新型コロナウイルス感染拡大の影響で開催が延期され、4年生にとっては最終レースとしてチーム一丸で挑んだ今大会。最終日の決勝には計5艇が残ったものの、優勝艇は出ず悔しい結果となった。◆10・22~25 第47回全日本大学選手権大会(戸田ボート…

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で開催が延期され、4年生にとっては最終レースとしてチーム一丸で挑んだ今大会。最終日の決勝には計5艇が残ったものの、優勝艇は出ず悔しい結果となった。

◆10・22~25 第47回全日本大学選手権大会(戸田ボートコース) 

▼男子シングルスカル(S寺井)――準決勝3位

▼男子ダブルスカル(S大竹B中山)――順位決定戦2位

▼女子ダブルスカル(S増田B種田)――順位決定戦1位

▼男子舵手なしペア(S和田B加藤)――準決勝4位

▼女子舵手なしペア(S黒沼B山吹)――順位決定戦1位

▼男子舵手なしフォア(S辻3小野田2道端B佐藤雅)――順位決定戦1位

▼男子舵手なしクォドルプル(S門馬3平野2博田B東坂)――決勝2位

▼女子舵手なしクォドルプル(S林原3西田2村岡B岡田)――決勝2位

▼男子舵手付きフォア(S山本3鈴村2藤井B小林C東)――決勝4位

▼女子舵手付きフォア(S磴3田口2中山B田草川C佐藤涼)――決勝3位

▼男子エイト(S鎌原7武藤6佐々木5木村4岡本3境2河畑B茂見C対比地)――決勝3位

 悲願達成とはならなかった。チームの目標として掲げてきた男女総合優勝。歴史と伝統ある明治大学端艇部の先輩達も追ってきた夢だ。「端艇とは勝ち負けがはっきりするスポーツ」(佐々木心主将・商4=田名部)。大きな目標に向けて、鍛錬を重ねてきた4年生にとって引退レースとなる今大会。主将のその言葉通り、勝者にとっては永遠に浸っていたい、また敗者にとっては受け入れがたい答えが出た。終わってみれば総合優勝は叶わず、そして15年ぶりの優勝艇なしと悔しい結果に終わった。

 振り返れば苦難に満ちた1年間だった。昨秋、新体制へ移行したばかりだった代の船出を襲った台風19号。荒川沿いの寮は一部浸水し、チームとしての始動は遅れた。そして年が明け、全日本大学選手権に向け、気持ちを新たにしていた矢先の新型コロナウイルス感染拡大。思い通りにいかないことが多いシーズンだった。しかしそんな状況でも、選手達はそれぞれ練習してきた過程の中で何かを残そうと必死に努力を積み重ねてきた。

 そして迎えた4年生のラストインカレ。満足のいく結果は残すことができなかった。しかし悔しさだけでなく「最後までやり切ったという顔が見られて安心した」(佐々木)。もちろん結果だけを見れば、それは目指してきたものではないのかもしれない。しかし皆で困難を乗り越え、その先にあった達成感。悔しさを次のステップのバネにするためにも「まずは自分たちを褒め称えないといけない」(村岡美晴女子部主将・農4=日田三隈)。これまでやってきたことは決して間違いではない。「全力は出し切った。後はバトンパス」(佐々木)。4年生の思いを受け継いで、新たに動き出す後輩達。今シーズンの悔しさを胸に刻み、ここからまたレベルアップを重ねていく。

[佐藤慶世]

試合後のコメント

佐々木

――後輩にはどのような姿勢を見せたいと考えていましたか。

 「レースの長い距離の中で、最初に相手に出られて諦めてしまう人たちも少なからずいるわけで、後輩たちにはそこで絶対に折れない心を練習の中で見せてきたつもりです。その心は今回のレースを振り返ってみると、全員でトライできた部分もあったので、自分としては〝不屈の精神〟というのを伝えられたのかなと思っています」

――後輩に向けて一言お願いします。

 「代それぞれの個性があって、どういう目標になるかはその代が決めることなので僕らは何も口は出しませんが、やはり引退した身としては僕らができなかった事を受け継いでほしいです。僕らが残してきたものを土台として後輩たちが掲げる目標にチャレンジしてもらえれば良いかなと思います」

村岡

――女子部主将として悩んだことはございますか。

 「この1年間悩んだことは全くなくて。それはやはり後輩たちが私を支えてくれて、それが私の頑張る原動力であり、逆に頑張らなければいけない、みんなのために何かしてあげなければいけないという気持ちで毎日過ごしていたので、逆に私が助けられた方だなと思います」

西田結惟(文3=加茂)

――村岡さんはどのような主将でしたか。

 「親しみやすさと人の弱い心に寄り添える方だというのはすごく感じています。美晴さん(村岡)は弱い心などを全部優しく受け入れてくれるというか、共感してしてくれて、優しく包み込んでくれながらも、みんなで一緒に頑張ろうという雰囲気を作ってくださってた方だったと思います」