なるステップは1軍定着、そしてレギュラー取りのきっかけをつかむことか。柳田が自主トレで糸井嘉男の薫陶を受けて飛躍したように、今オフ、真砂は柳田、糸井とともに自主トレで汗を流す。偉大な打者のエキスを存分に吸収する真砂は「第2の柳田」となれるだろうか。