日本ラクロス協会が2021年以降の活動方針と具体的プランを発表 ビジネスの世界では企業や団体が将来を見据えた「成長戦略」…

日本ラクロス協会が2021年以降の活動方針と具体的プランを発表

 ビジネスの世界では企業や団体が将来を見据えた「成長戦略」を発表することは、ごく当たり前のことだ。だが、スポーツ界に当てはめてみると、それは極めて稀な取り組みになる。11月7日、日本ラクロス協会(JLA)はオンライン上で成長戦略発表会「JLA Daybreak Conference 2020」を開催し、今後の成長戦略と方針について発表、説明を行った。

 協会の執行委員たちと会員である競技者たちの間に壁を置かず、誰にも分かりやすいガラス張りの運営を目指すJLA。これまでも、コロナ禍に揺れるアマチュアスポーツ界の中でいち早く、2020年度の基本方針や活動再開ガイドラインを設定したり、大学生の新入生勧誘活動をサポートするためにSNS上で大規模広告を打ったり、新しい取り組みを行ってきた。では、「withコロナ」の世界で次に進むべき一歩は何なのか。成長戦略発表会では、JLAによる「2021年、3つの新しい取り組み」と「基本戦略と3つの構想」について言及された。

 プロラクロス選手の山田幸代とJLA理事兼CSO(最高戦略責任者)の安西渉氏がメインパーソナリティを務めた成長戦略発表会は、「YouTube Live」というオープンな場所が舞台となった。まず、発表されたのが、2021年に実施する「3つの新たな取り組み」だ。

2021年に実施する「3つの新たな取り組み」とは…

 1つ目は、6人制ラクロス「Sixes」の本格スタートだ。通常のラクロスは10人制だが、より身近で気軽に楽しめるスポーツとして普及させることを目的とする。バスケットボールにおける「3on3」のイメージで、現在、国際統轄団体「ワールドラクロス(WL)」では正式ルールの制定作業中で、WLメンバーとしてルール制定に関わる山田は「男子と女子で大きく違うラクロスのルールを、Sixesではより近い形にする方針」であると報告。日本ではまず、ラクロス文化をプロデュースする「サムライラクロス」と協力し、2021年にテスト大会「ロクロク」を開催。2022年からは公式競技として実施し、代表チームも作っていくという。

 2つ目は、ブランドデザインパートナーを決定し、代表チームのアパレル製品提供に加え、JLAのパートナー企業として日本代表のブランド設計に戦略的に取り組んでいくという。男子代表はVASALLO、女子代表はLENACOSがサポート。発表会にはVASALLO代表取締役社長の小林慶士氏と、LENACOSを運営する株式会社ワンステップ代表取締役社長の瀧澤昭人氏が参加し、ラクロスが持つ魅力と可能性について語った。

 3つ目は、ユニホームへの広告掲載の開始だ。各チーム毎に広告主と契約し、2021年の公式戦から広告が入ったユニホームやヘルメットが使用可能となるという。これには広告主を見つけるプロセスにおいて、プレーヤーたちがラクロスの価値を言語化し、共感を生み出せるようにしてほしいという願いが込められている。

日本ラクロス界が目指す方向性を決める「開拓者精神」と「挑戦の心」

 2021年に予定される具体的な取り組みに加え、ラクロス界は今後、どういった方向性を目指すのか。その背景にあるのが、日本ラクロス界が持つ「開拓者精神」であり「挑戦の心」だという。日本におけるラクロスの競技人口は約1万7000人。ラクロスはカレッジスポーツとしての側面が強く、競技者の大半は大学からスタートしている。そこで発表会では、ラクロスの競技者は何か新しいものを面白がれる人、変化を厭わない人であると仮定。そのラクロス特有の価値が今後のカギを握るとした。

 これを踏まえた上で「Small Government」「Lacrosse As a Life.」「世界大会の招致検討開始」という「3つの構想」を発表。コンパクトかつオープンな協会を目指し、ラクロス界が仲間内だけの集まりにとどまらず、広く社会と交流することを目指しながら、ラクロスと触れ合った人々の人生を豊かにする「学びのプラットフォーム」の構築を検討するとした。さらに、2025年女子世界大会、2026年男子世界大会の日本開催招致に向けて、具体的かつ本格的に取り組むことも発表した。

 成長戦略を掲げた日本ラクロス界が、ここからどれだけ目標を達成していけるのか。新たな取り組みには、ラクロス界内はもちろん、外部からも注目が集まりそうだ。(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)