第2回に登場するのは早大相撲部の活躍を語る上では欠かせないこのお2人。吉村千華(法2=東京・東京学芸大付)マネジャーと石田萌果(法1=東京・国分寺)マネジャーだ。まるで姉妹のようなお2人の対談は、終始にぎやかな雰囲気に包まれた。今回の対談…

 第2回に登場するのは早大相撲部の活躍を語る上では欠かせないこのお2人。吉村千華(法2=東京・東京学芸大付)マネジャーと石田萌果(法1=東京・国分寺)マネジャーだ。まるで姉妹のようなお2人の対談は、終始にぎやかな雰囲気に包まれた。今回の対談では、コロナ禍で揺れ動いているマネジャー業務を中心に話を伺った!

※この取材は10月10日に行われたものです。


微笑みながら質問に答えた吉村

「(石田は)相撲部の救世主」(吉村)

――対談恒例の他己紹介からのスタートです。まずは石田マネジャーの紹介からお願いします

吉村 すごいやることが丁寧で、穏やかな雰囲気なので、一緒にいると和みます。相撲部の救世主です!冨樫みちる(令元スポ卒)さんも昨年同じことを私に言っていましたが、上に立つようになって、本当に救世主だと思いますね。

石田 千華さんは本当に優しくて、相撲部に入ってよかったなと思います。

――石田マネジャーにお聞きします。どういった経緯で相撲部に入ることになりましたか

石田 (テレビ東京)スポーツウォッチャーを毎週見ているのですが、そこで早大相撲部が特集されていて、相撲部の存在を知りました。入学してから、テレビで見た記憶が蘇って、行ってみようかなと。

吉村 いやぁ、テレビの力はすごい!

――入学式が中止となり、新歓活動も例年通りにできない中、そこからどのように行動されましたか

石田 ツイッターで相撲部のアカウントにDMで、「今ってマネジャー募集しているのですか」と聞きました。そこからZOOMで説明会を開いてくださり、体験入部をしてみることにしました。

――ツイッターから連絡が来た時、受け入れる側としてはどうでしたか

吉村 本当にびっくりしました!今年は新歓がなかったので、新入生の獲得は無理かなと諦めていたのですが、体験に来てくれるということで、感謝しかなかったです。SNSを頑張ってくれていて、本当によかったなと思いました。

――ツイッターで連絡するまでに、きっかけはありましたか

石田 最初はツイッター上の質問箱に、質問をしてみました。

吉村 え!してくれてたの!

石田 そうなんですよ。送った質問に返信をしてくださっていたので、しっかり運営されている部活だと感じました。

吉村 田太(隆靖、スポ2=東京・足立新田)くんがやってくれていたので、よかった!

――実際に体験に来られた時、どのような印象を持たれましたか

石田 最初に来た日に、カメラでずっと撮られている方がいました!いきなり撮られる形だったので、これがどこかで流れてしまったら、どうなってしまうのかなぁと。それは、取材陣が入れないために、コーチが代行でカメラを回されていたということでした。

吉村 初回からカメラが回り、仕事も普通にお願いしてしまっていたので、辞めちゃうのかなと不安だったんですけどね(笑)

吉村 いや、楽しかったです!優しくて、少人数であることもいいなと思いました。

吉村 そう言ってもらえて、本当にうれしいです。

「やっぱり人数が多い方が楽しい」(吉村)

――そこから早大相撲部に入部されてどういったことをされていますか

石田 料理を作っています。でも今までやってこなかったので、千華さん頼みで頑張っています。自分のためには全然作らないので(笑)誰かのために作るのはいいなぁと思ってます!

――今年は石田マネジャーだけでなく、栗田(スポ1=新潟・海洋)選手と土屋(スポ1=静岡・飛龍)選手が入部されましたね

吉村 新しいことがコロナで全然できない状況ではありましたが、1年生が入ってくれたことで、雰囲気が明るくなった感じがします。フレッシュさですかね(笑)やっぱり人数が多い方が楽しいので、3人の1年生が入ってくれて嬉しいです。

――吉村マネジャーはどんな先輩ですか

石田 千華さん頼みなので、いなくなってしまったらどうしようって。卒業を先にされて、1人で残ったらどうしようということばかり考えてます。

吉村 大丈夫、入れよう!

石田 そうですね、千華さんの卒業までには新たに入れたい!

吉村 それに1年しか学年が変わらない分、長く一緒にいられるのは、よかったです。

――授業をはじめ大学生活に不自由が多くある中で、相撲部の存在は大きいですか

石田 相撲部でしか、早大の学生に会うことができないので、ここでしゃべることも楽しいです(笑)

吉村 1年生は授業のクラスなどで友達を作る機会が減ってしまっている分、相撲部で少しでも人と触れ合えたらいいなと思います!

――吉村マネジャーにお聞きします。冨樫マネジャーが卒業されてから、変わったことはありますか

吉村 今までみちるさんに頼っていた部分を、私がやるということで、周りの人から任されることも増えました。例えば、書類を出すなどの事務作業や、予約などです。監督と相談することも増えました。萌果ちゃんが入ってくれたこともあり、後輩に連絡をするということもあります。

――では、後輩ができたことで変化はありましたか

吉村 もっと私頑張らなきゃなと思うようにはなりましたね。みちるさんが表立ってされていたことを、私がやらなきゃいけないとなると緊張もあります。それと、今までの先輩方がマネジャーという存在をゼロから創り上げてこられたので、それをさらに発展させて、受け継いでいきたいという責任も感じています。

石田 さすがです!

「つい声を出してしまいたくなります」(石田)

――部活動が再開するにあたり大変だったことはありますか

吉村 今まで以上に衛生管理に気を遣うようにはなりました。ちゃんこ鍋からお弁当形式になったのですが、口に直接入れるものになるので、シンクの消毒やお皿を洗うこと、手の消毒などには、より気をつけるようになりました。

――では部活動再開できたことで、改めて感じられたことはありますか

吉村 自粛期間は何もすることがなく、みんなもバラバラだったので、部活動が再開して元気にみんなと会えたことが嬉しかったです。大会がない時期が続きましたが、今まで大会や稽古が普通にできていたことは楽しいことだったと、改めて実感しました。それでも、みんなで鍋を食べられないことは悲しいですけどね。

――大会には、いつから居合わせることができましたか

石田 この前の土日に行われた東日本学生選手権で、初めて生で見ました!

吉村 私は9月に行われた東日本学生個人体重別選手権で、今年に入ってからでは、初めて行ったという形です。無観客ということで寂しい感じではありましたが、とりあえず入れてもらえたことに感謝してます。

――応援側の迫力もありましたか

吉村 あ、今は声出しNGなんです。

石田 でも、つい声を出してしまいたくなりますよね(笑)大きい選手に対して、小さい選手が勝ったりもするので、相撲おもしろいなと思いました。

吉村 楽しんでくれてよかった。

石田 楽しかったです!Bリーグで優勝しましたが、勝ち上がっていくにつれて緊張感が増していき、そこで勝つと嬉しくて、すごい興奮しました。優勝した時は特に!

――私たち早スポも駆けつけたかったです(泣)入部される前に早スポの記事を見られたりしましたか 

石田 記事は見た気がします!体験に来る前にホームページでいろいろ調べていた時に、見たと思います。

――相撲部のホームページも最近大きく更新されましたね

吉村 私たちの写真も載って嬉しいです。

石田 先週写真送りましたよね。すぐに更新されてびっくりしました。

吉村 そう!今までマネジャーは名前だけだったので、嬉しいですね。きめた甲斐がありました(笑)。

石田 写真送ってと言われて、その後ふと見たら変わっていたので、はや!と驚きました。

吉村 それと、集合写真も前回の大会に更新されていましたね。

「こんなに優しい方々がいるんだ!というレベルで優しい」(石田)

――対面がなかなか難しい分、今までよりも情報発信が重要になってきていると思いますが、相撲部ではどのようにされていましたか

吉村 コロナで新歓活動ができない分、田太くんがTwitterで部員紹介や意気込みを書いてくれたりしました。

石田 それ見ました!

吉村 こうやって萌果ちゃんが見てくれたり、周りの友達からも「見たよ」と反響があったりしたので、SNSを使った活動も大切だなと思いました。

――情報を受け取る側からは、どうでしたか

石田 同級生の栗田くんと土屋くんが紹介されていたり、相撲部のブログも遡って見ると、バレンタインデーに千華さんが部員に渡していることなども載っていました。それを見て、相撲部楽しそうだな、行ってみようかなと思ったので、よかったです!

吉村 そもそも相撲部を知ってくれている人が少ないので、こういった発信をしていかないといけないですね。

――お二人は同じ法学部ですね

石田 いろいろ話を聞けるので嬉しいです。

吉村 先生や授業の感想といった話ができますね。法律サークルでも集まって活動することできないため、1年生ともつながりづらいところはあるので、ここでつながれてよかったです。

石田 本当に同じ学部で嬉しいです!

吉村 なんでも聞いていいよ!

――法学部での勉強はいかがですか

石田 テストが本当に苦しくて。毎回これをやっていくのは大変だなと思いました。

吉村 1年生は必修も多いし、テストが評価100%という科目も多いからね。

石田 それでも今回はオンラインテストということで、教科書を見ながらでオッケーということだったのですが、これなかったら何も書けないと思いました。普段はすごいなぁって思います。

吉村 一緒にがんばろ!


笑顔が印象的な石田

――つづいて、マネジャーから見た相撲部の魅力を教えてください

吉村 まず、みんな優しいです!それと昨年も同じだけど、相撲をとる時と普段の、オンとオフの切り替えをしっかりしていることですね。普段稽古をした後も仲良くしていますが、大会ではかっこいい感じになるように、メリハリがあるところがいい所です!

石田 こんなに優しい方々がいるんだ!というレベルで優しいです。これだけ優しい人々が集まっていて奇跡みたいです。気軽に話しかけてもらえますし、大会に行くときもコンビニでなんでも選んでいいよって言ってくれました!この前の大会までは優しい人柄でしか見ていなかったのですが、大会での熱い姿を見て、かっこよかったです!

吉村 他の部活に比べても人数が少ないですし、みんな寮で暮らしていることもあって、アットホームな感じがあります。私たちは寮生活でもないですが、仲間に入れてもらえることは、みんなが優しいからだと思います。

――マネジャーだけが知る選手の意外な一面はありますか

吉村 栗田くんがすごく料理上手で、魚をさばけるんですよ!魚を丸々買って、さばいて刺身にしたこともあるみたいです。カレーも作っていて。

石田 カレーもらいました!

吉村 カレーを試作したということで、レトルトカレーを配ってくれました!それと土屋くんは、実家のご飯がすごい好きらしく、いつも家に帰ってご飯食べたいって言ってます(笑)。この前の2日間の休みにも、静岡の実家に帰っていましたね。

――監督やコーチの印象はいかがですか

石田 監督もすごく優しいです!高校の顧問が怖くて、2メートルぐらいの身長から圧をかけてくる感じだったのですが、相撲部の監督が優しくて、本当によかったです。

吉村 縛るのではなく、選手の自主性を重んじて、怒鳴る感じでもないので、監督は本当に優しいです!

――選手に直してほしい!という点はありますか

吉村 時々、田太くんのフリに無理があります(笑)あ、それと田太くんのラインの返事が遅いので、直してほしいです!

「大相撲と違う雰囲気があって面白い」(吉村)

――部活以外で、大相撲などは見られますか

吉村 私は見るよ!

石田 私は全然見てないです。この前の大会で、初めて生で見たという感じです!

――私事ですが、御嶽海(出羽海部屋)を応援させていただいております

吉村 一緒です!この前の場所で、大関に上がれるかなと思って推していたのに、全然勝てなかったですよね。でも御嶽海は優勝争いに関わってくれそうな期待感や、精神が強そうな感じがあります!あとは、遠藤が好きですね。

石田 この前タオル持ってましたよね!

吉村 そう!御嶽海と遠藤のタオル持ってます。今場所以降は、大関になった正代も応援しようと思ってます。

石田 正代の名前は最近聞きました!相撲に関しては、(日本テレビ)ニュースZEROで有働アナが好きな炎鵬が、小さい体で大きい力士に勝つ姿を、よく見てました。それをこの前の大会でも、実際にされている力士がいて、相撲の動きは細かいなと驚きましたね。飛んで押さえつけたりする動きなどもあって、知らないことがたくさんあるって思いました!

吉村 学生相撲も、大相撲と違う雰囲気があって面白いし、これを機に大相撲も好きになってもらえれば、嬉しいです(笑)

――相撲部の試合ではどのように見守っていますか

吉村 頑張れという気持ちの方が大きいです。もちろんケガを負っている選手の時は、ケガが悪化しないか心配ではありますが、1番は頑張れという気持ちです。学生相撲は団体戦のように、チームとしての部分が大きいので、その中の1人として応援しています。

石田 勝て勝て、と思いながら見ていました。勝った時には嬉しすぎて、歓声が出てしまいますよね。

吉村 出るよね(笑) 隣の人に「喜び方が勇ましいね」って言われました(笑)

石田 勝ったら嬉しいですもんね!

吉村 Bリーグで優勝した時は、本当に盛り上がりました。二見さんが勝った時には、二見さんもガッツポーズをしていましたけど、「よっしゃあ」って。

石田 千華さんが隣ですごい叫んでました(笑)

――Bリーグで優勝できたことは快挙でしたね

吉村 Aリーグに上がったことも3年ぶりということで、そういう時にコロナ禍ですが、一緒に行けてよかったです。

「この量を食べきるのか!」(石田)

――ちゃんこ鍋については、近頃いかがですか 

吉村 最後に作ったのは、部活動停止前になりますね。今年は1回も作れていないです。

石田 大きな鍋にたくさんの具材が入っているイメージがあるので、作るのは大変だろうなって思ってます(笑)

吉村 作ることができるようになったら、しっかり教えていきたいなと思います。

――現在はどういった料理をされていますか

吉村 お弁当のおかずを一緒に作っています。

――部のご飯の量に初めは驚きましたか

石田 初日が一番多いなって思った気がします。

吉村 最初のインパクトは強烈だよね(笑)だんだん見ているうちに、こんなものかなって思ってくるのかもね。

石田 大きな炊飯器でがんがん炊いていくので、やっぱりこんなに食べるのかと。それに人数が多くないはずなのに、この量を食べきるのか!って思いました。

吉村 1回に一升は炊いているからね。でも、そこまで多くないかなって思ってきているのは、感覚がマヒしているから、気を付けた方がいいよ(笑)

――早稲田杯がなくなってしまったことは悲しかったですね

吉村 その時に、荒磯親方(元横綱稀勢の里、田子の浦部屋)に会えると思って、荒磯親方の伝記まで読んで準備していたんですよ!早稲田杯がなくなってしまって、本当に悲しいです。

石田 千華さんが荒磯親方の話をずっとするので、そうとう思い入れがあったんだなって思っています。

吉村 ぜひ荒磯親方には、稽古に来ていただきたいです。

石田 私も会いたいです!

「後輩を入れて、わいわいやっていきたい」(石田)

――これから実現していきたいことを教えてください

吉村 野望としては、今までよりもマネジャーの仕事を増やしたいと思っています。現在は、ご飯を作ったり、大会では記録やビデオをとることをしていますが、事務作業を選手の方でやっているので、そういった負担を減らせればいいなと思っています。先輩たちがマネジャーという地位を築いてきましたが、さらに幅を広げたいです!最近は大会の補助員もできるようになりましたね。

石田 この前は記録をとることや、表彰式の手伝いをしました。

吉村 他の大学では、その後に試合が控えている選手が補助員を務めていたりするので、こういった仕事もマネジャーができれば、選手もより試合に集中できるかなと思っています。

石田 私は、まず仕事をしっかり覚えたいです。千華さんが絶対に先に卒業してしまうので、

吉村 いやわかんないよ(笑)

石田 (笑)。でも千華さんがいなくなってしまうまでには、1人でできるようになりたいです。1人になってしまうのも寂しいので、それまでには後輩を入れて、わいわいやっていきたいと思います!

――早スポとしてもできるだけ協力させていただきます!

吉村 この前の対談で、下に「マネジャーを募集しています」って書いてくれて、それには本当に感謝しています!

――では、最後に一言お願いいたします

石田 私は入ったばかりですが、卒業するまでずっといると思うので、いろいろと教わって一生懸命やっていこうと思います!

吉村 今年はコロナ禍で大変ですが、今まで以上に相撲部に貢献できるように頑張っていきます!

――ありがとうございました!


お2人の謙虚な姿勢がそのまま色紙にも表れていました!

(取材・編集 樋本岳)

◆吉村千華(よしむら・ちか)(※写真右)

2000(平12)年8月30日生まれ。東京・東京学芸大学付高出身。法学部2年。今年度の大会ではマネジャーとしては同行できないため、大会補助員として部員の活躍を見守っているそうです。そんなお忙しいなかでも、これまで取組結果や戦況メモを快く提供していただいています。今年度の早スポの相撲部記事があるのは吉村マネジャーのご協力の賜物です。そして去年に引き続き、最後に一言。「相撲部はマネジャーを絶賛募集中です!」

◆石田萌果(いしだ・もえか)(※写真左)

2001(平13)年6月29日生まれ。東京・国分寺高出身。法学部1年。入部前、相撲はニュースなどで見る程度だったという石田さんは陸上競技の経験があったそう。もともと、ご兄弟がサッカー、バスケ、ハンドボール、などの多様なスポーツをやっているとのことで、スポーツ全般に興味があったようです。そんな中でも、石田さんも相撲に惹かれ、『スー女』になっていくのでしょうか。