全日本選手権出場9枠を懸けた一戦。SP(ショートプログラム)を1位で通過した樋口新葉(商2=開智日本橋学園)は貫禄の演技を見せ2位と大きく差をつけ優勝。また、松原星(商2=武蔵野学院)が4位、大矢里佳(商4=中京大中京)が9位、本田真凜(…

 全日本選手権出場9枠を懸けた一戦。SP(ショートプログラム)を1位で通過した樋口新葉(商2=開智日本橋学園)は貫禄の演技を見せ2位と大きく差をつけ優勝。また、松原星(商2=武蔵野学院)が4位、大矢里佳(商4=中京大中京)が9位、本田真凜(政経1=青森山田)が10位、佐藤伊吹(政経2=駒場学園)が11 位で、ともに全日本への切符を手にした。

◆11・6~8 東日本選手権(小瀬スポーツ公園アイスアリーナ)

 驚異の修正力を見せた。SPで完璧に近い演技を見せ、1位で迎えたFS(フリースケーティング)。SPに続き新しい衣装に身を包み臨んだ。演技冒頭、トリプルアクセルに挑むも、着氷が乱れる。続くトリプルルッツがオーバーターンで単発のジャンプになるなど、不安な滑り出しに。しかしここから怒涛(どとう)のリカバリーを見せる。「滑りながら考えた」と後半3つのジャンプに修正を加え、前半のミスを巻き返した。結果、自身で「目標」と語った200点を超える点数で優勝。大技・トリプルアクセルはあと一歩のところで成功とはならなかったが「アクセルでミスをしても、そのあと崩れないような演技を」と次戦・NHK杯への課題を再確認した。

 今年も明大女子勢の強さは健在だ。SPを3位で通過した松原は、ジャンプにミスがあったものの『ピアノ・レッスン』に乗せ美しい演技で4位。ラストシーズンを迎えた大矢、新加入の本田、昨年度3位の佐藤も全日本出場を決めた。新型コロナウイルスの影響により、例年とは異なる状況で試行錯誤する選手たち。来月に控えた全日本選手権では、それぞれが納得のいく演技を披露し、有終の美を飾りたい。

[加川遥稀]

試合後のコメント

樋口

――トリプルアクセルは自信を持って臨めていましたか。

 「6分間練習や朝の公式練習でも降りることができていたので、練習の成果が出たなと思うのですが、試合の演技になるとやはり難しいなと感じる部分がありました。1回試合で降りることができれば、もっと自信もついてくると思うので、緊張や体の動きなどをもっと試合で気を付けていければいいなと思います」

――FSのプログラムである『ポエタ』は2年目となります。完成度はいかがですか。

 「練習でもジャンプやスピンだけではなく、つなぎの部分で音を合わせたり、すごく細かい部分に注意することができているので、それが練習でも試合でも成果が出せているのではないかなと思います。ただ、もう少し大きく見せたり、もっとアピールできる部分があると思うので、そこはNHK杯に向けてまた練習していきたいと思います」

――NHK杯に向け、これからどのように仕上げでいかれる予定ですか。

 「SPはすごくよかったので、あとはステップやレベルの取りこぼしがないように気を付けて練習したいなと思っています。FSは(トリプル)アクセルが跳べても跳べなくても、次のジャンプから絶対失敗のないように安定させられたらいいなと思います」