今年の伝統の一戦は例年以上に特別な試合となった。早慶両校が優勝を争い最終週で直接対決。さらに先発は早大・早川隆久(スポ4…

今年の伝統の一戦は例年以上に特別な試合となった。早慶両校が優勝を争い最終週で直接対決。さらに先発は早大・早川隆久(スポ4・木更津総合)、慶大・木澤尚文(商4・慶應)と、ともにドラフト1位で指名された投手の投げ合いで多くの人の注目を集めた。試合はやはり下馬評通りの投手戦。そのなかでも互いに少ないチャンスをものにし得点を挙げたが、7回に蛭間拓哉(スポ2・浦和学院)の勝ち越し2ランを浴びこれが決勝点となる。慶大打線は抜群の安定感を誇る早川を打ち崩すことはできず、敗戦を喫した。この結果を受け優勝の行方は明日の第2戦までもつれ込むことになった。

慶大バッテリー:●木澤、関根-福井

早大バッテリー:○早川-岩本

早大本塁打:蛭間2号2ラン(7回)

上限いっぱいの1万2千人の観衆が見つめるなか、優勝を懸けた試合は始まった。初回、慶大先発・木澤はいきなり先制のピンチを迎える。まず2番・吉澤一翔(スポ4・大阪桐蔭)に四球で出塁を許すと3番・瀧澤虎太朗(スポ4・山梨学院)に左前安打を打たれ1死一、二塁に。それでも後続を断ちこの回を0点に抑えた。木澤は初回を乗り切ると以降は5回まで一人もランナーを許さない完璧な投球を見せる。

対する早大先発・早川も初回からテンポの良い投球で3回までを完璧に投げ終える。慶大にこの日初のランナーが出たのは4回表。この試合3番に起用された下山悠介(商2・慶應)が中前安打で出塁。しかし、続く打者が空三振に倒れこのランナーを生かすことはできなかった。続く5回、6回ともにランナーを出したものの早川の安定した投球を前に得点を奪えず前半戦を終える。

二塁打でチャンスを演出した正木

互いにスコアボードに0を並べていくなか試合が動いたのは6回裏。木澤は四球でランナーを出すと犠打とバッテリーエラーで1死三塁のピンチを迎える。すると1回にも安打を打っている3番・瀧澤が右翼線へのタイムリーヒットを放ち早大がまず1点を先取した。

しかし先制を許した直後、慶大も負けじと食らいつく。無死から4番・正木智也(政3・慶應)が右中間への二塁打を放つと続く福井章吾(環3・大阪桐蔭)が1球で送りバントを決め、1死三塁と得点のチャンスを迎える。ここで堀井監督は今春の早慶戦で早川から本塁打を放っている代打・藤元雄太(商4・慶應)を送り込む。藤元の遊ゴロの間に正木が生還し、慶大は同点に追いつくことに成功した。

藤元の内野ゴロの間に同点とした

試合が振り出しに戻ったところで迎えた7回裏の早大の攻撃。1死から7番・熊田任洋(スポ1・東邦)に安打で出塁を許すと、続く8番・蛭間に変化球をレフトスタンドへ運ばれる。再び勝ち越しを許しこれが決勝打となった。

2点を追う8、9回もランナーを出すものの早川から連打を放つことはできず、最後は福井、藤元が連続三振に切って取られゲームセット。

まさに意地と意地のぶつかり合いとなった今年の早慶戦第1戦。木澤は7回4安打9奪三振、早川は9回5安打15奪三振と両校エース同士のハイレベルな投手戦のなか、蛭間の一撃が試合を決め早大が勝利を手にした。

今日敗れたことで形勢は逆転し、早大が優勝へ逆王手。慶大の優勝への道筋は明日の勝利を残すのみとなった。慶大にとっても最終戦であり今年の六大学野球を締めくくる試合となる明日。歴史に残る伝統の一戦を制し王者の威厳を見せてくれることに期待したい。

(記事:相川環、写真:菊池輝)