デアリングタクト、コントレイルによる無敗の3冠達成、アーモンドアイによる史上初の芝GI8勝目など、この3週間で華々し…

 デアリングタクト、コントレイルによる無敗の3冠達成、アーモンドアイによる史上初の芝GI8勝目など、この3週間で華々しい記録が次々に樹立された競馬界。今週は、中央GIこそ小休止となるが、今日夕方にダートの祭典・JBCが行われる。16:30発走のJBCレディスクラシック(JpnI/大井)を皮切りに、18:30発走のJBCクラシック(JpnI/大井)まで4つのダート重賞が行われる。JRAネット投票でも馬券を購入できるため、今後のダート戦線を占う意味でもぜひとも注目したいところだ。

 クラシック、スプリント、レディスクラシックは大井競馬場で開催される。毎年持ち回りで行われるJBCだが、大井コースといえば地方競馬のなかでも有数の大きなコースで熱戦が期待される。最近のダート交流重賞では地方所属馬の活躍も目立つだけに、どのレースもひと波乱を期待したいところだが、予想家はどう考えるのか。今回は血統ビーム、血統の教科書など血統予想のパイオニアである亀谷敬正氏にJBC攻略のポイントをうかがった。

「今年は牝馬、牡馬ともに無敗の3冠馬が誕生。コントレイル、デアリングタクトには、サンデーサイレンス産駒のダービー馬(ディープインパクト、スペシャルウィーク)の血が入っています。ところが、2頭ともに首位種牡馬を10年以上獲得したノーザンテーストの血は入っていません。

 サンデーサイレンスとノーザンテーストの配合馬でクラシック勝ち馬は1頭のみ。父ノーザンテーストの繁殖がサンデーサイレンスとの配合でダービー馬を出せなかったのは、加速力とパワーが勝ち過ぎてしまうため、東京芝2400mで必要な直線の伸びを失ってしまうためです。

 しかし、サンデーとノーザンテーストはいずれも日本の競馬で長年、トップの座に君臨し続けた種牡馬。クラシックに合わなかっただけで、両方の血を持つ馬の潜在能力が低かろうわけはありません。ノーザンテーストを持つ馬は、前出したように加速力とパワーに優れています。タフな馬場で減速を強いられても、リカバリーできるパワーとガッツにも優れています。

 そして、今年のJBCデーは“ノーザンテーストの血を持つサンデー系種牡馬”が輝きそうです。JBCクラシックに出走するチュウワウィザードの母父はデュランダル。サンデーサイレンスとノーザンテーストの配合馬です」

 コントレイルやデアリングタクトなど、中央競馬で活躍する馬の血統傾向をそのまま地方競馬に当てはめられるわけではない、というのは亀谷氏ならではの視点といえる。JBCクラシックではクリソベリル、オメガパフューム、チュウワウィザードと同じ舞台で行われた帝王賞の上位3頭が人気の中心になりそう。どの馬もサンデーサイレンスの血を持っているが、ノーザンテーストの血を持つのはチュウワウィザードのみで、この違いをどう馬券に反映させるかは的中のポイントになりそうだ。