中国・広東省で開催された「第9回 BFA U-12アジア選手権」で初優勝を果たした侍ジャパンU-12代表が14日に凱旋帰国した。午後8時過ぎに羽田空港に到着。家族らの出迎えを受けた後、記者会見を行った。■5戦全勝V、星子天真主将「優勝しか狙…

中国・広東省で開催された「第9回 BFA U-12アジア選手権」で初優勝を果たした侍ジャパンU-12代表が14日に凱旋帰国した。午後8時過ぎに羽田空港に到着。家族らの出迎えを受けた後、記者会見を行った。

■5戦全勝V、星子天真主将「優勝しか狙ってなかった」

 中国・広東省で開催された「第9回 BFA U-12アジア選手権」で初優勝を果たした侍ジャパンU-12代表が14日に凱旋帰国した。午後8時過ぎに羽田空港に到着。家族らの出迎えを受けた後、記者会見を行った。

 グループ予選から5戦全勝で初優勝を手にした侍ジャパンU-12代表は、金メダルを首から下げ、胸を張って帰国。羽田空港では家族や関係者から温かい出迎えを受けた。記者会見で、元巨人の仁志敏久監督は「初めてのアジア制覇ということになりました。選手の能力が非常に高く、我々の方が助けられることが多かったので、選手が勝ち取った優勝だと思っています。今後につながる非常に大きな優勝だったと思うので、U-12から野球界を盛り上げていければと思います。その素晴らしいきっかけになったと思います」と喜びを語った。

 選手は代表4名が会見に臨んだ。優勝から一夜明けた感想を聞かれると、金沢海斗は「15人が最初から集まった時から優勝しか狙っていなかったので、優勝できて本当に良かったです」と笑顔。山下真輝も「海斗と一緒で優勝しか狙っていなかったので、優勝できて嬉しいです」と話し、田栗慶太郎は「U-12初のアジア優勝をでき、とても嬉しく思っています。次のU-12にも優勝してほしいです」と来年の侍ジャパンU-12代表に期待を寄せた。キャプテンを務めた星子天真は「今、みんなが言ったように、東京での合宿で15人が集まった時から優勝しか狙っていませんでした。日本のために優勝しようと話していたので、優勝できて嬉しいです」と語った。

■勝因は選手の能力、仁志監督「我々が考える以上の行動してくれた」

 5戦全勝での初優勝。勝因を聞かれた仁志監督は「選手の能力に尽きますね。我々が考えていること以上のことをいつも考えて行動してくれていました。非常に助かりました」と選手を称えた。そして、「はじめからちゃんとできる子たちがそろっていたと思いますが、自分たちでまとまろうとし、野球も私生活もきっちりしようと行動してくれていました。元々できることが確実にできるようになったと思います」と成長の跡を話した。

 選手もそれぞれに成長できた点を話し、最後に今後の目標とする選手と夢を語った。金沢が「目標とする選手はソフトバンクの今宮(健太)選手です。これからの目標はU-15、U-18、そしてトップのプロ野球の侍ジャパンに入って、信頼されるバッターになりたいです」と言えば、ヤクルト・山田哲人選手を目標に掲げた山下も「U-15、U-18、プロの侍ジャパンに選ばれ、世界で通用する選手になりたいです」と力強く宣言した。

 また、173センチの長身右腕・田栗は日本ハム・大谷翔平選手の名前を挙げ、「U-15、U-18で選ばれる選手になりたいです」と意気込んだ。星子主将はソフトバンク・柳田悠岐選手を目指し、「U-15、U-18、最終的にはトップの侍ジャパンになり、目標とされる選手になりたい」と誓った。

■「愛すべき“息子たち”」と仁志監督、アジアから世界一へ

 仁志監督は「彼らは能力の高い選手たちです。このまま中学校、高校と活躍することを期待しています。野球人口も減り、子どもも減っている中でこういう高い能力を持っている子どもたちは貴重な存在。野球界としても期待していますが、今後、大事に見守っていかなければいけないと思っています。自分の愛すべき“息子たち”のような存在ですから、動向は追っていきたいと思います」と話した。チームは解散となるが、15人の“息子”をこれからも守っていく。

 同時に、次なる戦いは始まっている。仁志監督はアジア初制覇を成し遂げた選手たちに感謝しながら、「今後はアジアだけではなく、来年はワールドカップがありますので、そういった大きな大会でも日本の名前をトップに連ねられるようにしたいですね。侍ジャパンとしても、日本の野球界全体としても一丸となってトップを目指して頑張っていきたいと思います」と話した。アジアの頂点から世界一へ。挑戦は終わらない。

高橋昌江●文 text by Masae Takahashi