インカレチャレンジマッチ2020は先のオータムカップ2020(オータムカップ)で1部9位から12位のチームと2部1位から4位のチームが全国大学選手権(インカレ)の出場権をかけて対戦をする大会だ。オータムカップでは12位と苦戦した早大は2…

  インカレチャレンジマッチ2020は先のオータムカップ2020(オータムカップ)で1部9位から12位のチームと2部1位から4位のチームが全国大学選手権(インカレ)の出場権をかけて対戦をする大会だ。オータムカップでは12位と苦戦した早大は2部1位の法大と対戦。第1Q、神田誠二(社2=静岡・浜松開誠館)が先制点を取り、それに続くように兪龍海(スポ1=神奈川・桐光学園)、土屋大輝(スポ2=福岡大大濠)も積極的に攻め込む。序盤でリードをつけることに成功し、好調な出だしを切った。良い流れを失いたくない中盤、チームのディフェンスが光る。第2、第3Qで相手を抑え込み、さらにリードを広げ、10点以上の点差を広げることに成功。しかし、第4Qでは法大の猛攻を受けた。苦しい展開になるも粘りのディフェンスで点差を守り抜き、今年初の勝利を掴み取った。この勝利で早大はインカレへの出場権を獲得した。

  インカレ出場に向けて後がない早大は、中大戦で負傷した宮本一樹(スポ3=神奈川・桐光学園)や脳震盪で欠場した星川堅信(スポ1=京都・洛南)など、主要メンバーが不在の厳しい状況の中にあった。しかし、第1Qはそのような逆境をものともせず、接戦を繰り広げる。サイズの大きい兪が積極的にリバウンドを取りに行き、攻めの起点を作る。小室と柳川を中心にコートのインサイドとアウトサイド両方を使った素早いパス回しで相手の裏をかくプレーで得点を重ねていきリードを作ることに成功。第1Qを14-11で終える。相手に得点の隙を作りたくない試合中盤、ディフェンスで練習の成果を見せる。スリーポイントラインの内側に重きを置いた守で、相手の得点チャンスを粉砕。徐々にボールを長く支配できるようになってきた早大は、選手全員がオフェンスとディフェンスの連携を取り、有利な試合展開を作った。小室悠太郎主将(社4=石川・北陸学院)や柳川幹也(スポ4=京都・洛南)が相手のリバウンドを奪って攻めの起点を作り、土屋を中心に攻め込むというような、攻めのいい形を作ることでリードを広げる。チームは勢いづき14連続得点を決めるなど、激しく攻め込んだ。31-22で試合は折り返した。


24点もの得点を決める活躍を見せた土家

  攻めの形を崩したくない第3Q、兪のレイアップシュートから始まる。前半に引き続きスリーポイントライン内側での守りを固め、相手に攻めの流れを譲らなかった。素早いパス回しからの得点で、ポイントを重ね、点差を広げることに成功する。46-33で最終Qを迎えた。勝利まであと一歩の第4Q、追いかける法大の猛攻が始まる。リバウンドを奪われ失点してしまうなど、ミスの目立つ場面もあったが、なんとか食らいつき、粘りのディフェンスをみせた。最後まで点差を守りきり58-54で試合終了。早大は今年初の勝利となった。


3ポイントシュートを放つ柳川

 主要メンバーの不在により、出場メンバーへの負担が大きくなったが、状況に合わせてハーフアームでのディフェンスをするなど、メリハリのある守りが試合での粘り強さを発揮した。オータムカップ期間課題であったリバウンドを含めたディフェンスの大きな成長を、試合で見せつけた。インカレチャレンジマッチの結果によりインカレへの出場が確定し、12月9日の初戦の相手は松山大学である。オータムカップとインカレチャレンジマッチでは数々の逆境があったが、最後に背水の陣の中で早稲田の強さを発揮した。今日までの成長や課題を糧に、インカレに向けてさらなる成長に期待する。

(記事、写真 岸祥太郎)

インカレチャレンジマッチ2020
  1Q2Q3Q4Q合計
早大1417151258
法大1111112154
C#41 小室悠太郎主将(社4=石川・北陸学院)
G#1 神田誠二(社2=静岡・浜松開誠館)
G#12 土家大輝(スポ2=福岡大大濠)
G#14 柳川幹也(スポ4=京都・洛南)
F#15 兪龍海(スポ1=神奈川・桐光学園)
コメント

C小室悠太郎主将(社4=石川・北陸学院)

――試合を振り返っていかがでしたか

とにかく今年初めて試合に勝てて、全日本大学大学選手権(インカレ)への出場が決まってよかったです。

――ディフェンスが大変良かったと思うのですが、どのようなところを注意していましたか

クリーンなショットを打たせないようにしていました。そのうえでリバウンドをしっかりとるっていうのが40分間しっかりできたので、(法大を)54点という点数に抑えられたのかなって思います。ですが、試合終盤に、相手にたくさんのシュートを打たれてしまった場面があったので修正していきたいと思います。

――オータムカップからは時間が少し空きましたが、主にディフェンス面の練習をしてきたのですか

そうですね。新しくやることはなく、ディフェンスを主に練習して、オフェンスの確認をしていました

――オータムカップよりもいいディフェンスを最後まで徹底できましたが、何か変化が心境の中にあったのですか

去年も同じなのですが、例えば、(関東大学)リーグ戦の最終節の負けたら終わりの神奈川大戦、去年の入れ替え戦の国士舘戦など、背水の陣に立たされた時に早稲田はいつもは力を発揮すると監督も言っていて、何十年もそういうチームだよって言われていました。その言葉が功を奏したのか、ガッチリはまって今日のような結果になりました。ただやっぱり、これを1回戦目からしっかり出していかないと戦えないので、(インカレ)1回戦目から出していきたいと思います。

――今日は宮本一樹(スポ3=神奈川・桐光学園)選手はいませんが、やはり出場は難しかったのですか

骨折してしまったので。今年は(試合に出場することは)無理だと思います。来年に期待しています。あとは津田誠人(スポ3=京都・洛南)が戻ってきてくれればチームとしてはとても助かると思っています。あとは今日、星川堅信(スポ1=京都・洛南)が脳震盪で出ていなかったので、星川と津田が戻ってきてくれれば、今日みたいに全員40分(交代なし)という形にはならないと思います。

――チームの雰囲気やコンディションとしては、この試合に向けてどのような感じだったのでしょうか

、オータムカップの期間や今日までに立て続けに怪我人が出てしまいました。しかも中心選手の怪我だったので、正直少し下を向いてしまった部分もチームとしてありました。でも今日の試合に負けたら4年生も引退となるので、もうやるしかないとチームで気持ちを入れ直しました。今年1勝もせず(リーグ戦)1部12位という結果のまま終わってしまうのも嫌で、必ず勝とうと皆吹っ切れて、40分間走り切りました。皆で勝とうって意気込みで臨んで今日この結果が出ました。

――オータムカップの期間中、3つのことを意識しているとお伺いしました。ハーフアームでのディフェンスやボール絵の執着心、大きな声でのコミュニケーション。これらは今日の試合でどのような成果や反省点がありましたか

今日の作戦的に、40分出るのがほとんどだよ、ほとんど5人で戦うよって(監督から)言われてたので、さすがに40分ハーフアームってなるとファールも怖いので、40分間(ハーフアームを)徹底できたかといわれるとそうではないです。ただ要所要所、ここは絶対守らなきゃいけないよってところで全員で結託してこの3つのこと徹底できたので、今日の勝利につながったかなって思います。ディフェンスも出来的には9割くらいです。あとはそれを(インカレまでに)いかに10割に近づけるかだと思います。

G土家大輝(スポ2=福岡大大濠)

――今率直な気持ちはどうですか

去年もこういったインカレ戦、入れ替え戦、チャレンジマッチみたいのがあって、そこで怪我人が多い中で、自分たちが出せる最大限の力が出せて勝てたっていうのは凄い嬉しいですし、2年連続でインカレを経験できるっていうのは凄い楽しみです。

――チームとしてディフェンスがかなり良かったと思いますが、そのあたりどのような手応えを感じていますか

自分たちは、40分しっかり出る選手が多い中で、1歩守ろうっていうところでみんなで声を出しあってディフェンスできたのがすごいよかったのかなと思います。

――オフェンス面では土家選手は得点源の選手ではあると思いますが、自分ではどういったことを意識してプレーしてきましたか。

宮本さんと津田さんっていう早稲田の得点が取れる選手が怪我をしている中で、監督から点を取りに行けという風に言われたので、自分は30点くらい取るって気持ちでやりました。

――24点はどう評価していますか。

そうですね。第1Qの最初と第3Qの最初のシュートセレクトっていうのがすごい悪くて、ブロックされるシーンも多かったですし、そこは試合の中で修正していけないと思いました。そこはインカレに向けて修正していかなくてはいけないと思いました。

――今シーズンはずっと連敗でようやくつかんだ1勝だと思いますが、オータムカップを通じてチームとしてどういうところが成長したと思いますか

練習の雰囲気がまず変わりました。4年生が練習前の自主練からすごく集中した雰囲気で、緊張感のある雰囲気を作ってくださったので自分たち下級生がしっかり声を出して、試合に向けて盛り上げていった結果、チームで戦う雰囲気になっていったので、4年生が引っ張って行ってくれました。

――かなり怪我人が多い中でもチームとしては前向きだったのですか

そう思います。星川が脳震盪ってなったときは、正直みんな心の中ではダメかなって思っていましたが、幸いなことに今年は2部に降格するということはないので、自分たちは失うものがもうないですし、そこはもう最悪(インカレに)出れなくなってもやりきるしかないとやった結果、こういう結果となってよかったと思います。

――インカレではどういう戦いを見せたいですか。

星川だったり津田さんが帰ってくるので、サイズ的にも大きくなりますし、メンバーが増えるということで、もう少し走れるバスケをしていきたいと考えています。