中国・広東省で開催されている「第9回 BFA U-12アジア選手権」は12日、セミファイナルが行われ、侍ジャパンU-12日本代表は中国に9-0の6回コールドで勝利。開幕4連勝で決勝進出を決めた。■4戦連続コールド勝ちで決勝進出、アジア選手権…

中国・広東省で開催されている「第9回 BFA U-12アジア選手権」は12日、セミファイナルが行われ、侍ジャパンU-12日本代表は中国に9-0の6回コールドで勝利。開幕4連勝で決勝進出を決めた。

■4戦連続コールド勝ちで決勝進出、アジア選手権初優勝に王手

 中国・広東省で開催されている「第9回 BFA U-12アジア選手権」は12日、セミファイナルが行われ、侍ジャパンU-12日本代表は中国に9-0の6回コールドで勝利。開幕4連勝で決勝進出を決めた。

 日本の試合前、もう1つの準決勝で予想外の展開が起きた。力があり、日本が決勝に進出した場合の対戦相手になるだろうと予想されていたチャニーズ・タイペイが韓国に4-6で敗れたのだ。

「(選手たちは試合前)自分たちにもふりかかるかもしれない、ということを自分たちで言い合っていたので、『そういうことがないようにしよう』と言いました」と仁志敏久監督。しっかりと気を引き締めて臨んだ試合だった。

 初回から日本らしい攻撃を見せた。1番・小西柚生がセーフティバントを決めて出塁。盗塁と暴投で三塁まで進むと、2番・星子天真主将の適時三塁打で先制した。2死を奪われたが、5番・疋田悠真が三遊間を破る左安を放ち、1点を追加。3回は、2番・星子主将の三塁打から始まり、3番・福原聖矢が中前適時打、4番・星川心も中前に落ちる適時打、5番・疋田は右中間を破る適時打とタイムリーが続き、4点を加えた。その後も攻撃の手を緩めず、計11安打で9得点と圧倒した。

■仁志監督「予選リーグで勝っていても負けるということがある」

 第1試合に組み込まれていたグループ予選では試合前にグラウンドで仁志監督が打撃投手を務めるフリー打撃を行って、ゲームに入っていた。この日もフリー打撃を行ったのだが、中国の打撃練習中も日本の選手たちは仁志監督がトスするボールをさらに打った。この日は第2試合で午前中の試合を観戦していたこともあり、「準備不足があった」と仁志監督。また、「(打撃練習が)どうもおかしかったので、準備する時間がなく、足りないかなと感じたんです」と気がかりがあったことを明かした。

 だが終わってみれば、5本の長打など、11安打と打線爆発。仁志監督は「選手たちは内容の良いヒットを打ちたいと思っていても、そうならなかった選手が多かったですからね。今日は質の良い、本当のヒットを打っていましたね」と喜んだ。

 投げては、先発・宇地原丈智がコーナーをついて丁寧なピッチングを披露した。「ストライクを取って、打たせて取るピッチングができました」と宇地原。「いけるところまで」と考えていた仁志監督だったが、走者を出しても併殺で切り抜けるなどし、中国打線を完封した。仁志監督は「危なげなく投げてくれた」と褒めた。

 グループ予選からコールド勝ちを続け、いよいよ、初優勝をかけてファイナルに挑む。相手はグループ予選でコールド勝ちしている韓国だ。仁志監督は「明日も1回、勝っている相手。僕も経験がありますが、大人の日本代表でも、予選リーグで勝っていても負けるということがある。予選の時と準決勝や決勝でチームが変わっていることがありますから」とはちまきを締めてかかる。

 侍ジャパンU-12代表の選手たちも一切の気の緩みはない。宇地原は「決勝なので、今までのことを全部出して、みんなで優勝したい」と意気込んだ。

高橋昌江●文 text by Masae Takahashi