ついにレギュラーシーズン全日程が終了した2020年のセ・リーグ。先週11月9日(月)から11月15日(日)までの戦いの中で、最後の最後まで全力を尽くした選手<週間トップ3>を選びたい。

<最終順位&先週の成績>
①巨人:1勝1敗 ☆優勝決定
②阪神:1勝1敗
③中日:1勝0敗
④DeNA:1勝1敗
⑤広島:1勝1敗
⑥ヤクルト:0勝1敗

【写真提供=共同通信】引退試合のマウンドで全12球、オール“火の玉ストレート”で三者凡退。虎党だけでなく、すべての野球ファンが、阪神・藤川の最後の勇姿を目に焼き付けた

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<1位>
藤川球児(阪神)
【週間成績】登板1試合 1回無安打2奪三振0失点、防御率0.00

 悔いはない。すべてを出し切った。11月10日の巨人戦(甲子園)、最終回のマウンドに上った40歳右腕が、全球ストレートでの真っ向勝負。坂本勇人を148キロ直球、続く中島宏之を146キロ直球で二者連続での空振り三振に仕留め、最後は重信慎之介を146キロでセカンドフライ。全12球、すべて“火の玉ストレート”で、自身の引退試合を三者凡退で締めた。
 引退スピーチでは、「どんなときも必ず見返してやる、そう思い、やってきました」、「自分自身に度々襲い掛かる苦難に打ち勝つことができました」と自らの現役生活を振り返るとともに、阪神ファンに向けて「僕の火の玉ストレートには、甲子園球場のライトスタンドの大応援団のみなさま、チームの思い、そして全国のタイガースファンの熱い思いがすべて詰まっています。それがみなさんの知る火の玉ストレートの投げ方です。それが打たれるはずがありません」と解説。家族、両親への感謝を述べた後、「それでは皆さん、野球選手・藤川球児とサヨナラをするときがきました。みなさまのおかげで最高に素晴らしい野球人生を送ることができました。長い間のご声援、本当に、本当に、ありがとうございました」との言葉で締めた。
そのストレート、その言葉に、感涙の甲子園スタンド。その中で、藤川球児は最後まで笑顔を貫いた。間違いなく、先週だけでなく、今季の日本プロ野球界のハイライトと言えるマウンドだった。

<2位>
鈴木誠也(広島)
【週間成績】出場1試合、打率1.000(3打数3安打)、0本塁打、1打点

その集中力に脱帽するしかない。広島の鈴木誠也が11月10日のヤクルト戦(神宮)に「1番・右翼」で先発出場。この時点では打率.295だったが、第1打席でヤクルト先発・奥川恭伸のカウント3-1からの148キロ直球を右中間へ弾き返す2塁打を放つと、続く2回の第2打席では、奥川の2球目のスライダーを捉えてレフト前ヒット。そして3回の第3打席は、ヤクルトの2番手・星知弥の4球目、外角高めの144mキロの直球を叩き、一塁線を破るタイムリー2塁打。3打席連続安打で打率.300に乗せた。
 プロ4年目の2016年から昨季まで4年連続で打率3割をマークしていた鈴木。これで山本浩二(1980~83年)、正田耕三(1987~90年)、前田智徳(1996~99年)を抜き、球団史上初の5年連続での打率3割達成。さらに、王貞治、落合博満、小笠原道大に次ぐプロ野球史上4人目となる5年連続での打率3割&25本塁打も達成した。今季はチームが低迷する中、自身も打撃不振に悩んだ時期もあったが、それでしっかりと結果を残したことは、来季以降に必ずつながる。

<3位>
神里和毅(DeNA)
【週間成績】出場2試合、打率.500(6打数3安打)、0本塁打、3打点

 プロ3年目の26歳が、チームの今季最終戦で劇的なサヨナラ打を放ち、5年間に渡ってチームを指揮したラミレス監督に最後の勝利をプレゼントした。
11月14日の巨人戦(横浜)。3対4の1点ビハインドで迎えた9回裏、DeNAが柴田竜拓と倉本の連打、宮本秀明の内野安打で2死満塁のチャンスを掴むと、ここで打席に入った神里和毅が、巨人・田口麗斗の初球を左中間に弾き返して二者が生還。神里はこの日、8回にもタイムリーを放っており、2安打3打点の活躍だった。
スタンドが歓声に沸く中、笑顔を見せた神里。沖縄・糸満高から中央大、日本生命を経て、2017年のドラフト2位指名でDeNAに入団。プロ1年目からラミレス監督に積極起用され、昨季は主に「1番・中堅」として128試合に出場した。3年目の今季は、復活した梶谷隆幸にポジションを奪われる形で出番を減らし、代打や守備固めでの出場が多かったが、それでも80試合出場で、規定打席不足ながら今季打率.308をマークした。そしてこの日は、ラミレス監督への“感謝の逆転サヨナラ打”。来季以降の巻き返し、さらなる活躍に期待が高まる活躍だった。

※成績はすべて11月15日終了時点