高校時代に実績を残してきた選手が数多く入部してきた現1年生世代。先日開催された早慶対抗試合(早慶戦)でも3選手が出場するなど、チームの『核』となっていく存在と言えるだろう。全日本学生選手権(インカレ)には残念ながら2選手のみの出場となって…

 高校時代に実績を残してきた選手が数多く入部してきた現1年生世代。先日開催された早慶対抗試合(早慶戦)でも3選手が出場するなど、チームの『核』となっていく存在と言えるだろう。全日本学生選手権(インカレ)には残念ながら2選手のみの出場となってしまったが、今後の活躍には大いに期待の持てる戦いを関東学生トーナメント(春関)では見せてくれた。対談初回では、インカレに出場する高畑里玖(社=兵庫・相生学院)と神鳥舞(スポ=東京・早実)のルーキー2人にお話を伺った。

※この取材は11月10日に行われたものです。

「大学でも日本一を取りたい」


高畑は単複で来年のチームの中心選手となっていく存在だ

――入学してから半年以上経ちましたが、早稲田の環境に慣れ、しっかりと練習できていますか

高畑 だいぶ慣れて、入学当初に比べると気も楽になりました。逆に、気の緩みが今はちょっと怖いですね。

神鳥 どういう感じで練習が進められているか、一つの大会に向けてどう調整するのかという部活のやり方にも慣れてきました。

――高畑選手にお聞きしたいのですが、早稲田庭球部を選んだ理由は

高畑 王座(全日本大学対抗王座決定試合)15連覇している大学でやりたい。僕は中学、高校と日本一を取ってきたので、大学でも日本一を取りたいなと思い、早稲田大学に進学しました。

――中学、高校と日本一を取ってきたことを振り返ると

高畑 中学3年の時に春と夏の両方日本一を取って、高校3年でも春と夏の両方で日本一を取ることができました。団体戦は中学からやっているのですごい好きです。ある意味個人戦とは違う雰囲気なので、面白さを味わえる試合かなと思います。

――高校の先輩が何人か早稲田にいますが

高畑 名越大地(社3=兵庫・相生学院)さんと、田中李佳(スポ3=兵庫・相生学院)さんです。田中李佳さんとは、あまり喋ったことはなったです。

――早稲田に入ると決まり、名越さんとは連絡していたのですか

高畑 ちょくちょく話を聞いたりしていました。受験中も、スポ科を落ちてすごく萎えている時にご飯に連れていってくれたりサポートをしてくれました。

神鳥 松田望愛(文構2=東京・早実)先輩が高校の時からの先輩です。高一や大一の時と一個上が指導してくださるので。自分の悪い部分を的確に、厳しいことも言ってくださりとしてもらっている部分で、一番お世話になってるかなと思います。

――お二人は王座、団体戦の優勝を目指して早稲田に入ったと思いますが、今年王座がなくなってしまったことをどのように感じましたか

高畑 すごい残念でした。一年目からの経験が今後に生きてくるかなと思っていたのですが、その経験がなくなったこと。経験しないまま、2年目に主力として臨むことを考えると経験の部分で…。大学の団体戦は、高校までとは全く違うと思うので、経験なしで臨むことが怖くはなりました。

神鳥 まずは残念な気持ちがありました。女子は去年王座の連覇が途切れていて、その中で『王座奪還』の目標を掲げて、この1年間先輩方とやっていました。その中で1年生として入ってチャレンジしていかないといけない部分で、ある意味思い切りよくプレーできていました。男子と同じように4年生に主力のメンバーが多かったので、今年奪還したかった思いはありました。来年に持ち越しになってしまったなという感じです。

――団体戦としては、今年早慶戦が設けられました。そこに2人は出場されましたが、振り返ると

高畑 早慶戦はプレーの内容的には自分も相手もそこまで良くはなかったのですが、大学に入ってから初めての団体戦である程度雰囲気を感じることができたので良かったです。

神鳥 単複やらせてもらい。シングルスは最後少しつってしまい負けてしまった部分があり、このメンバーでやれる最後の団体戦だったし、選手だけでなく全員が勝ちたい思いを持ってたのでチームとして勝ちたかったですし、悔しかったです。去年も早慶戦を負けていて、今年こそと思っても勝てなかった事実はあるので、まだ足りなかった部分がたくさんあると思います。慶應は誰も抜けないのでもっと苦しい戦いにはなると思うのですが、もう一回何をしないといけないのか、自分自身も考えないといけないと思います。

――春関でのプレーを総括すると

高畑 シングルスはシードではなかったので1回戦からありました。1回戦が一番緊張していて、同い年の法政の強い子だったのですが、予想していた通りに白熱した展開になってファイナルセットまでもつれる試合になりました。そこで勝ってから気持ち的に楽になり、(そこからは)チャレンジャーの気持ちで戦うことができました。シングルスに関してはのびのびとプレーして、ベスト8まで進めました。いいプレーができたかなと思います。ダブルスは勝たないといけない試合だったのですが、前にも言った通り練習不足であった点は挙げられると思うので、来年の夏関(関東学生選手権)までにはもっと練習をして自分たちのプレーができるようになればと思います。

神鳥 自分は単複ベスト8ということで、良くも悪くも中途半端でした。やるからには1年生だからとインカレに出れたらいいとか思わずに、上を目指さないといけなかったと思います。チャンスがなかった試合では単複ともなかったので、そういう部分では…。負けた事実をしっかりと受け止め、来週のインカレが本番だと思って、そこで結果を出せるように。春関での反省点をもう一回出さないようにしないといけないと思います。

『切磋琢磨(せっさたくま)』

――インカレに向けて、どのようなことに取り組んでいますか

高畑 春関で出た課題を監督とも話し合い、短い期間ですができることを少しずつ修正しています。

神鳥 春関終わって1週間しかないので、技術的に大きく伸びることはないと思います。その中でもしょーもないミスをしないとか、ここぞの場面で勝負強く1本取れるような自分の中での強みをもう一回確認したりしています。

――インカレに出場される1年生は2人だけとなりました。出場が有力視された選手も行けなかったことをどのように感じますか

神鳥 自分は同期がもう一人しかいなく。笠原(綾乃、人1=東京・早実)とは高校から一緒に頑張ってきて、高3の時は一緒にダブルスを組んで出場した仲間なので。今年は行けなかったかもしれないですが、「来年からは一緒に行けるように頑張ろう」と自分からもプッシュしていきたいです。男子に関しては、有力視された選手がいたと話された部分では、本当にその通りだと思います。今年はこういう結果に終わりましたが、早稲田の1年はこんなもんじゃないと思わせるためにも、関東の大会から結果を残せるように同期の中で切磋琢磨(せっさたくま)しながら高め合えるような関係になっていきたいと思います。

高畑 同期では池田(朋弥、スポ1=愛知・誉)と藤岡(凌大、文構1=東京・早実)は本当にあと1本のところまでいってます。僕たちの世代は高校時代からいい成績を残した人ばかりですし。そうですね…。自分がインカレで何かを感じ取って、しっかりと何かを持ち帰り。さっき舞が言ったように切磋琢磨(せっさたくま)。何かを持ち帰って伝えることができれば、来年以降もっと。今年はインカレの枠が少なかったのもありますが、来年は皆で出れるようになるのかなと思います。

――1年生はどのような代ですか

神鳥 個性は結構あると思います(笑)

高畑 個性しかない!同じような人がほぼいない!

神鳥 男子だと同じ寮に住んでいる人もいますし、いい刺激を与え合える環境ではあると思います。

――お二人、仲良いなと感じるのですが。昔からの知り合いなのですか

高畑 さっきちょうど話していたんですよ(笑)

神鳥 「いつからなんだろうね?」って。

高畑、神鳥 小学校から。

神鳥 東京で同じだったので、小学校から中学まで。高校は里玖が兵庫の相生で離れていたのですが、大会で会ったらいろいろと話していたよね。

高畑 親とも仲が良くて。なんか知らんけど(笑)

――家族ぐるみでの付き合いなのでしょうか

神鳥 私の母と、里玖が仲良いー!(笑)

高畑 結構喋る!

2人揃って36番!(笑)


春関、神鳥は石川と組むダブルスで思うような結果を残せなかった

――インカレの参考ランキングが発表されていましたが、どのようなことを思いましたか

高畑、神鳥 2人揃って36番!(笑)

神鳥 仲良しだね(笑)

高畑 すぐメールしちゃったよね(笑)。「同じ36番だね」と。シード付かなかったのは残念ですけど、1年生らしく伸び伸びとプレーするだけです。相手が誰であろうとチャレンジャーの気持ちを持って、一戦一戦頑張ればいいかなと思います。

神鳥 春関でもう一つ勝っていればシードだったかもと考えると悔しい気持ちはあるのですが、変にシードが付いてプレッシャーを感じるよりも、ノーシードから一つずつシードを倒す気持ちで向かっていければと思います。

――インカレに出場する選手の中で負けたくない相手はいますか

高畑 慶應の藤原智也(1年)です。高校の頃から何度も試合はしているのですが、負けている回数の方が明らかに多いですし。僕としては負けたくない思いを持っているので、当たれば勝ちたいですね。

神鳥 亜細亜の山﨑郁美(1年)。今回の春関で準優勝していて、ジュニアの時から何回も試合をして勝ったり負けたりといいライバルなので。試合外の部分では仲も良くて、でも当たったら1年生同士の対決ということで負けたくないです。

――今年の会場は四日市ですが、コートに関してどのような印象を持っていますか

高畑 結構跳ねる印象はあります。そこまで速いコートではなく。高2のインターハイ(高校総体)で経験しているんですけど、その時初めて個人戦でベスト8に入ったのでいいイメージがある会場です。苦手なコートではないと思います。

神鳥 高2の時にインターハイで行ったは行ったのですが、女子はインドアのオムニコートで試合をしたので。外のハードコートではプレーしていないのでコートの状況は分からないのですが、前日練習からしっかりと調整をしていきたいと思います。

――インカレでの具体的な目標をお願いします

高畑 こういうのはあまり調子乗らないほうがいいので(笑)

神鳥 でも低いとさ(笑)

高畑 言われるよな〜(笑)。じゃあ濁して上位進出!

神鳥 それはずるいでしょ(笑)。濁しすぎでしょ(笑)

高畑 いけるところまで突っ走りたいですね(笑)。上位進出でお願いします!

神鳥 いや〜。

高畑 チャンスあるやん。ベスト8以上とか?

神鳥 単複ベスト8以上。まあ、ベスト4目指します!

高畑 (神鳥に対して)優勝で!

神鳥 もちろん優勝を目指しながらも、一個一個!

高畑 じゃあ僕も優勝を目指しつつ上位進出!

――それでは目標はそのような感じで

高畑、神鳥 はい!

――ありがとうございました!

(取材・編集 大島悠希)

◆高畑里玖(たかはた・りく)

2001(平13)年10月1日生まれのO型。兵庫・相生学院高出身。社会科学部1年。

◆神鳥舞(かんどり・まい)

2001(平13)年7月2日生まれのO型。東京・早実高出身。スポーツ科学部1年