東京六大学野球秋季リーグ第6週の2回戦が10月25日に行われ、第2試合では法大と慶大が1対1の引き分け。慶大が開幕8試合無敗(6勝2分け)をキープした。ドラフト候補の法大・高田が序盤から丁寧なピッチングを続けた 前日の1回戦に勝利して今季…

 東京六大学野球秋季リーグ第6週の2回戦が10月25日に行われ、第2試合では法大と慶大が1対1の引き分け。慶大が開幕8試合無敗(6勝2分け)をキープした。

ドラフト候補の法大・高田が序盤から丁寧なピッチングを続けた

 前日の1回戦に勝利して今季6勝1分けの勝点6.5で首位に立つ慶大と、春王者ながら秋は2勝4敗1分けの勝点2.5と苦しみ、意地を見せたい法大の対戦。慶大は今季3試合で1勝0敗、防御率3.00の森田晃介(3年・慶應)が先発。法大は明日26日のNPBドラフト会議の候補に挙げられ、今季4試合で1勝1敗、防御率3.60の高田孝一(4年・平塚学園)が先発。右腕同士の投げ合いで試合が始まった。

 試合は2回に動く。法大が2死から6番・齊藤大輝(2年・横浜)がヒットで出塁すると、続く7番・大柿廉太郎(2年・健大高崎)が初球を叩いて先制のタイムリー2塁打。法大が先手を奪う。対する慶大はその裏、4番・正木智也(3年・慶應)、5番・福井章吾(3年・大阪桐蔭)の連打に相手エラーも重なって無死満塁のチャンスを掴み、7番・若林将平(3年・履正社)がレフト前タイムリーを放って同点に追い付いた。だが、試合の鍵は、その直後のプレーだった。慶大は尚も無死満塁のチャンスで8番・瀬戸西純(4年・慶應)がファーストゴロで本塁封殺の後、走塁ミスが2つ重なって結果的にトリプルプレーでチェンジとなった。

 1対1のまま2回を終えると、3回以降は膠着状態。法大は「フォームを見直した」という先発の高田が「いかに力を抜いて投げるか。今日はいつもの7、8割の力」という制球重視のピッチングで好投し、7回を4安打1失点に抑えた後、8回からは前日先発した鈴木昭汰(4年・常総学院)が2イニングを無安打無失点。対する慶大は、先発の森田が6回途中2安打1失点で降板して継投に入り、7回からは同じく先日先発した木澤尚文(4年・慶應)がリリーフ登板し、3イニングを2安打無失点と好投。両チームともチャンスはあったが投手陣が踏ん張り、ヒット数はともに4本ずつ。1対1のまま試合終了となった。

 これで慶大は8試合を終えて6勝2分けの勝点7。この日の第1試合で早大が引き分けたために差を広げるチャンスでもあったが、結果的に0.5ポイント差のまま。優勝の行方は、11月7日、8日の最終週、早慶戦で決まることになった。

1対1のまま試合終了。首位・慶大と2位・早大が0.5ポイント差のまま2週間後の早慶戦を迎えることになった

■法政大vs慶應義塾大
法大 010 000 000=1
慶大 010 000 000=1
【法】高田孝、鈴木-大柿
【慶】森田、長谷部、長谷川、木澤-福井

◎慶應義塾大・堀井哲也監督
「(2回の三重殺は)まぁ、野球ですから、いろんなことが起こる。こういうプレーもあるんだなと思った。エラーでもらったチャンスでもあったし、高田投手の出来も良かったので、同点に追い付いたことでよしとしたい。投手陣はよくつないでくれた。(最終週の早慶戦へ向けて)これまでずっと良いピッチャーと対戦してきて、今度はいよいよ早川君との対戦。投手も打者も意識するでしょうし、これ異常ない舞台だと思っています。(瀬戸西と木澤の取材後)反省しています。先ほど、早川君のことを口走りましたが、野球はチーム力。瀬戸西キャプテンと木澤投手の話を聞いて、気持ちをチェンジしました」

◎慶應義塾大・瀬戸西純(4年・慶應)
「(早慶戦へ向けて)チーム全体でどうやって早川投手を打つのかを考えて、早慶戦まで取り組んでいきたい。(早川投手は)球が走っていない時でも大崩れしない投球術を身につけている。一筋縄にはいかない。簡単には打てないと思うので、一人一人が食らい付いて、なんとか1点ずつ、しつこくやりたいと思います」

◎慶應義塾大・木澤尚文(4年・慶應)
「(3回無失点の投球に)森田が要所要所を抑えてくれて、後にも他のピッチャーが控えていたので、1イニングずつをしっかり投げるつもりで投げた。それが3イニングできた。同点の場面での登板で、ただ勝ちたいという気持ちで投げた。(早慶戦へ向けて)早慶戦の2間に勝ち切って優勝することを、この1年間、いろいろとあった中でやってきた。早川投手との投げ合いというよりも、ただ勝ちたい。その中で与えられた仕事をしっかりとしたい。あと2試合なのでしっかりと働きたい。(明日のドラフト会議は)これから何かすることはできないので、早稲田戦へ向けて準備したい

◎法政大・青木久典監督
「今日は高田と鈴木で行こうと思っていた。負けられませんし、勝ちに行ったゲーム。彼ら2人がエースですから。守りはイメージ通り。攻撃の方はいろいろと足も絡ませていったんですけど、なかなかハマらなかった。(2回の三重殺は)キャッチャーの大垣が良い状況判断をした。高田は良かった。丁寧に投げようという気持ちが伝わってきた。よく7回まで投げたと思います。ヒット数は同じですけど、5四死球をいただいていたので、もう1点は取れた。勝ち損なったかなという印象です」

◎法政大・高田孝一(4年・平塚学園)
「まずは試合をしっかり作ること。先制点を与えずにしっかりと粘ること。今日はいかに力を抜いて投げるかを意識した。スピードはいつもより出ていたなかったと思いますけど、その代わりにコースだとか高さは間違わずに投げられた。(ドラフト会議について)少なからず頭にあった。やることはこの1年間しっかりとできた。どうなるか、楽しみに待ちたいです」